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Hugo 3月27日〜365日の香水

男の装備品
今日の香水はHUGO BOSSのHUGO。
ボトルが水筒のような形でいかにも戦うメンズの装備品という感じがする。手に馴染む用にゆるやかにボトルが湾曲しているのも”いかにも”に思える。HUGO BOSSはドイツに誕生し、元々は作業服などの製造メーカーでナチス政権下では軍服の製造もしていたというが、戦後にスーツを売り出したのが好評で高級アパレルブランドの今日に至ったようだ。
「戦略会議の続く日に付けたい」とこの香りのことを言った人がいて、なるほどと思った。

ラベンダーの変わり目 ~マッチョと草食
さて、男性用フレグランスにおけるラベンダーのあり方が90年代を境に変わったということを、様々なメンズフレグランスに接していて思う。
1973年にパコラバンヌ(paco rabanne)からプールオム(pour homme)が登場してこれがメンズフレグランスのプラットフォームのようになった。
その中で樹脂系の甘さとムスクやタバコの香りなど”たくましい”香調を牽引する役割がラベンダーだった。
90年代くらいからのメンズフレグランスは、マッチョな部分をそぎ落とし、シトラスやミントやバジル系のハーブにラベンダーが寄り添うような、ライトでスマートなものになっていく。
(現在は男性用、女性用の境界線もほぼ消失した。この状況は大歓迎)
今日の香水、HUGOはもちろん後者。
調べると草食男子が流行語になったのが2006年、十数年先駆けて、香りの世界ではメンズフレグランスが草食化していたということかもしれない。

HUGO/HUGO BOSS/1995
香りの特徴やボトルデザインについても先に触れてしまったけれど、あらためていうと、やはりライトでフレッシュな香り。グリーンアップルやバジルのトッポノートは威圧感よりも爽快感、ミドルからラストに向けてカーネーションやシダーなどが匂い立ってくるけれど透明感を損なっていない。
調香師は興味深いことにすでに引退しているけれど、ボブ・アリア―ノという人でもともとはマーケターだったという。このHUGOの製作チームに加わったのが調香に関わる最初であったようだ。
ブランド名を冠し、メンズライクなデザインだけれど、香りは性別を選ばず、季節さえ選ばない万能さがある。
戦略性の高い香水といえるかも。

香り、思い、呼吸。

3月27日がお誕生日の方、記念日の方おめでとうございます。

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