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アイボリー 5月19日~365日の香水

デザイナーの理想の女性像を体現するスターたち
デザイナーは女優を自身のブランドのアイコンにすることがよくある。
有名なのはジバンシーとオードリーヘップバーンの関係。他にもカトリーヌ・ドヌーブはサンローランとは公私で交友があり、ハウスにとってはミューズというか「お姫様」のような存在であったという。
今日の香水、イヴォアール(ivore)のバルマンにとってのミューズはソフィア・ローレンだったと聞いた。
そして、彼女の独特の肌の色に由来するバルマンの理想の女性像としてのアイボリー。アイボリーの似合う人、美しいアイボリーの肌の女性を香水イヴォアールで表現したと。
確かに、清々しくエレガントな香調は、少し野性味があってツンとすました女性とのバランスがよさそうである。

香りと人のバランス
香水を選ぶとき、装いやTPO、もちろん自身の好みが決め手になる。
選ぶときに考えたいのは、香りは目に見えないので、その人の醸す雰囲気の一部分になるということ。
わかりすぎるくらい顕著に振りかければ「香水つけてるのね」となるけれど、立ち上がったとき、すれ違った瞬間に、「ん?」と感じる程度のつけ方をすると、何とは言えないけれど「気になる感じ」「いい感じ」が漂う。
つけ方のバランスである。

香りと人とのギャップ
ソフィア・ローレンのようなどこかたくましさも感じつつセクシーな女性が繊細で少し儚げな香りを、ふっと香らせたら美しさを際立たせる素晴らしい演出になる。
バランスとギャップ、これが人と香水の相乗効果。
イヴォアールとソフィア・ローレンの関係はその好例のように思う。
彼女が、濃厚なオリエンタルな香りで登場したらそれはそれで本人の持つ雰囲気を助長させる効果があるけれど、想定内も否めない。
意外性のある香り遣いにドキッとするのは真理ではないかしら?

IVIIRE de BALMAIN/PIERRE BALMAIN/  1979
現在はリニューアル版になっているけれど、1979年版はその後に続くグリーン系でソープ様で繊細さのある香水の先駆けになった。
シトラスとガルバナムのトップから瑞々しいグリーンフローラルのミドル、ラストノートは少しモッシーな気配とウッディ。
真夏でも使えるくらいに、軽いわけでも薄いわけでも決してないけれど清潔感と清涼感がある。とてもシンプルな装いなのに、それがとても格好よく、しかもそれが似合う人は実はそんなにいない。アイボリーのシンプルな夏のワンピース、帽子もアクセサリーもない、なのにとてもファッショナブルで麗しい、そんな理想の女性像が浮かぶ。

香り、思い、呼吸
5月19日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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