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モンゲラン 6月24日~365日の香水

シャンゼリゼ通り68番地の階段を上がって
ゲランの本店はシャンゼリゼ通りにある。数年訪ねていないけれど、基本的には通りに面した一階に新作がプロモーションされている。
それほど広くない階段を上がって二階につくと目の前に香水の泉、そしてビーボトルが壁を埋め尽くす光景。香水の泉の向こう側の窓には眼下にシャンゼリゼ通りを行きかう人々をみることができる。
振り返ると、窓と反対側の壁にはゲラン家歴代当主の横顔が白いタイルの上に墨絵のような切り絵のようなテイストで4つ並ぶ。
ピエール・フランソワ・パスカル、エメ、ジャック、ジャン・ポール。
偉大な当主たち。
階段を挟んで続くのは歴代の名香のボトル。ゲラン香水博物館といっていい。
大半はバカラ製のボトルだ。

二階で歴史を堪能し古に浸ったら、お土産は一階で?!
実は、ゲランに私が直接行くことはあまりなくて、これまでも数えるほどしか機会がなかった。
入るなり、新作に目もくれず二階にかけあがる。簡単に自己紹介もする。
現在のシャンゼリゼ通り68番地に本店を構えたのが1912年、歴史、ベルエポック、いろいろな雰囲気に浸ることができるフロア。
歴史や80年代くらいまでにリリースされた歴史のある香水にしか興味がないと思われるのか、出るときには一階にプロモーションされている新作のサンプルをたくさんもらうことになる。
「歴代(の調香師)もいいけれど、ティエリワッサーもいいよ」といって、もらったものがモン・ゲラン(mon guerlain)だった。

心が疲れた時に
公式サイトでは「自分らしさの追求、力強く自由で官能的」がこの香水のメッセージになっている。
けれど、以前こんなことを書いたように、私の中では安らぎ、癒しの香水なのである。

この時の「モンゲラン」の原体験が今も影響していて、ブランドの提供するストーリーとは別に“癒し、甘やかしてくれる香り”がモンゲランなのである。

Mon Guerlain/guerlain/2017
調香師は初めてゲラン家以外から登用されたティエリ・ワッサー(Thierry Wasser)と女性調香師のデルフィン・ジェルク(Delphine Jelk)。
トップで嫌みにならない程度のラベンダー、ベルガモット、ミドルのジャスミンやローズ、ラストノートのバニラやパチュリー、新機軸というよりも歴史の踏襲のような側面を持つ。つまり私の言葉でいえばゲランらしい「ふくよかさ」がある。
「私のゲラン」というネーミングは、多くの女性にこれからも香りでラグジュアリを届けるという、当主なき後のゲランのメッセージなのかもしれない。

香り、思い、呼吸
6月24日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。


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