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ダークブルー 7月16日〜365日の香水

文脈
文脈が変わると同じ事象なのに、解釈や意味が変わることがある。
硬い表情で、愛想のない人だ、と思っていたけれど後日、とても緊張していて頭の中が真っ白だったと聞くと、印象が変わる。
10年くらい前は、Tシャツにデニムは、スーツ姿のビジネスパーソンの中に一人紛れると、その集団の中で最も影響力を持つIT社長に見えたりするけれど、街中では何の変哲もないアラサーだったり、ということもあった。

香水もTPOという文脈の中でイメージを変えていくものと思う。
そこには装い方、付ける量や場所も含まれる。

メンズという文脈
メンズフレグランスというジャンルを考えると、現在特にニッチフレグランスの領域では男性用・女性用の区分けはほぼ消滅している。
ハイブランドは、広告戦略上、起用したモデルが女性向けか男性向けかというイメージをどうしても作っていく。それでも、消費する側は、その境界に関係なく好きを選んでいるのが現在だと思う。
香水はもともとは、男性のため、女性のため、ということではなく、侯爵夫人のため、国王のためといったように、特定の特権階級の、一人の人物のためにつくられていた。
王政が崩壊したことで香水の文化も市井に広がった。

ダンディという文脈
私見だけれど、その流れの中でまず、男性のファッションが18世紀末から19世紀にかけて~つまりフランス革命期から~”ダンディズム”に集約されていったことが影響して、市民社会では男性用、女性用と香り使いも分けられるようになったのではないかと考えている。
ダンディズムは過度な装飾を避け、男性の装いに一定のルールを設けている。極論だけれど、それは普通に、今のスーツの原型と思っていいと思う。
そのような男性ファッションのための香りは、装飾や布地やラインのバラエティさに富む女性用のドレスに合う香りと自然と分けられていったのかもしれない。

ダークブルーの文脈
そんなことを考えたのは、今日の香水、HUGO DRAK BLUE(ヒュゴー・ダークブルー)を朝に一吹きしたことからだった。
この香りは、スーツの男性がほんの少量を装えば、ビジネスシーンに集中力を発揮しそうな感じがする。一方で私のように夏用のまるでビーチにいるようなワンピースに一吹きすると、強い日差しや湿度を一掃して、周辺に乾いた風を届けてくれる、気持ちをスッキリさせる香りになる。

Hugo Dark Blue/Hugo Boss/1999
柑橘系とジンジャーやセージなどのハーバルでスパイシーな香りが絡み心地よいドライ感がある。スパイシーは効きすぎるとマッチョになるけれど、柑橘系とのバランスがとてもよく、軽い。そして途中でやや香りの滲みがあるのはバルサム系の影響。最後はドライに落ち着いていく。

香り、思い、呼吸
7月16日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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