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わざとらしい 3月26日~365日の香水

感情、気持ち、ふるまい
NOTEを毎日書くようになって、テーマが浮かばなくなると他の人のポストからキーワードを拝借してそこから随想したりしていた。
その一つが「嫉妬の香り」だった。

書いた通りに「嫉妬の香り」を創ってみた。
現在は「しっと」というネーミングでサロンの調合ベースにラインアップしている。
これをきっかけに、気持ちや心の動きをテーマに香りを創ることをし始めてる。
「たぶらかす」が最近できて、このあとは「とりつくろう」。
完成した香りの「形」だけでなく、何故そういう着想をしたか「物語」を届けられる、分かち合えると思うから、私には大切な創作テーマだ。

わざとらしさ
今日の香水カボティーヌ(cabotine)には、大袈裟な演技やわざとらしいふるまい、という意味があって、もともとは演劇用語であったそうだ。
大げさでわざとらしい芝居をする役者をこう呼び、そこから普段の生活の中でも注目を集めたくて不自然なふるまいをすることや、大げさな感情表現で同情や共感を得ようとすることに対して、「あの人カボティーヌだね」のように使うのだという。
大げさな表現をしたことの成功体験が重なり、ある意味の「手抜き」で人の気持ちを自分に向けようとしている人に出会うと、やっぱり”引いてしまう”。
一方、まるでそれしか術が今はないような一生懸命さを感じる大げささには、どこか好意的に受け止めている節が私にはある。
それは”ひたむきさ”に通じていくからなのかもしれない。
人の”おかしさ”と一対の”愛おしさ”だ。

CABOTINE/GRES/1991
グリーンノートと一口に言ってもグラデーションがある。
深緑から淡い黄緑までさまざま。
フルーティーなトップノートから、ミドルはオーセンティックな草木のグリーンノート。カボティーヌは色彩で言えば、光の当たった黄緑のようなグリーンだ。
早春のみどり、わざとらしいくらいに愛らしく、それでも自己を貫いている。
(登場以来、”大げさな”リニューアルをせず、ほぼ30年前の香調のまま存在している)
91年当時の記事を検索したら、その香水名は「大根役者」と訳されて紹介されていた。
そう言われてしまうカボティーヌは、わざとらしいけどわきが甘く、大げさだけれど必死で、なんだか憎めない。
好きなカボティーヌだ。
自分を信じているカボティーヌだ。

3月26日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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