見出し画像

グリーンジーンズ 2月7日~365日の香水

Versace Green Jeans/1996~古典趣味とジーンズ
よく考えると不思議な存在だ。
ベルサーチのクリエイティブの源泉は古代ギリシアやローマの影響を受けた故郷の南イタリアの文化。
ブランドロゴがメデューサであるのもデザイナーの歴史ある南イタリア文化への誇りの現れだという。
きらびやかで豪華なデザインはこのような古代文化への畏敬の表れといえる。
同時に彼はモダンアート(リキテンシュタンやウォーホールなど)からも影響を受けていたという。
そこにこのジーンズコレクション。
ボトルをおさめる缶の容器の中央にアメリカのカントリースタイルと思われるイラスト。カントリーソングをギター片手に朗らかに歌うカウボーイだろうか。グリーンジーンズなのでちゃんとジーンズはグリーンだ。
ベルサーチは古典趣味を重んじつつ、旧来のファッションに革新を起こしたい人だったからハイブランドの展開にわざわざジーンズを持ち込んだのかもしれない。香りではそれをブルー、イエロー、レッド・・・とコレクション化している。
ジーンズという多くの人に共有されやすいファッションと独自の世界観の融合。その後、マイケルコースがこのブランドを傘下にした時、「ベルサーチジーンズクチュール」をつくっていることからも、ジーンズというピースはベルサーチの世界観に欠かせないものなのだろう。
何気ないように見えて、ベルサーチ、ジーンズ、アメリカンカントリースタイルという組み合わせはかなり異色だ。

再び、Versace Green Jeans/1996
中身はほとんど揮発したけれど、ボトルからはしっかりグリーンジーンズの香りが輪郭ごと香ってくる。アルデハイドの強い立ち上がりとムスクやアンバーなどのラストノート、骨太で粗削り感が魅力の香りだ。データベースでは男性用となっているけれど、使う人を限定する必要なはい。
それよりも使うシーン。
例えば、
「風と共に去りぬ」とか「カサブランカ」とか際立つヒロインを引き立てるようなダンディが登場する映画を観る時。そっと一吹きして映画に没入したい、そんな使い方が似合う香りだ。

香り、思い、呼吸

2月7日がお誕生日の方、記念日の方おめでとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?