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イングリッシュレザー 1月12日〜365日の香水

レザーと香り
香料の町と言われる南仏のグラースがもとは皮の町だったことはよく知られている。
皮革製品の製造工程で皮の素材臭を緩和する皮なめしの技術。香りを付けるということが皮なめしの過程で行われるようになった。
特に香り付きの皮手袋はグラースの名産品といえるくらい知名度と人気を誇ったらしい。
グラースに香料文化をもたらしたのはメディチ家からフランス王室に嫁いだカトリーヌドメディチと言われてる。彼女が16歳で輿入れしたのは1533年のことだった。
グラースについては他に香料商が多いモンペリエに近い地の利などいろいろな要因があったのだと思う。今もいくつかの皮革製品の業者はある。

匂い手袋の流行がフランスで香り文化に拍車をかけた面は否定できない。
18世紀末にウビガンがパリで創業した時、その看板には「匂い手袋、花束、香料」と掲げられていた。

英国の皮
レザーノート(皮のような香り)は、メンズにもレディスにも古くから使われてきたもので、シャネルやゲランなどから「ロシアの皮」という名の香水が出たのは20世紀初頭のこと。今も、ニッチフレグランスからこのレザーノートを特徴にした香りは散見される。
調べてみると、英国のジョージ三世(在位1760~1820)のために「ロイヤルイングリッシュレザー」という香りが献上されたものが、レザーノートの初期の出来事のようだ。このあたりから「皮のような香り」が香水類に使われ始めたらしい。
ジョージ三世の愛用のライディングブーツの香りを再現したようなものだったという。

English Leather A Man's Cologne
オリジナルは1949年にリリースされている。
シトラスやラベンダーが引き上げてくるレザーノートは抑制が効いているけれどどこかマッチョな感じもある。
香りが落ち着いてくると白檀やフローラルが仄かに香りを支えだすので品も感じられる。
ミドルノート以降はユニセックスで、さりげないけれどユニークさを演出する装いができそうだ。
不思議なことに、ボトルは金属性でも硝子でもない。

香り、思い、呼吸。

1月12日生まれの方、今日が記念日の方おめでとうございます。


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