見出し画像

プチ・ゲラン 5月17日〜365日の香水

初めての香水の思い出
初めて香水らしきものを買ってもらったのは小学生の頃、もしかすると就学前だったかもしれない。
デパートのポップアップで小さなミニチュアみたいなボトルがたくさん並んでいた。
両親が、小さな香水を可愛いと思ったのか通りすがりに見つけて買ってくれた。
匂いそのものよりボトルの見た目で選んだ。
楕円形に襞が入りキャップがクロスになったペリドットのような色の液体ののものを、たくさんの候補から選んだ。
グリーンは母の好みの色、クロスのキャップは当時、教会学校に通っていたことの反映かもしれない。
小さいころ、わたしは自分の意思ということをよく知らず、人の意図に喜んで応じる子だった。
今でもそのペリドット色の小瓶はある。
調べたら日本の香料会社のもので、今でもわたしが買ってもらったものと同じような商品がウェブサイトに掲載されていた。
今もあることがなんだか嬉しい。
その香水は、付けるものというより飾るものだったのだろう。
今もほとんど中身は減っていない。
小瓶がつなぐ過去と現在。

自分の香り、自分の香水のスタート
いくつくらいから「香水」を自覚的に使い始めたのだろう。
グラースの香料会社に留学していた人が、ホームステイ先の中学生くらいの子どもたちもそれぞれ自分用のオードトワレを洗面台に置いていて、毎日振りかけていたという話がとても印象に残っている。それを聞いた私にとって中学生で自分用のオードトワレというのは、”早い”感覚だったのから印象に残ったのだろう。
世の中は芳香物質に溢れている。柔軟剤、ヘアケア、ルームスプレー・・・生まれた時から人は香りの体験を重ねている。
その中で、”香水”と限定した時に、人にはどんなきかっけや出会いがあったのだろう。

petit guerlain/guerlain/1994
ゲラン家4代目当主だったジャンポールゲラン(JEAN PAUL GUERLAIN)の調香。ゲランが初めて子ども用として提供した香水で、パッケージも淡い黄色、ブルーという仕様。実際には、大人たちにも支持された。
シトラスノートとラベンダーがソフトに香るトップノートと、スズランやローズのミドルノート、ラストはソープ様の香気にサンタルウッドが程よく調和している。ゲランらしい”ふくよかさ”を控えめながらも感じるオードトワレ。
この年に一族経営を終焉させたゲラン家。
親から子への香りの体験、最後にそれを世に残したかったのかもしれない。

香り、思い、呼吸
5月17日がお誕生日の方、記念日の方おめでとうございます。

この記事が参加している募集

#私のコレクション

with 國學院大學

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?