見出し画像

第七 7月31日〜365日の香水

7日間で完成した世界
旧約聖書では創造主は六日間かけて世界をつくり7日目に休息した、となっていてここから「7」という数字は聖なる物になり、完全性を表すようになった。
聖書の世界では、この世界が完全になるまでの工数が「7」だったのだ。

7の倍数で巡る永遠の命までの旅
そういえば、確かチベット密教では死者が永遠の魂を得るまでの旅路は、7の倍数で行程が組まれている。現世に別れを告げる7日間、旅の全行程には7の7倍の日数を要する。

「複雑でたくさんある」を7で表す
カウントということでいえば、虹の色は国や地域によって色の数が違うというのはよく聞く。日本は七色の虹で、これは何と無くだけれど七つ道具や春、秋の七草にも通じると思っている。「(複雑なまたはたくさんある)何かを構成する基本ユニット」と言えるものが日本では七個で構成されているのかもしれない。
七福神は日本において恵比寿様を追加することで「7」にそろえたという。
憧れていた竹林の賢者も7人だった。

365日の香水の7月
7月の香水は記念日が多かったかもしれない。
エスティー・ローダーやアルマーニの誕生日、アメリカの独立金日にフランスの革命記念日。
和名の文月は、七夕に書物を夜風にさらし書の上達を願う習慣があったことからといわれている。

私の7月
私の原体験では7月は「楽しいことの始まりの終わり」。
夏休み、それが始まったばかりの7月は先に待っている計画や自由に過ごせる時間などなどで、楽しい気持ちしかなかった。
それが8月になると遊びの終わりが一気にくっきり見えてくるのだった。

ルシアン・ルロンの香水「7」
ルシアン・ルロン(Lucien Lelong)はクリスチャン・ディオール(C.Dior)やピエール・バルマン(P.Balmain)も修業したメゾンで、ルロン自身はクリエイターというよりプロデューサー的な役割を担ったともいわれている。
1940年代後半に病弱だった彼はデザイナーから身を引くけれど、香水事業だけを残して継続した。
この「NO.7」は1951年のリリース。
この人の見解ではシンプルなボトル、数字のネーミングはシャネルNO.5 (chanel NO.5)の影響ではとのこと。
調香師は、私のNOTEにも再三登場する、ジャン・カール。ボトル口から天才のワークを味わう。

NO.7/lucien lelong/1951
貴重なパルファムのコレクションで70年以上の前のものが未開封のため、正式に香りをチェックすることができずにいる。
ボトル口からは、パチュリやモス、アニマリックな濃厚でビターな香りが漂う。

香り、思い、呼吸
7月31日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?