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JOYA 至宝 8月27日~365日の香水

言葉の変化
スペイン語のホヤ(JOYA)の語源はラテン語のヨークス(jocus)からきていて、これは楽しみ、娯楽の意味で、英語ではジョーク(Jock)になっていった言葉。そこから人を楽しませる価値のあるもの、という流れで、スペイン語では宝石やそれを身に着けること、そして至宝などの意味として使われるようになったそう。

ホモサピエンスの価値観
語源を辿ると、ホモサピエンスの価値観の一端に触れられた気がする。
キラキラして綺麗、希少で価値が高い、そういうものも人々の”娯楽”であったのだ。楽しいという感情とともに、宝石は存在していた。
冗談を言うことも、煌めく宝石も人類にとっては”楽しいこと”と思うとなんだか気持ちがリラックスしてくる。

序列のない価値
JOYAについて書かなければと思った時、ゴージャスでラグジュアリーで権威的なことを書かないといけないような気がして、気が重かった。
確かに、財産として、権威として、アイデンティティやつながりのアイコンとして、などいろいろ機能はあるかもしれないけれど、それがあれば楽しい、というテンションが一番大切であり、それらに序列がないんだということがいいなと思う。

ミルヒヤ
スペインの老舗香水メーカーで、彫刻家であったエステバン モネガル プラット(Esteban Monegal Prat)が家業を継いでから規模を拡大したという。
JOYAが世に出たのは1950年なので、まだブランドが独立していてエステバンも現役だった。
エステバンはカタルーニャの出身なので、いくつかの教会では彼のアーティスト時代の宗教画がみられるという。
一つはジローナのサンタコロナデファルナース教区の教会、もう一つは、バルセロナの聖アンナ協会

JOYA/MYRUGIA/1950
70年以上も経過しているけれど、ありがたいことに、香りの損傷がほぼない。
トップノートはアルデハイドが顕著。
ミドル以降はジャスミン、ミュゲ、ローズ、ユリなどで俄かに瑞々しくなっていく。宝石のような透明度を香りが湛えてきて、バニラやサンタルのラストノートまでこのトーンが持続する。
宝石とか至宝というネーミングだけれど、イノセントでたおやか。
香りからは”そっと微笑む、そんな瞬間こそ至宝”と言っているように感じる。
アンティークのコレクションだけれど、品格の求められる場面で装ってみたい。

香り、思い、呼吸
8月27日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。






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