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私のサイン 3月30日~365日の香水

サイン~署名
最近ふと、自身のあり方もまた「署名」のようなものかもしれないと思った。どんな証を立てるか。
サインが人ぞれぞれに異なるように自分のあり方を見誤らないように、流されないように、私がすべき署名~サインを自覚していたいと思った。
私の場合は、ゴージャスでもラグジュアリーでもなくエレガントな在り方。
それが私のサインだ。間違いなく私は、そうありたいのだ。

ジャン・カール先生
さて、今日の香水「私のサイン~ma griffe・マグリフ」を調香したジャン・カール。
歴史に名を刻む調香師。1892年の生まれだから、現代調香の父ジャック・ゲラン(1874年生まれ)や20世紀の天才エルネスト・ボー(1881年生まれ)より一世代あと、ほぼ同時代の活躍ではあるけれどエドモンド・ルドニツカ(1905年生まれ)より少し先輩、という感じだろうか。
調香師という言葉の生みの親で日本人として初めてフランスで調香師修行をした堅田道久の著書によると、修行先はジャン・カールのラボだったという。
仕事ではとても厳格であり、修業時代の終わりに一つ作品を創ることを許された堅田氏が、作品をムエット(香りを付ける紙)につけて渡そうそしたら「ノン!処方を見せなさい」と言われたそう。
(調香師は千を超える原料の香りを記憶しているので、処方を見れば脳内で香りが再現できる)
この”ジャン・カール先生”の作品の中でも鑑賞するたびに酔いしれるのが「私のサイン~ma griffe マグリフ」だ。
私にとってはこれは、ジャン・カールの調香におけるあり方、理想の香りについての”彼の署名~サイン”に思えるのだ。

ma griffe eau de parufum/carven/1946
コロンとオーデパルファムのコレクションがあるうち、今日はオーデパルファムにしたい。
元祖のmiss dior(ミスディオール)同様のグリーン・シプレーで、それよりもフローラルがやや勝る。土っぽい湿り気のあるシプレーとウッディやバルサムでドライダウンさせていくジャン・カールの”十八番的”なラストノート。トップからミドルのグリーンノート、アルデハイドも絶妙なバランスで落ち着いた深みの中にどこか清々しいグリーン感を漂わせる。
人によってはこれはジャン・カールの全盛期を過ぎての作品という人もいるけれど、グリーン・シプレーはこうありたいという明確なメッセージを私は受け取っている。2000年代に入ってシプレーはアップデートが起こったので、ジャン・カールを超えるグリーンシプレ―はもしかしたら、もう出ないのかもしれない。

香り、思い、呼吸

3月30日がお誕生日の方、記念日の方おめでとうございます。

#私のコレクション
#365日の香水

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