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創始者 香料商人の物語 7月21日〜365日の香水

夏はオーデコロン
昨夜もスコールのような雷鳴が轟いて日本の夏はどんどん熱帯化している。
高温多湿、日本の夏のような気候には、ライトな香りを使うことがマッチするとよく言われる。
香料濃度によるタイプでいえば、オーデコロン濃度のもの、香りはやはり柑橘系のフレッシュなタイプだと。つけた時の爽快感もある。

ケルンの水
オーデコロン(eau de cologne)はフランス語で「ケルンの水」という意味で、ケルンはドイツのライン河畔の町で大聖堂が有名だ。
18世紀中ごろに、このケルンでイタリアの香料商人が売り出したのが「ケルンの水」だった。
ケルンでの販売なので最初の商品名はケルンの水のドイツ語、「ケルニッシュ・ワッサー(kolnisch wasser)」だった。
現在も、この系譜のオーデコロンにはケルニッシュワッサーの記載がある。

ジャン・マリ・ファリナ(Jean marie farina)
この地にやってきた香料商人の名をジャン・マリ・ファリナという。
イタリア出身の彼は、自国産のレモンやベルガモットなどの柑橘系の香りをその処方にふんだんに使った。
彼は、いまでもオーデコロンの創始者と言われている。

乱立するケルンの
大ヒット商品となったケルンの水は、たくさんコピーされ、偽ブランドだけでなく追随する商品も乱立した。
本家の方も、家督争いが起こったりする。最終的にはジャンマリファリナの甥にあたる人物が本家をついで、その後100年ほど、続いたそう。
一方、一族の別の後継者はパリにわたり、成功する。
後にアルマン・ロジェ(armand roger)とシャルル・ガレ(charles gallet)の二人がこの事業を買い取り、ロジェ&ガレ社(roger&gallet)としてスタート。ここでもケルンの水は主力商品になった。
創始者へのリスペクトを込めて「ジャンマリファリナ」という商品名で販売し、今もマイナーチェンジはあるだろうけれど、これは流通している。

Jean Marie Farina/Roger&Gallet/1806
レモン、オレンジ、マンダリンオレンジ、ベルガモット、アマルフィやシチリア産の柑橘系とクローブやカーネーションが程よいアクセントになっていた。現代のものは少しフローラルが増した気もする。
パリで成功したオーデコロンというバイアスのせいか、柑橘系たっぷりの中にも洗練を感じる。

香り、思い、呼吸

7月21日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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