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スイス[52] 国境を意識する(その2)バーゼル

202310081742 スイス[52]国境を意識する(その2)バーゼル

 先に記したスイスとその隣国との国境を意識した街はジュネーブでした。次にスイスとの国境を感じたのはイタリアとの国境駅であるキアッソ駅でのことです。そこでバシャバシャ写真を撮っていたため国境警備隊員にパスポート提示を求められたことは以前に書きました。このキアッソ駅はGoogleマップで見る限り、駅のど真ん中を国境線が通っているという際どい(?)駅で,それはそれで面白いのですが今回はそれとは違った国境です。

 以前,バーゼル(Basel スイス北中部の都市)の知人を訪ねた時です。その知人が
「バーゼルはフランスともドイツとも国境を接している。面白いからトラム(市電)に乗ってドイツ国境まで行ってみては?」
とアドバイスをくれました。バーゼル市内の路線図を確認すると確かにドイツ国境を越えるトラムの路線があります。そこでそのトラムで終点まで乗ってみることにしました。
 事前に切符を買いバーゼルSBB駅前から8番線のトラムに乗ります。途中は普通の商店やビルが立ち並ぶ都市部の中を通って行きます。やがて少し建物群が少なくなってきたかな?と思っていたらもう終点でした。あわてて手持ちのスマホで確認したら既に国境を越えてドイツ領にいました。
 トラム終点には大きなショッピングモールがあります。近辺を歩いていると
『○× straße』
という道路標識が目に入りました。スイスの表記である
『Strasse』
のssではなくß(エスツェット)が書かれています。やっぱりドイツ領なんですね(*1)。
 ショッピングモールの中にドイツポスト(ドイツの郵便局)を見つけましたのでそこからドイツ在住の知人に宛てて手紙を投函しました。(スイスの)バーゼル市内のスイスポストから出しても良かったのですがドイツ宛なのですからドイツ領から出そうと思ったのです。

 バーゼルSBB駅に帰るトラムに乗って今度は慎重にスマホのGPSで確認しながら国境をいつ越えるか見ていたら,国境のトラム停留所のところにZollの建物を見つけました。税関の事務所です。ドイツもスイスもシェンゲン国なのでいわゆるパスポートコントロールは原則的にないのですが税関はしっかりあります。この点に関してはそのうち記すかも知れませんが,スイスはEU国ではないので税関検査(申告)は必要な場合があります。もっとも,私は(シェンゲン協定加盟の後では)列車でのスイスとその周囲との国境越えの際にパスポートコントロールも税関検査も受けた経験はありません。

(*1)標準的なドイツ語で使われるß(エスツェット)はスイス国内では使われず ß は ss の表記になります。理由は私にはわかりません。誰か教えて下さい。

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