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「政党の党員」になるということ-「政治家の後援会」と何が違うのか-

1.一般党員の政治参加に感謝

いよいよ日本維新の会初の代表選挙が最終盤を迎えています。8月1日に先陣切って出馬表明。14日に告示されると、大阪なんばでの街頭演説を経て、その日のうちに推薦人をお引き受け下さった渡辺裕之菊陽町議のいる熊本へ。岡山、香川、東京を経て、北海道の丸岡伸幸千歳市議に合流。神奈川を経て、今度は愛知、長野、そして新潟へと列島縦断。

再び上京して東京タウンミーティング、神戸、京都、名古屋で街頭演説。一般党員の投函期限を迎える前夜23日には、852名の方々が同時参加下さったオンライン大集会を開催。昨日は地元、今日は選挙前からお約束していた石川での講演、明日26日最終日は再び大阪なんばで街頭演説。そして27日投開票をもって日本維新の会初の代表選挙の全ての日程を終えることとなります。

日本維新の会初の代表選挙は、一人一票完全平等の党員投票で決することとなっています。橋下徹前代表の強い意向を背景に党として決めたルールと承知してますが、これは凄いことです。議員バッジという「既得権」に微塵の価値も認めない、徹底した「党員民主主義」。私の代表候補としての公約は、この理念を更に徹底し、党員制度を再構築するとともに、党員の権利を代表選挙以外にも拡大するものでした。

「党員民主主義」と振りかぶって言うとビックリする方もおられると思いますが、むしろ一般的で普遍的な考え方です。例えば、日本国憲法。国民主権を定め、国の根幹である憲法の制定権力は完全に国民に委ねています。それと一緒ですね。もちろん、憲法改正原案の策定と発議は衆参の国会議員に委ねていますが、これは、今回の代表選挙で30人の推薦人を求めているのと同じ。入口は政治を通じて一定の枠をはめ、出口は完全に国民、党員に委ねるのです。

そうした観点から、今回の日本維新の会初の党員投票に参加下さった2万人近くの方々は、憲政史上初の一人一票完全平等の党員投票に参加されたのです。立候補させていただいた私にとっても光栄なことですが、何よりも、代表選挙に参加下さった党員の皆様にとって、歴史に残る素晴らしい経験だと(だったと)思うのです。3年にわたって維新を支え続けて下さり、そして代表選挙に一票を投じて下さった全ての党員の皆様に、改めて敬意と感謝を申し上げます。


2.「維新らしくない」代表選挙になった理由

他方、24日中という郵便投票の投函期限を終えた今、改めて振り返ると、多くの党員支持者の皆さま、日ごろからボランティアとして活動を支えてきて下さった皆さま、そして議員はじめ特別党員の皆さまが感じてられるように、とても「維新らしい」とは言えない代表選挙となってしまったことも事実です。特別党員の一人として、慙愧に耐えません。

「維新らしくない」代表選挙になった、その最大の原因は、当に「党員民主主義」の大前提である党員の「知る権利」が大幅に制限されたからです。自民党でも、あの立憲民主党でさえ、その活用を認めてきた選挙人名簿について、今回の日本維新の会代表選挙では、選挙運動への利用が禁止されてしまったのです。理由は、紹介者である自分以外に党員名簿を見せたくない、との一部特別党員(=議員)の強い意向にあったと仄聞しています。

私自身にとっては、にわかに信じがたい理由でしたが、こうした前近代的な思考は、一部の議員にとどまらず、当に日本維新の会のオーナーとして、この10年、12年、維新を率いてきた松井一郎代表にあっても、同じであったと聞き、言葉を失いました。こうした後援会重視の党運営は、当に古い自民党の伝統であり、この10年、そうした「自民党らしさ」を全く払しょくできてなかったことに唖然としました。

・僕の後援会では、僕自身がお願いした人に後援会入ってもらっている
・その人はあくまでも「松井一郎という個人の政治家を応援する」という想いがあるわけで、 維新だから誰でも応援するという人ではなくて、個人の政治家の応援団という色合いが強い
・このような人たちの個人情報を候補者といえど、まったく知らない人たちがすべて共有す るのは違うだろう
・特別党員を通じて、特別党員が各自分の後援者に対して、この候補者はこういうわけで応援できますよ、と伝えていくのが党内の代表選だと思っている
2022年8月9日 松井一郎代表 囲み会見
私はよくコンビニ論を唱えるのですが、フランチャイズ制だということです。つまり、今は完全個人商店としての酒屋、米屋モデルではなくなり、フランチャイズのコンビニなのです。だから、セブンイレブンの看板で戦うか、ローソンの看板で戦うか、ということになります。ただ、おにぎりは本社が開発してくれるけど、北海道と沖縄では売れ方が違うということです。
2014年7月14日 曽根泰教 10ミニッツTV

この曽根先生の説明は、政治学の世界ではポピュラーなものですが、要するに、名簿の管理から仕入れ販売まで個々の議員でやっているのが「酒屋、米屋モデル」、近代政党はフランチャイズになっていかなければならない、というのです。そして、日本維新の会の現状と松井代表の説明は、当に「酒屋、米屋モデル」でした。

本家の自民党でさえ、小選挙区制への適合性を確保するために、その政党モデルを近代化させてきたのに、自民党を割って作った改革政党である日本維新の会の政党ガバナンスは、自民党以上に古い自民党を引きずっていたのです。


3.維新が維新であり続けるために

政党の党員は、政党運営に参加しなければ意味がありません。政治参加です。そのためには、党や代表候補の陣営などからのアプローチを可能としなければなりません。個人情報をしっかり守り目的外利用を徹底して禁じながら、政党活動に利用する。当たり前です。他方、政治家個人の後援会は、当に当該政治家の政治活動を応援するための政治団体ですから、後援会の外に名簿等を展開する必要はありません。

私の事務所では、両者を徹底して区分して管理してきました。当たり前です。

創業期のオーナー代表に、こうした政党近代化への意志が欠けていたとしても、それは仕方のないことです。しかし、だからこそ第二創業が必要なのであり、今回の代表選挙は、そのための試金石でした。継承すべきは維新スピリッツであり、古い組織には大改革が必要なのです。しかし、代表選挙のフレームを設計した40代中心の現執行部でさえ、こうした基本を踏み外してしまいました。その結果、大規模な選挙不正が、広島のみならず、宮城、そして大票田の大阪で、行われてしまったのです。(選挙不正の存在は代表選菅も認めており、それら不正の規模について認定作業中と聞いています。)

27日の投開票日に、新代表が決まります。当日、大阪の臨時党大会で無記名投票となっている全国の特別党員におかれては、私個人に対してではなく、こうした私の考え方、公約に対して、票を投じていただきたいと存じます。日本維新の会を更に飛躍させていくためには、改革が必要なのです。近代政党化を図り全国政党・国民政党となっていくためには、政党ガバナンスにも、そして政策体系にも、不断の改革、大改革が必要なのです。


★★★入党手続きについて★★★

なお、「日本維新の会」への入党は、オンラインで可能です。個別に面識がなくても紹介議員の欄に「足立」「康史」と書いていただいて結構です。党本部から「あだち康史事務所」に連絡が来て、当方から改めてアプローチさせていただきます。

もちろん、「あだち康史後援会」への入会も有難いです。年会費を3口(一口千円)=3千円をいただいていますが、(党員の皆さまの負担が増えないよう)党員の場合には(党費2千円を差し引いた)一口=1千円で入会できるように設計しています。

例えば、先に後援会に入ってくださった方には事務局より維新に入党しませんか?とお声かけし、いいよと仰って下さった方には、後援会の年会費3口(一口千円)=3千円 のうち2千円を党費に回し、整合性を確保しています。

また、日本国籍を有していれば海外在住の方も入党できますが、これまでに事例はないようです。海外にお住まいの方の入党手続きに係る党本部との事務調整は私の事務所で引き受けますので、在外の入党希望の方は遠慮なくご連絡下さい!

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