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AIが賢くなるために、人間が超単純作業を大量にしなければならない時代へ突入する 「メカニカルタークの憂鬱」だねw

『だれにでもわかるNFTの解説書』の著者であり、密かに絵本作家でもあり、本業は何?って質問されてしまう足立明穂ですw

今日は、ベトナムから一時帰国していた知人と久々にあって、いろいろと情報交換してきました。ベトナムって、日本の昭和30年代と令和5年が同居するという実に面白い国ですねー。

その時に話をしていた「メカニカルターク」。これから、仕事の格差、収入の格差がけた違いに広がっていくということを考察してみようと思います。

「メカニカルターク」って何?

メカニカルタークは、「機械仕掛けのトルコ人」というのが直訳です。

これは、昔、自動でチェスを指して人の相手をするロボットが登場したことまでさかのぼります。

ただ、当時は、機械の下に人が隠れていて、その人がチェスを指していたというのが、実情w

個人的には、つい、学天即(がくてんそく)を思い起こさせるのですが、こっちは、正真正銘のロボット。

1928年(昭和3年)、昭和天皇即位を記念した大礼記念京都博覧会に大阪毎日新聞が出品したそうなのですが、その後、ドイツに渡ったのですが故障して動かず廃棄。なんとも残念!

その学天即ではなく、メカニカルタークですが、そういう機械仕掛けのように見えて、実は人間が作業するってことで、あのAmazonが、『メカニカルターク』というサービスをやっているのです。

2005年から始まったサービスなのですが、機械でやる、コンピュータでやるには、あまりにも難題だけど、人間は楽にこなせる、誰でも出来る作業を割り振ります。

それによって、人間と機械が協業することで、すばらしい成果になるってこと。

例えば、簡単なソフトウェアの動作テストなどは、今ではテスト用の自動化ツールがいろいろあるのですが、それがなかったころ、あるいは、非常に高額だったころは、メカニカルタークのようなサービスを組み合わせることで、うまくテストができるようになります。

例えば、素材集が大量に置かれたサイトで、ダウンロードできるのか、ダウンロードした素材がサムネイルと同じかなどを確認するといったのは、人間でやった方が手っ取り早いってことです。

ただ、これまでは、それほど注目されていなかったのですが、AIが進化したことで、需要が爆発してくるのです。

AIに学習させるデータは、どうやって作る?

チャットGPTなど、AIは大量の学習データを使って学習し、それによって賢くなるって、サラっと説明して、多くの人は、「ふむふむ・・・」って聞き流します。

でも、でもですよ!! その「学習データ」って何なの??

ってことになります。

AIについて分かっている人は、「あぁ、教師あり学習のことね」って分かるでしょう。

例えば、顔写真を見て、男性か女性かを判定する学習をさせようとすると、男性の写真10万枚、女性の写真10万枚とか用意して、学習させる必要があります。

「なんだ、そんなことか」って言わないでくださいよ。男性の写真10万枚を集めるって、そんな簡単ではありません。

「ネットから集めればいいんじゃね?」って思いました?

確かに、顔写真を集めることはできるでしょうけど、その顔写真が、「男性」か「女性」かは、人間が判断するしかありません。だって、それを見分けるAIを作ろうとしているのですから、まだ、世の中に機械的に分けられないのですからねw

その作業をやるのが、メカニカルタークの人たち。

男女の区別だけでなく、年齢の区別、痩せてる・太っている、背が高い・低いなども、「人間が見て、どのように判定するのか」をデータとして持っておかないと、AIに学習させることはできません。

ChatGPTだって、回答についての評価がありますよね?

これ、まさに、あなたが「メカニカルターク」になっているのです。

AIが進化するためには、膨大な学習データが必要になる。それを作るのは・・・・

もう、分かりましたよね?

これから、もっとAIが進化して、使いやすくなる、人間が望むような回答をしてくれるようになるには、大量の学習データが必要なのです。

人間が判断した結果が必要で、それによって学習し、人間の「好み」に近づいていくのです。

となると、その学習データを作るために、大量の写真を男女に分けたり、膨大な音楽を明るい曲・暗い曲に分けたり、莫大なマニュアルを読みにくい・読みやすいに分けたりする必要があるのです。

単純だけど大量にやらなければいけない超単純作業を誰かがこなしていかないといけない。誰でもできる仕事なので、単価は安いけれど、ポチポチやっているだけで、収入にはなるという仕事はびっくりするぐらい増えてきます。

そして、一方で、それによって作られていく性能のいいAIを使いこなす人達は、だんだん数が限られてきます。だって、性能が良くなるからこそ、その使い方を見つけられるのは、新たな発想ができる人達だけに限られてきます。

日々、便利に使うだけの人は大量に出てきますが、その新たな使い方を見つけられる人は極一部。

そして、大半は、便利に使いつつも、超単純な振分け作業のようなことを日々やって、細々と生活するようになる・・・・ 

「メカニカルタークの憂鬱」、そんな情景が目に浮かびますw

でも!!

安心してください。履いてますから!

いや、そうではなく、動物園の中の動物のように、AIに世話してもらう生活は、そこそこ安定しているし、生活には困らないレベルにはなるので、可もなく不可もなく、オリの外に出たいとか、走り回りたいとか、そんなことを考えなければ、長生きできる世界になりますよ。

それが、本当のAIによる支配という世界であり、そして、そのAIを操る動物園の園長や飼育係がいるってことになるのかもね・・・・(^^;

(んー・・・ となると、動物園に来て、檻の中を見ているのは、誰なんだ? ^^;)

P.S.
って、こんな記事を書いてたら、このような記事が出てきました。うーん・・・



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