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「お水取り日記」 第4部(有料)

割引あり

第4部目次

(まえがき)
●2022年●
1月7日/仕事して日光。滝尾神社は難所だった! 
1月8日/ミッション達成!と深夜の絡み合い 
1月13日/お水取りで越谷を元気に歩くが午後失速。夜に回復して仕事 
4月10日/仕事して、甲府へ 
4月11日/帰京・仕事・POPの発送準備作業 
【あとがき】 


【まえがき】

 合作小説家「安達瑶」の片割れ、安達Oと申します。Oは血液型です。かつては「SMからSFまで」を標榜しておりましたが、現在はひたすら「楽しく読める」エンターテインメント小説を書き続けております。
 そもそも僕は、スピリチュアル系に興味はありません。信仰心もありません。
 しかし……今から15年ほど前、書き下ろし文庫本が売れなくて時代小説やジュブナイルなどいろんなジャンルに手を出しても低迷してどん詰まりに状態になったときに、ある人物から「ウソだと思ってやってごらん」と言われました。
 「*時から*時まで、**の方位にいなさい」と教わるままにやってみたのが「吉方取り」でした。吉方に行ってその地に湧く自然水を戴いてくるのが「お水取り」で、奈良東大寺の「お水取り」とはまた別のモノです。
 とにかく、言われるままにやっていたら、スポーツ新聞の連載が決まったり書き下ろし文庫「悪漢刑事」の増刷が決まったりして(第1作は19刷の大ヒットになり、第19作まで続きました)、ハッキリと目に見える「御利益」がありました。スピリチュアルが嫌いでも、効き目があるのだから続けてみようかな、と思うじゃありませんか。
 「吉方取り」「お水取り」は、「方位学」に基づく「占い」です。「気学」とも呼ばれるようですが、細かいことは知らないまま、実践だけやっています。
 小説の合作相手の相方・安達bは僕と対照的に、スピリチュアルなものに興味があるのですが、「吉方取り」「お水取り」には懐疑的です。ハッキリ言えば、信じていません。それでも吉方が同じで、行く先が奥日光だったり奥飛騨だったりすると、旅行という意味合いで同行してくれたりします。
 「方位学」にはさまざまな流派がありますが、僕が「ある人物」から教わったのは、古代中国から続く方位学の理論「奇門遁甲」が元になっているものなのだそうです。かの諸葛孔明が使い続け、中国後漢末期から三国時代という長い時代に培われた、とされています。他には日本に於ける気学の祖と言われている園田真次郎が編み出したものもあるようですが、僕は知りません。
 「奇門遁甲」は気学の方位学で使われている九宮の吉凶判断の他に、十干、八門、八神、九星と呼ばれる項目や、東洋占術の「命術」と「卜術」の基礎知識がないと理解を深めることが難しいようです。
 とにかく、まずは自分の星を算出します。その方法はネットで検索すると出てきますので、それに従ってください。簡単に出ます。ちなみに僕の星は「六白金星」です。
 星の廻りは毎年違うので、毎年新な年盤・月盤・日盤(これらもネットを検索すると出てきます)から吉方位とその時間を割り出し、その時間にその方位の場所に行き、可能ならその場所で湧く自然水を戴いてくるのです。流派によりますが、ネット上ですべてまとめて調べられるサイトが幾つかあります。検索してみてください。

 この「お水取り日記」をまとめるのに際して、協力してくれた編集者のS氏から、以下のような質問がありました。

1 お水取りを知ったのはいつ?
2 お水取りってそもそも何(歴史も含めて)? 
3 なぜお水取りを信ずるに至ったのか?

 これらは既に書きました。

4 お水取りをするようになって、何かが変わった?

 正直言って、始めた頃は御利益がある実感はありましたが、今現在はというと、情勢に流されているという感じになってきました。
 今、出版状況は悪化する一方です。以前は吉方取りの御利益(と信じていました)で出す本すべて増刷がかかって順風満帆だったのですが……新型コロナ禍の影響も加わって、エンタメ文庫の主戦場たるエキナカ・駅近書店の閉店が相次いだことで、冬の時代です。増刷は滅多にかからず、初版部数も減り続けています。しかし……もうダメか、と頭を抱えていると、新しい仕事が舞い込んだり、不意の増刷が決まったりして、なんとか食いつないでいます。これが、御利益なのか、我々自身の努力の成果なのか、よく判りません。

5 お水取りの作法
6 お水取りに必要な容器
7 お水取りの方角・日時はどこで知る?
8 お水取りで取水した水をどう使っている?

 僕は「方位学」に関して、ズブの素人です。教わったことをただただ実行しているだけで、何がどうなってそういう判断が出てくるのか、全く判りません。ただ、法則に従って割り出されることに従っているだけなので、方位学について僕がなにかを述べるのはおこがましいし、正確なことを述べる自信がないので、それについては僕が使っている参考書をご紹介します。
「九星開運手帳」
「九星開運歴」(カレンダー)
 いずれも千葉の「泉妙易占学院」(https://www.senmyou.co.jp)が発行しているもので、割り出しに必要なデータはすべて載っています。
 「お水取りの作法」に関しては、お水が取れる時間と方位を割り出してから、その地に「安全に飲める水」が湧いているかどうかを調べます。水道水ではなく湧き水です。「日本の名水」のような本やサイトに、飲んで安全な自然水が紹介されていますので、そこで調べます。さらにアクセスも調べます。とんでもなく山奥で人跡未踏の地には行きません。深夜の場合は特に安全な場所に限定します。宿泊施設(と、その付近)で井戸水が汲めるところや、温泉を直接飲めるところもありますから、そういう宿も検索の対象になります。
 神社の境内に「御神水」が湧いている場合もあります。これが第一候補ですが、有名な場所だと物凄く混んでしまう可能性があります。休日のお昼時の有名な場所は、かなり混み合います。大きなタンクに大量の水を採る輩もいます。こういう場合、時間内にお水が戴けない可能性があるので、僕は避けます。
 お水取りの理想的なパターンは、
「その時間までにその場所に着き」
「先に当地の神社にお参りして」(中国で生まれた方位学なのにどうして日本の神社なのかという疑問は湧きますが、「神社には『よい気』が集まっているし、その土地の氏神様に挨拶するのは自然なこと」と言われて、そんなものかと納得しました)
「その時間内にお水を戴き」
「その場で一口飲んでボトルに入れて」
「その翌日から8日間かけて飲む」
というものです。飲む量はコップ半分くらいでいいそうです。どうしてそうなのかは当然、知りません。日本の芸事一般のように「こうだからそうなのだ」というカタチで、理論は飛ばして納得しました。勉強すればその仕組みや原理は判るのでしょうが、僕は勉強していませんので。
 お水を入れる容器は、洗ったペットボトルを使っています。特別な容器は不要です。夏場は保温水筒を使います。
 煮沸しなければ危険で飲めないような水は健康に悪いので、戴きません。東京近郊の水は農薬が含まれている可能性があるので、用心しています。なるべく水質検査済みの「大丈夫なお水」を貰ってきます。
 「お水取り」の時間が早朝の場合、交通機関を使うと辿り着けない時は先乗りして当地で泊まります。お昼とか夕方とか夜の場合は、お水を戴いた後、可能ならばその土地で一泊して、温泉に入ったりその土地の食べ物を食べます。時間もお金もない場合は、帰ってきますが。
 という感じです。
 いろんな星の巡り方によっては、お水が取れない場合があります。そういうときは、当然ですが、お水は取らずに、その地で2時間(最低でも40分。どうして2時間とか40分なのかは判りません)滞在して、帰ってきます。その地のファミレスやファストフード店で仕事をしたり本を読んだりするか、街をブラブラ歩いたりして時間を潰します。
 以前はその地のお砂を少し貰ってきたり、その地に五百円玉や水晶球や願い事を書いた人形の紙や木片を埋めたりしたこともありましたが、今は止めました。理由は、その土地の砂を戴いてくるのも、何かを埋めてくるのも、氏神様に対して失礼だという話を神社の神主さんに伺ったからです。

9 お水取り情報のネタはネットで(無料で)調べられる?

 その年の年盤・月盤・日盤は「気学」とか「方位学」「吉方」などのキーワードで検索すれば出てきます。これは基礎データなので、いろんな流派でも共通です。これに、「歳破」「本命殺」「本命的殺」五黄殺」「暗剣殺」という「五大凶方」や星の「相性」「相克」を加味して吉方位を出しますが、ここから先の「判断」は、流派によって違いが出ます。僕は前述した「泉妙易占学院」の会員になって毎年、データを貰っています。自分で調べる手間が省けるので便利です。

 前置きはこれくらいにします。
 では、僕が実際に「お水取り旅行」「吉方取り」をした「日記」をぜひお読みください。きっとツッコミ処が満載ですよ。撮った写真は、その日の本文の後につけてあります。


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