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個人開発者向けにAdmobメディエーションを世界一わかりやすく説明する


Admobをゴリゴリ使ってるデベロッパーさんでも「設定マニュアルを見て、言われるがまま設定しているだけで、広告単価がどう決まるかは分からん」て人が多いですよね。なぜならば、そもそも情報がネットに転がっていないから。
単価が決まる流れをちゃんと理解すれば、どこの広告事業者をどの設定で組み込めばいいか理解できて、もっと儲かるかもしれないのに、もったいない!!

てことで、今回はAdmobを使っているデベロッパーさん向けに、Admobがどういった流れで単価が決めるかを世界一わかりやすく説明するぜ!
出来るだけ前提知識がない人も理解できるよう、一般的に浸透している単語も分かりやすく書くね!


2022年8月現在、Admobを使って複数の広告事業者を競争させて、広告配信しようと思うと、Admobが持っている出し分け機能(メディエーション)を使って、WaterfallとOpenBiddingの二つを組み合わて実装することが一般的
今回は、広告初心者の方でも分かりやすくするために、インプレッションをパンに例えて、WaterfallとOpenBiddingがどうやって単価を決めるか説明する🍞

パンはインプレッション/広告リクエストそのもの
インプレッションが来ると広告の事業者は一緒にデータも受け取って、そのデータからどんなユーザーかなどを推測する。
推測した結果、「40代男性、お金持ち」と「小学生、お小遣い500円」だと、前者の方に広告を出した方が、広告を経由して購入してくれそうじゃないですか。これが良いパン。広告事業者はこの広告リクエストに広告を出せれば商品買ってくれそうなので、高い単価を出して買おうとします。
逆に後者の小学生と判断した広告リクエストは、仮に広告だしても買ってくれなさそうなので価値が低いインプレッション、よってカビたパン=広告事業者の入札単価は低いて感じ。

てことで、ここに価値が$1ぐらいのカビたパン、普通の$10ぐらいのパン、最高級の$20ぐらいのパンがあるとします。
ここで「ぐらい」て言ってるのは、買う人(広告事業社)によって価値が変わるから。カビたパンでも人によっては$10だすかもしれないし、最高級パンを$5で買おうとする人もいる。

これらのパンをAdmobを使ってどう単価が決まるか解説するよ!!

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Waterfall

Waterfallでは、まず単価を設定することで、広告リクエストを投げる順番を決めるよ。そのあと設定した単価の大きい順に広告リクエストを投げる。

単価の設定は以下の2種類。

①広告ネットワーク:AdMobが過去実績を見て、勝手に単価を設定
②カスタムイベント:デベロッパーさんが手動で単価を設定

広告ネットワークは、分かりやすく言うと「君は色んなパンを買ってきたと思うけど、最近は概ね$10ぐらいで買ってるから、まあ次のパンも$10で買う順番に設定にしとくわ」みたいにAdmobが買いにいく単価を過去実績を見て、勝手に決めるパターン。
(Admobが勝手に単価を変えてくれる設定にできる事業者はこちら

一方、カスタムイベントはデベロッパーさんが自ら手動で「君はどんなパンでも$5の順番で買いに行くんだ!」と固定値で設定するパターン。

実際の落札シーンを見てみる。
こちらのページにあるように、ironsourceとApplovinはAdmobが勝手に単価を調整してくれる事業者。この場合はAdmobが「ironsource君、あなたは最近、パンを$15ぐらいで買ってるから、次のパンも$15で買いに行ってみようか。Applovin君は過去実績的に$5ぐらいだから$5の順番で!」て勝手に設定する(単価は適当)。

LINEは↑のページの中にないので、Admobは勝手に単価を変えてくれない。なのでデベロッパーさんが事前に「どんな時もLINEは$8の順番で買いに行けよ」て設定にしていると仮定(単価は適当)。

パン(広告リクエスト)が来ると、この自動/手動で設定された単価を基に、広告事業社が高い順に並び変えられる。図にすると以下の感じ。

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このとき$10ぐらいの普通のパンを買いに行くとする。
メディエーションを提供しているAdmobはパンの質を見て、買いに行く単価を決めることができる(ズルい!)

てことで、最終的な順番を図にすると以下の感じ。

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これで上から順番に「ironsorce君、普通のパンを$15以上で買える?買えるなら買って、無理なら次のAdmob君に聞いてみるね」て感じでリクエストを飛ばしていく。ironsouceが$15以上で買えるなら、ironsourceが落札して終わり。無理ならAdmobが買う
Admobは、パンの質を見てから単価を決めてるので、基本的には買ってくれる。けどたまにフィルが埋まりにくいことがある(特に低単価帯。たぶん「余りにも質が悪いimpは買わない」みたいな設定があるのかも。詳しくはGoogleの中の人しか分からない。)


カビたパンだとこんな感じ、Admobはパンの質を見て単価を決めれるので、この場合だと1番下の$1で買おうとする。

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↑のパターンと同じように「ironsorce君、カビたパンを$15以上で買える?あー、やっぱ無理だよね。じゃあLINEくん、$8以上でカビたパンを…」て感じで、設定した単価以上の価格で買える事業者が出るまで、延々とリクエストを飛ばし続ける(どんなに決まらなくても基本的にはAdmobの順番で買ってくれる)


最高級パンだとAdmobが一番上で買いに来るから、Admobが買って終わり。このようにメディエーションを提供しているAdmobだけ、リアルタイムにパンの質をみて、適切な値でパン(インプレッション)を買い付けることができる。これがWaterfallの単価が決まる流れ。

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ちなみに、この上から順番に単価を聞いていく流れが、滝見たいなのでWaterfall(滝)と呼ばれているらしいよ

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OpenBidding

過去実績を基にして順番に単価を聞いていくWaterfallに対して、「せーのっ!」で単価を出して、落札価格を決めるのが最近、巷を賑わせているOpenBidding。
簡単に説明するとOpenBiddingで実装した事業社はAdmobと同じように「パンの質を見て単価を決める」ことができるようになる。

図にするとこんなイメージ。Waterfallよりもずっとシンプル。OpenBiddingで繋いだ事業者に対して、「みんな、このパン何円で買える?」て一斉に聞いて、単価を出してもらうだけ。↓の図で言うと、「一斉に単価聞いた結果、$12を出したPangleが一番高いから、Pangleがパンを$12で買うね」て感じ。シンプルだね!!

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OpenBiddingには、Waterfallに対して2つの良い点がある

1.レイテンシー(遅延)が発生しない
Waterfallでは、上から順番に各事業者にリクエストを飛ばしまくるから、買ってくれる事業者が決まるまで、広告が出ない。なので広告が決まるまでユーザーを待たせてイラつかせたり、リクエストを飛ばしている間にユーザーが離脱して、広告が表示されないリスクがある。

一方、OpenBiddingは「せーのっ!」で単価を出して、一番高い人が買うので、広告リクエストの発生を最小限にしてレイテンシーが抑えられるというメリットがある。
ユーザーにも優しいし、収益棄損も少なくなるんだね!

2.運用がいらない/機会損失がない
WaterfallではAdmobが勝手に単価を変えてくれない事業者は自分で手動で単価を調整する必要があった。単価は日々変動するので、先週$10で設定していた事業者が今週は$5しか出さないことだってある。てことで、定期的に自分で単価を調整する必要がある。
一方、OpenBiddingはAdmobと同じように全部の事業者がパンの質を見て、購入単価を決めるので、そもそも「過去実績を基に~」みたいな運用という概念がない。実装したらそれで終わり。
しかも、ちゃんとパンの質を見て、購入単価を決めるから、適正価格になり、機会損失がない。
工数も減るし、収益も上がるんだね!!

実際の配信

現状AdmobのOpenBiddingに対応しているのはこちらの事業社たち。メディエーションで配信できる事業者よりも数が少なく、残念ながらOpenBiddingだけだと、まだ収益性が最大化にならないのが実情(同じ事業者でもWaterfallで組み込んだ方がフィルレートが良かったりもする)。てことでメディエーションとOpenBiddingを並行して実装するのがおススメ。

OpenBiddingとWaterfallを両方とも実装した場合、まずOpenBiddingで、入札が行われ、その勝者がWaterfallに組み込まれて、最終的に落札する事業者が決まることになる。図にするとこんな感じ。

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この場合だと、OpenBiddingで$12を出したPangleがOpenBiddingの代表になる。その後、Waterfall内で$15のironsourceと$8のLINEの間に組み込まれ、上から順番に設定単価よりも高い単価で買える事業者が出てくるまでリクエストを飛ばしていく。
もちろん、OpenBiddingから組み込まれている事業者はパンの価値を見てから、単価を提示しているので、OpenBiddingの事業者の順番が来たら基本的には買ってくれる(不具合とか起こってなければね)。


まとめ

てことで、まとめ!

・メディエーションはWaterfallとOpenBiddingの2種類で組み込める
・Waterfallには、Admobが勝手に目安の単価を設定してくれる事業者とデベロッパーさんが自分で単価を設定する事業者がある
・Waterfallは設定した単価が高い順に上から広告リクエストを飛ばす
・OpenBiddingは一斉に単価を出し合って、買い付け価格を決める
・OpenBiddingはメリットがいっぱいだよ

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バイバイ!


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