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『マーケティング大原則』を読んで

■はじめに

物事には原理・原則がつきものです。原則や原則とは時代や方法が変わっても、物事の大前提に位置するものです。
例えばマーケティングからWebマーケティングへ時代は移行しつつありますが、
ニーズに応えた広告の打ち出し方はさほど変わりません。
これは未だに、神田昌典氏のコピーライティング関連の書籍が売れ続けている事に由縁します。
そういった原理・原則の重要性を再認識しつつ、下記の書籍を選定しました。

■書籍紹介

■CRMは安売りするな

近年、デジタルマーケティングの発展に伴い注目されたCRMという領域。
元来は江戸時代から続く、顧客へのロイヤリティ強化の施策として広く認知されています。
多くの企業はポイントカード等で購入した商品へのポイント還元という形でリピートや再来店を促す施策になります。
確かにポイントカードという概念があれば、無理にでも店舗を利用しようとしますが実際にはロイヤリティのある顧客への「値下げ」という効果しか産んでいない事になります。
CRMの目的の1つは顧客はのロイヤリティ付与になります。
本書では「付加価値」の重要性を説かれています。
いきなりステーキの肉マイル制度は食した肉のグラム数により、階級が上がっていきます。
階級の高さが肉の消費量=名誉になってくるので多くの方はリピート&高単価(✖️G)の商品を頼むようになります。
ただ階級が高くなろうが、特典はドリンクが毎回無料などの金額と見合わないものが多く、ロイヤリティ向上には付加価値という視点が大切になります。

■CRM自体実は成功させるのが難しい

前章に続き、CRMの部分になります。
一般的な企業で行われているCRM施策はリマインドメールやクーポン送付などの一般戦術です。
殆どの場合は、企業は取得しているデータに基づいた施策はできていません。

大前提、自社で所有しているデータが宛になるのかという疑問視されます。
なぜなら全体の消費行動の○.○○%程しかカバーできていないからです。
加えて、これ程CRMが注目されている&データを司るMAツールなど普及しているのにも関わらず、目立った成功法則が出てきていないのは企業がデータを使いこなせていない事の裏付けです。

つまりデータが保有されている=使えるとは限りません。
日本マクドナルドは1日200万人の利用者が居るとされてますが
マクドナルドは敢えてこのデータを取得しようとしていません。
なぜならデータの扱いは扱いでコストがかかるからです。
この様に具体的に○○へ活きるというデータ意外はあまり宛にならない点とそもそも構築の難しい価値の高い仕組みという事が理解できます。
御社のWebチームは仕組みを整えるサービスでもあり、改善するサービスです。
直近1通目のステップメールを改善した後に直後のバックエンドの数値は良くなったものの2ヶ月目で落ち込んだケースがあります。
こちらの分析もする&結論、CRMも仕組みとは言えど市場に合わせてブラッシュアップする必要があるので御社のWebチームの魅せ方は現状の工数で考えると、「仕組み」または「改善」という明確なフェーズを設けた方が良いと感じました。
ある意味、広告運用も行っているので制作過程で成果を求められ、運用メイン施策に走る為に6ヶ月で整えきれないという事が言えます。

■価格設定を仕掛ける

価格設定とはいかに他社よりも価値を高く商品を魅せるかという視点が大事になります。

もちろん需要などの大前提も必須ですが、敢えて価格を新しく設計するケースもあります。

例えばシャンプー市場はかつて美容院などが取り扱う最高価格か一般的な市場の最安値価格の2択でした。

ここに風穴を空けたのが、『スカルプD』です。薄毛に効く×〜数千円という価格帯を生み出しました。
その後商品の質へ拘った『ボタニスト』が開発&販売されて、一気に2000〜3000円の市場と「シャンプーにおける中間価格帯」が出来上がりました。

極めつけは水です。
日本では公園などのパブリックな場で気軽に水を摂取できますが「ミネラルウォーター」という概念が水に価値を加えました。
これまで無料だった水が数百円で取引される様になったのです。
近年はシリカ水などと言われる徐々に高級路線な水の販売もされており、
これまでの価格帯を破る価格設定=市場開拓へ繋がるという事が言えます。

■時として専門性よりも網羅性が求められる

歯みがき粉はかつて、専門性で市場に排出されていました。

・白い歯
・歯石防止
・歯周病予防
・敏感な歯・歯ぐき用
などなど事細かに細分化されていました。

米国「コルゲート社」はこの様な状況から「これ一つで全て解決」の商品を市場へ投下した所であっと言う間に商品が売れていったのです。

結論、歯に関するお悩みは全てに通ずるものがあり1つに特化しているよりも網羅性のある方が市場のニーズが高かったのです。

しかし、細分化⇒網羅が失敗したケースもあります。
それは「花王」アタックシリーズのZEROです。
元々NEOという商品で専門的に行っていた所をリニューアルという魅せ方で市場へ投下しましたが、
NEOよりもZEROは200円ほど高く、結果的にNEO>ZEROという構図になり広告費などを投下した割には今も尚浸透していない商品となります。

ここから学ぶに、過去の成功パターンは同一の条件でないと失敗するケース
(本日であれば市場に自社の安価な商品は置くべきで無かった。)という事が分かりました。

■まとめ

CRMは逆に成功法則が難しい設計と言えます。そのため、設計&改善を同時に進行するのは難しいものになります。
御社のWebチームは明確に「何をするか」という事を定義しないと日頃からの改善まで求められ、キャパオーバーになってしまうかもしれません。
診断書の様なとり方から、具体的なボトルネックを見出し向こう3ヶ月で○○を最優先で対応するという魅せ方でサービスの進行を行える様に試行錯誤をするべきです。

また価格の提案の部分でも入っていける領域はあり、広告を出す上での価格の把握以上より「他社の価格設定」を考慮する必要があると感じました。

■具体的TO DO

・案件に特化して、アウトプットする
⇒リロードエッジ(脱毛クリニック)
・他社の価格設定をリサーチ
・CRM(LINEなどの動線)をリサーチ


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