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アトピーに鍼は効くのか

そもそもアトピーとは何か

アトピー性皮膚炎ともいいます。
アトピー素因をもった人に慢性的にかゆみが発症する湿疹のことをさします。
生まれつき、いわゆる遺伝で持つことが多く、親のどちらかがアトピー素因を持っていた場合、約60%の確立で発症するそうです。
仮に両親ともにアトピー素因を持っている場合には確立が80%に上るともいわれています。
これに現代の日常生活要因や欧米化した食生活、衣類や住居の変化、環境問題や大気汚染など、アトピーの原因となる要素は多いのです。

アトピーの主な症状
主に湿疹が各部位で見られます。
またその痒みが長期間に渡って続きます。
その「かゆみ」はかなりしつこく、夜も眠れないほど強いです。
表面はざらざらすることも多く、乾燥肌や敏感肌になりやすいのが特徴です。
アトピー性皮膚炎の症状は年齢と共に変化する特徴があります。
乳幼児は2ヶ月以上痒みが続き、一般的に顔や頭にできます。
悪化すると、背中や手足にも広がってしまうことがあります。
小学生などの学童は思春期ごろには沈静化する傾向があり、症状が見られる部位も首の周りや肘や膝の裏側などの関節に発症することが多いです。
成人で発症する場合は6ヶ月以上続くことが多く、顔や首、胸や背中など、手が届く範囲の部位が重症化する傾向にあります。
アトピー性皮膚炎は皮膚の表面が白く粉をふいたような状態になり、乾燥してざらざらとしています。 痒みを長時間伴うため、無意識のうちに皮膚を掻いてしまうことによるひっかき傷から出血が各所に見られるようになります。

アトピーが起きる要因
・遺伝的要因のアトピー
ドライスキン(乾燥肌)体質という皮膚防御機構の低下に、アレルギー体質という刺激要因が重なり発症します。
・後天的・環境的要因のアトピー
洗剤・皮膚細菌感染(特にブドウ球菌による感染)・アレルゲン・物理的擦過(過度の垢こすりなど)で皮膚防御機構の低下に,皮膚細菌感染・化粧品・紫外線・ストレス・発汗・汚れなど刺激要因が重なり発症します。

アトピーのアレルゲン
・植物系アレルゲン
影響を受けるのは主に5歳以下の子供に多いアトピーです。
卵白・卵黄・牛乳・小麦などが原因で卵・牛乳などの植物アレルギーは年齢とともに減少する。
小麦・魚介類は大人でも原因になることがあります。
・環境アレルゲン
生後6ヶ月ころからテスト陽性になってきます。
主にダニやハウスダストで加齢に伴ってカビや花粉なども原因になります。
アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息は現代日本の三大アレルギーといわれています。
アレルゲンはアレルギーを引き起す原因となるもので、確認されたものだけでも200以上あります。
花粉、ダニの死骸、ホルムアルデヒドなどは代表的なものです。
寒暖の差がアトピーのアレルゲンとなることもあります。

アトピー予防するには
アトピーの原因がいろいろ重なり合い、単純にひとつだけでないことが多いです。
予防や治療の場合も根気よく続けることが、非常に大切です。
アトピーの原因となる食物は避けなくてはいけませんが、バランスの取れた食事療法をし、スキンケアをしながら皮膚を鍛えること、家ダニが非常に関与することから家の中を清潔にして、ペットも諦めなくてはならない場合もあります。

アトピーの東洋医学の考え
東洋医学ではアトピーを風湿疹(ふうしつしん)と呼びます。
生まれた時の虚弱な体質で、その上に七情(ストレスなど精神的なもの)によるものや風湿邪(アレルゲン)の浸入により、気(エネルギー)と血液が調和しなくなり、経脈が流れなくなって、皮膚に気血がうまく巡らず、病気を引き起こすと考えられています。
アトピー性皮膚炎は,現象的には皮膚と皮下組織の病変であり,東洋医学的には肺に属する「皮毛」と、脾に属する「肌肉」の病変であるから、アトピー性皮膚炎は脾肺病と考えられます。
それゆえ,大気汚染の状況や空調設備の環境および食生活の習慣や環境などと、密接な関係があります。
五臓の機能が失調すると少陽三焦を運行する気機の逆乱を誘発し、いずれも肺の宣降を失調させて咳嗽が出現します。
アトピー性皮膚炎も同様に,五臓の病変が肺脾に波及すると,いずれもアトピー性皮膚炎を誘発するのです。
アトピー性皮膚炎には様々なタイプがあります。
肺脾の疾患であっても、五臓の病変はいずれも本病を誘発し得るだけに、病機(病気におけるメカニズム)は複雑多岐にあります。
原因の特定が難しいことは何もアトピー性皮膚炎に限ったことではありません。
大局的に見れば他の疾病と何ら異なることのない普遍的に共通していることなのです。
アトピー性皮膚炎だからと特別視する必要はなく,肺脾病との認識で東洋医学に沿って治療を行うのが根本改善につながる可能性があります。

長期間の副腎皮質ステロイドの副作用の軽減や頭痛やストレスによる不眠などの症状も改善されることが多く、鍼灸を使うことで治癒率を高めることができます。


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