日本人女性の櫛(くし)・かんざし
明治以降の日本人女性が唯一、身につけた装飾品が、櫛、かんざしです。
櫛というのは、髪の毛をすき整えるために使うものと、髪に挿し、飾りとして使う美しい装飾がされた飾り櫛があります。
古墳時代までの櫛は装飾用の挿し櫛であるのに対し、奈良時代以降は実用的な髪をすくために使う櫛にガラッと変わっています。
再び、身を飾る装身具としての櫛となったのは、江戸中期のことです。
この時代には、象牙、べっこう、などが登場し、加工技術では、漆(うるし)、螺鈿(らでん)などの日本が世界に誇る技術が登場します。
この時代以降の日本の櫛は、世界に類を見ない美しいものでした。
慎重な日本人ですが、やり始めると世界一になってしまうところまでやる、という真面目で突き詰め、究めてしまう特性がよく出ていると思います。
かんざしは、元来は公家などの冠を髪に固定するためのものが変化したものです。
やはり江戸中期から高度な発達をしました。
現代に残されているものを見ると、そのデザイン、技術、素材など他に類を見ないユニークなもので、昔の日本人は、身を飾るということに対して、決して無関心ではなく、その表現方法が他の国とは違ったということだと思います。
おつきあいくださりありがとうございます。
まだまだ、続きます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?