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「AI技術を使ったSDGsスコアが未来の共通言語に」サステナブル・ラボインタビュー


「誰1人取り残されない」「持続可能な世界」を実現していくための、全人類の目標として策定された「SDGs(Sustainable Development Goals)」。日本では、2020年に改訂される学習指導要領にSDGsに関する事項が記載されることから、子どもや若者を中心に取り組みが加速することが期待されています。

ゴールとなっている2030年まで、あと10年。国連広報センターの根本所長によれば、このままでは2030年の目標達成は困難、国連では「アクセラレート(加速)」がキーワードになっているとのこと。日本でも「行動の10年」と言われ、さらなる行動が求められています。

SDGsの取り組みを具体的に進めるにあたり、何よりも地域や組織に落とし込んだ「目標」が必要となります。

そこで、北海道の下川町や株式会社丸井などは「地域のありたい姿」「社会のあるべき姿」を地域住民や社員で描くことからはじめ、その絵をもとに戦略やプロジェクト、移住計画を作成するといった「バックキャスティング」の手法を用いています。

今はVUCA時代【Volatility(変動性)Uncertainty(不確実性)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)】と言われていますが、

自分たちが進むべき「未来の地図」を持ち、そこからバックキャスティングすることで、改めて組織や地域のあり方を見直す同じビジョンの元にパートナーシップを強固にしていくといったことが可能になります。

さらに、2030 Agenda や SDGs の中にも明記されていますが、目標を定める上で「現状を知る」「その後の取り組みを評価する」ための「指標」も重要となってきます。

今回はその指標の一つとして、サステナブル・ラボ株式会社が発表した AI技術を用いたSDGsスコアをご紹介。 サステナブル・ラボ株式会社 代表取締役 平瀬錬司さんに、スコアを生み出した背景や活用方法など、詳しく伺いました。



環境・社会・経済の相関データを使ってSDGの通訳を

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サステナブル・ラボ株式会社 代表取締役 平瀬錬司


松尾: そもそもどのような経緯でこのスコアを製作されたのでしょうか?

平瀬さん: これは、SDGsを通訳する存在がまだまだ少ないと感じたことから始めました。私は「お金を稼げる」=「強い会社」「社会や環境に優しい」=「優しい会社」のような表現をしているのですが、

稼げる会社が偉いというようなこれまでの資本主義が近年変わりつつあり、今後は両方を併せ持つ「強くて優しい会社」が求められてくる、ルールチェンジが起きているのではないかと思っています。

しかし残念ながら、環境や社会に「優しい」の部分において、「なぜ会社が優しくならないといけないのか?」というように、まだまだ組織内で対立と分断が起きているように感じています。だからこそ私たちは、SDGsや気候変動対策をより加速させるためにも、みんなが納得して進められる物差しになり得るスコア・アルゴリズムをつくりました。


しかしこういった「優しさ」への物差しをどのようにつくるのか、これは非常に難しい取り組みです。ESG投資研究の第一人者である加藤康之先生(京都大学客員教授でありGPIF経営委員)など非財務領域の第一線の研究者との出会いや、環境省 環境金融推進室 からの事業採択などにより、最先端の知見を得られたのは非常に幸運でした。

数字は万能ではないですが 共通言語 になり得ます。「優しくなったら強くなるのか?」つまり「CO2を減らしたら企業価値が上がるのか」などの問いを、ビッグデータの解析によって数字で提示することで、みんなが同じ目線で議論することが可能になるんです。


非財務指標と財務指標の相関から見えてくるもの

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スコアの一部


例えば「売上高あたりのCO2排出量」や「女性取締役の比率」などの非財務指標と、「売上」や「企業価値」などの財務指標との相関解析を 機械学習モデルを用いて行います。

現在、東証一部に上場する約2,000社の直近 10年分のデータを抽出して解析しているのですが、これらの解析を深化させることで、CO2を減らしたら売上が上がるかどうか、もし上がるとしたら何年後か、などが見えてくる。

業界によってこういった特徴にはもちろん偏りがあり、特にエネルギー業界は顕著で、CO2排出量と数年後の複数の財務指標にプラスの相関があったりするんです。

このようにデータの解析が進んでいくと「強くなるための優しさって何?」というところがわかるようになる。「なぜCO2を減らさないといけないのか?」というところを、経済的な指標で示すことができ、環境や社会への取り組みを促進できることに貢献できるんですね。


AIスコアを用いて「過去」「現在」を理解し「未来」を描く

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松尾: スコアにはどのようなものがあるのでしょう?

平瀬さん: 環境(E)スコア社会(S)スコアガバナンス(G)スコアや、SDGsスコア(17項目ごと)等があり、たとえば環境(E)スコアはエネルギーや大気など7つのスコアから構成されています。

また、企業分析だけでなく、業界分析や自治体の分析も可能になっています。企業は「約1,400指標」自治体は「440指標」を抽出・解析することでスコアにします。

企業向けデータは、IR資料などで開示されている情報だけでなく官公庁情報、企業の評判クチコミ情報など、原則としてオンライン上に存在するあらゆる情報を用いて解析しています。

今後はさらに上流、たとえばスマートメーターのデータや従業員の健康データ、またPOSデータなどを保有しているような事業者様と連携していくことで、より深い解析・スコアリングが可能になっていきます。


またスコアリングについては、100点満点が存在する絶対評価ではなく、業種平均・前年比較・競合他社、これら3つと比較した相対スコアになっています。その他に「サステナビリティスコア」と「売上」など二軸のポジショニング マッピングなども行っており、多面的に「強み」「弱み」を把握できる解析を提供しています。

自治体の440指標は、中央省庁のデータなどを活用しており、たとえば「人口一人当たりの教育費」「GDP当たりのCO2排出量」「犯罪検挙率」などの指標を用いています。


「強み」と「弱み」を明確化 SDGs推進の道標に

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松尾: スコアはどのように活用することができますか?


平瀬さん: 自社の非財務領域における「強み」「弱み」を客観的に把握することができ、目指したい「あるべき姿」への具体的なロードマップを描くことができるようになります。

また、社内や投資家、メディアに対して、より緻密に自社の「優しさ」について説明することが可能になります。こういった用途にご活用頂くため、ツール上でスコアレポートをPDFやエクセルデータで出力できるようにしています。今後はレポートの英訳化機能や投資家・メディア向けの配信機能も検討しています。


松尾: スコアにすることでどのような効果が生まれているのでしょうか?

平瀬さん: まず、地域や企業の持つ課題(弱み)だけでなく、気づいていない独自の強みを見つけることができます。弱みは自分たちで気づいていても、強みに関しては気づいていないところが多い印象です。

意外なところに強みが見つかったとの声も複数いただいています。それから先述のとおり「なぜSDGsを推進する必要があるのか」といった議論をより円滑に進めるための道標として機能しているというような声もいただいていますね。


「強さ」と「優しさ」両方を向上していく未来に


松尾: 導入先はどういったところがあるのでしょう?


平瀬さん: 複数の自治体、大手交通インフラ企業、大手金融系企業、大手メーカーなど、各業界のリーダーに試験導入していただいています。また、監査法人系の大手コンサルティングファームや金融機関にも試験導入を進めております。


松尾: 実際に取り組みたい企業や自治体はどのように参加すれば良いでしょうか?


平瀬さん: 東証一部上場企業様や都道府県様は既に情報抽出・解析済みなので、ご依頼いただけたらお見積もりを確認の上アカウント発行をするだけで、WEBブラウザから自社や競合企業のスコアレポートを閲覧していただくことが可能です。それ以外の企業様、自治体様に関しては、随時対応予定です。


松尾: 最後に、今後の展望を教えていただけますか。


平瀬さん: 渋沢栄一さんの「義利合一(義と利は表裏一体)」の言葉を使わせていただいているんですが、資本主義をアップデートして「強さ」と「優しさ」両方を向上していく未来にしていきたい。

つまり「財務スコア」と「SDGsスコア」を足したものを、企業の通知表にすることをスタンダードとして根付かせていき、「時価総額ランキング」から「本質的な未来価値ランキング」になっていくような流れをつくっていきたいですね。

そして、SDGs貢献と経済成長が正しくリンクする世界、たとえば企業も顧客もSDGsスコアが高いものを買うと豊かになっていく、「優しくなればなるほど強くなれる」という循環をつくることにチャレンジしていきたいです。

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スコアがまさしく「通訳」となることで、漠然としたイメージの中で語られていた持続可能な社会像を、より明確にイメージできる人も増えるのではないでしょうか。

よく耳にする「SDGsは何をすればいいかわからない」「SDGsにどんな意味があるの?」そんな問いを解決する、希望をもらえるようなソリューションでした。平瀬さん、インタビューにご協力いただきありがとうございました!


会社概要>>

名称:サステナブル・ラボ株式会社
住所:〒105‐0013 東京都港区浜松町2-5-3 リブポート浜松町703号

URL:https://suslab.net/

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「ACT SDGs」は学びのコミュニティです。Facebook ページを中心に、SDGsやサステナビリティにまつわる情報発信、キャンペーン、プロジェクト立ち上げなどを行い、SDGsを軸に行動する個人をエンパワメントするグループです。
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