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演技が上手い俳優と下手な俳優

いただいたご質問への回答です

『自分とかけ離れた人をどう演じるか?という題の話を読ませていただきました。すごく勉強になったので、次の舞台に生かしていきたいと思います!
質問ですが演技の上手い人と下手な人の違いとはどんなところですか?また、相手とのキャッチボールが大切とよく言いますがどんなふうに演じると新鮮な演技になりますか?』
 


まず、私の考えとして、
「良い俳優」= 「演技が上手い俳優」ではないということを最初に言っておきます。

その前提で、私が思う演技が上手い俳優というのは、質問者さんが仰るように、ちゃんと相手とキャッチボールができる俳優ですね。
下手な俳優は自分のことしか考えていません。

自分のセリフや、動きのこと、自分をどう見せるかばかり考えて、相手の芝居が見えていません。セリフが聞けていません。

また、演技が下手な俳優のほとんどは、お芝居に対する取り組みが甘い。役との向き合い方が甘い。
脚本読解ができていない。

つまり、芝居をするための準備ができていません。
準備のレベルが低ければ、当然演技のレベルも低いです。

ちなみに良い俳優というのは、キャッチボールしながら相手の感情を把握し、揺さぶり、そのシーンのあるべき方向へ導くことができる、
演者間で新鮮なものを生み出すことができる人だと思います。

良い俳優は演出家以上に役のことを深く掘り下げて考え、演出家を唸らせるようなアイディアを現場に持ち込んできます。

もちろんそれを押し売りのように披露するのではなく、作品のために自分がどうするのがベストなのか、作品を第一に考えられる。

そして、どうすれば相手役が素敵に見えるのかを考えられる、スタッフを気遣うことができるのが良い俳優かなと思います。

〈矢印を自分以外に向けること〉これが新鮮に演じるヒントだと思いますよ。

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