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里山と奥山が見事に融合!〜素晴らしき霊峰・岩木山へ

今年は春の訪れが早いですよね。
3月中旬、まだまだパウダースノーが滑れると思いきや、まさかのザラメ雪…
山がカチンコチンにならないだけ、まだマシと言い聞かせ、お客様をお連れして「霊峰・岩木山いわきさん」へ行ってまいりました。

青森県にある本州最北端の百名山、岩木山は別名「津軽富士」とも呼ばれる信仰の山です。

そうそう1980年にヒットした松村和子さんの「帰ってこいよ」という歌のフレーズにも出てきます。

”きっと帰ってくるんだと
岩木山いわきやまに手を振れば
あの娘は小さく うなずいた
茜の空に誓った恋を〜”

懐かしいと思うのは私だけ?(笑)

       ***

私が「日本の里山」に魅力を感じ始めたキッカケは、まさにこの山でした。

だいぶ前になりますが、スキーの専門誌に記事を書かせてもらうことになり、白神山地のことを取り上げたことがあります。
そのとき、地元の方にとって白神山地というのは「奥山」として存在し、岩木山は「里山」として生活と密着した姿があることを知ったのです。

津軽平野を滔々と流れる一級河川・岩木川の源流は白神山地です。
水源として里や町に多くの恵みを与え、人々の生活を支えています。

これは2012年の夏に撮影した写真
奥に見えている山並みが世界遺産・白神山地

美味しいシジミが有名な十三湖は、この岩木川が流れ着いた場所に形成されているというから、ありがたい気持ちでいっぱいになりますよね。

その白神山地に対して岩木山はというと、麓にはりんご畑や農地が広がり、人々の暮らしがあります。もちろんスキー場という娯楽施設もあるので、山の存在がとても身近なのです。

青森県のりんご生産量は、日本の約60%!
2015年4月5日撮影

山頂には麓にある岩木山いわきやま神社の奥宮が祀られています。
独立峰としてドンと構え、町の至るところから拝めるその姿は、まるで守神まもりがみとして人びとに寄り添っているように見えます。

岩木山神社の鳥居から望む、真っ白な雪景色の岩木山
地元の方々は家の窓から毎朝お山を拝むそう

そして人びとはその恩恵を受けることに感謝し、毎年、津軽地方最大の豊作祈願祭「お山参詣おやまさんけい」を行なっています。

お山参詣は、旧暦8月1日、五穀豊穣の感謝と祈りをこめ、山頂の奥宮に登拝する古くからの行事です。
登拝に先立ち、山麓の集落の若者たち中心に一週間ほど精進潔斎し、当日は再び身を清め、神前でお祓いを受けて、登山囃子を唱和しながら登るそうです。

       ***

日本には世界とは違う里山文化があると思います。
山や海の恵みを得た里の人々は、食べ物や民芸品などを生産し暮らしています。
それを都市の人々は消費することによって、里を支えるという共存共栄の姿があります。

何より日本らしいところは、海と山が近いことにより、その形がぎゅっと濃縮されていることです。

今回訪れた津軽には、多くの人びとが暮らす弘前市、里山としての霊峰・岩木山、それらに恵みを与える奥山・白神山地が見事に融合していました。

さあ、もうすぐ桜前線の北上ですね!
弘前城の桜、それはそれは見事です。
まだ間に合いますよ〜〜

ぜひお出かけください♪

2016年4月30日撮影
弘前城



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