![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/122749625/rectangle_large_type_2_ad305480db2ccdd4b703f5fc1cca5a80.jpeg?width=800)
みちのく潮風トレイルDAY2&3〜普代水門〜弁天崎灯台
昨日から一気に冬が強まり、吹雪の朝になりました。
いよいよ冬モード、鹿あり、スリップあり、車の運転には十分注意します!
今日は前回の続き二日目と三日目をまとめてお伝えしますね。
ですので、長いです〜
初日に小袖海岸まで歩き、電車で普代村へと進みました。
宿は普代村にある「国民宿舎くろさき荘」にお世話になることに。
この「くろさき荘」さん、なかなか良かったです。
というのは、トレイルプランというのがあって、お水や手拭いのサービスあり!なんと言ってもスタート地点やゴール地点への送迎サービスがあるのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1700957823728-QlRx4aeDol.jpg?width=800)
奇跡の水門からスタート!
2023年11月4日 曇りのち雨 気温15度位 8:15スタート
二日目のスタート「普代水門」へ。
昭和59年に総工費35.6億円をかけて完成されましたが、国や村民からも大反対にあったそうです。しかし昭和8年の津波を経験した当時の村長・和村氏は、明治29年の津波で記録された15.2メートルの高さにこだわり、「二度あったことは、三度あってはならぬ」と反対の声を説得し、高さ15.5メートルの普代水門を完成させました。
![](https://assets.st-note.com/img/1700958513703-AJdznnXhek.jpg?width=800)
東日本大震災の際、津波の高さは20メートルを越え、そこから上流約300メートルまで遡りました。
漁業施設は甚大な被害を受けましたが、町の中心部や学校などの被害は免れ、被災した民家はなかったそうです。
残念ながらお一人の方は行方不明、しかし死者ゼロに抑えたことから「奇跡の水門」と呼ばれています。
![](https://assets.st-note.com/img/1700959346302-Mc9dp4UuW0.jpg?width=800)
実はもう一つ逸話があって。
消防署から遠隔操作で開閉をするのですが、実際には余震で故障したゲート1つが閉まらなかったそうです。
その時、勇敢な一人の消防士が「私が行きます!」と津波が迫る中、水門へ向かい手動でゲートを閉め始めました。ゲートが閉まりきる前に津波が到達しましたが、巨大な水門のため津波の威力が弱まったそうです。
この話を聞いたとき、怖さではない震えがきました。
人間のもつ使命感の強さは、素晴らしいとしか言いようがありません。
****
その後しばらくは県道沿いを歩きます。
アスファルトは足にこたえますが、町の近くを歩いていると、人の営みが感じられ、なんだかフワッとしてきますよね。
![](https://assets.st-note.com/img/1700960122883-0lyC5PzHLX.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1700960174354-A4AVq5FFDk.jpg?width=800)
中日というのに、その日は雨模様。だんだんと雨も激しくなりはじめました。
ゲストさんたちの気分下げずに〜冗談を言ったり、からかったりして(笑)
9:45AM 歩行距離約3.3km ネダリ浜自然歩道入り口に到着。
そこからは海のすぐそばを歩いたり、途中砂浜を歩いたり、三陸の海を間近に感じる時間でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1700961165424-m4nvTEZRK2.jpg?width=800)
ちなみに波をかぶる道なので、ツルッと滑る場所もあり
![](https://assets.st-note.com/img/1700961235545-2pIB33ieGV.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1700961504708-EQksFqCJqZ.jpg?width=800)
これで青空が出ていてくれたなら!
何度そう思ったことでしょうか…
だんだんと雨がひどくなり、ネダリ浜にあるトイレ兼休憩所へと避難。
小一時間ほど待つと、雨も上がり始めたので、気を取り直して再スタートです。
休憩所があって助かりました。
ネダリ浜からは一気に標高を上げます。
なんといっても海からですからね、それなりに登ります。多分標高差170M位。
![](https://assets.st-note.com/img/1700962025711-sVahy2wcNi.jpg?width=800)
ちなみに「心臓破りの階段」なんと、750段
上がる息、熱くなる体に「生きているんだ!」と自分を鼓舞し、到着したのは「黒崎展望台」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1700962369702-iFcSOmLTzm.jpg?width=800)
いや〜がんばった
11:30AM 歩行距離約1.7km 我らが宿舎「くろさき荘」到着
宿を通過するので、ロビーを使わせていただき、お弁当タイム!
暖かいお茶も出していただき、ありがとうありがとう。
****
12:10AM お腹もいっぱいになり、身支度を整え、再スタートです。
雨も止み、気分は上々。
心なしか足取りも軽く、足元に咲く野花を見つける余裕も生まれてきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1700963156592-Z5lCZCui4U.jpg?width=800)
ところで何だろうか?ガイドのくせに草花苦手(苦笑)
![](https://assets.st-note.com/img/1700963231498-dvISJ1eLq8.jpg?width=800)
さて、気分上々は良いのですが、そのあと私たちには試練が待ち受けていました。
というのも、雨で待機時間があったため大幅に予定が遅れていたのです。
その日のゴールは「北山崎展望台」です。
そこまでの距離約10KM!
しかも若干のアップダウンがあるので、軽く見積もっても3時間半。
暗くなる前に着きたい!との思いで、ゲストさんたちは大変でしたが巻きました。
もちろんちゃんと休む時は休みますけど、感じとしてはスタスタスタスタ。
みんな「速〜い」と叫んでましたが、大パノラマというご褒美もちゃんとありましたから。
![](https://assets.st-note.com/img/1700964089653-lyoiBtHegI.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1700964144723-mnfvWAMTKP.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1700964299089-nCSDBJH0XD.jpg?width=800)
呑み込まれそう〜
16:00AM 歩行距離約10.3km 北山崎展望所到着
みなさん何とか頑張って、標準タイムちょいオーバーで歩き切ってくれました。
その後はお宿の車で再び「くろさき荘」へ。
しかしですね、くろさき荘から4時間かけて歩いた距離が、車で7分だったんです!!
歩くことで人は元気になる!
と思っている私ですが、7分で着いた時には「文明ってすご過ぎる〜」、「歩くって疲れる〜」とウナだれましたとさ。
![](https://assets.st-note.com/img/1700964954628-CY7xv1pW4J.jpg?width=800)
おそらく歩行距離は15km強
11月5日 快晴 気温9度
ぐっも〜にん!
一夜明けて快晴です!最高の青空に澄んだ空気で最終日を迎えました。これぞほんまもんのご褒美ですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1700964861345-114RJEF2Nn.jpg?width=800)
けど気分はこんな朝@北山崎展望所
二日目と三日目は「歩」を繋げるために、北山崎展望所からスタートです。
最高のトレイルウォーク日和となりました。
悪い日があるから良い日のありがたさを感じますね!反対もあるけど。
![](https://assets.st-note.com/img/1700965136256-TvCBswwyIu.jpg?width=800)
ああ、あと何年かかるんだろう…ふと思う
さてさて今日もなかなかハードな道のりです。
というのも、まずは一気に海岸まで降ります。降ったということは登ります。そしてアップダウンを繰り返しながら歩くのですが、それだけじゃないのが恐るべし三陸海岸です。
あの風光明媚な地形ということは、連続する沢地形があるからですよね。
昨日のログを見ると、よーくわかりますがクネクネして進んでいきます。
そして本日は沢をかわしてクネクネしつつ、アップダウンもあるという訳なのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1700965660174-VF1w9x2kx3.jpg?width=800)
階段だから逆にキツい
しかし頑張った先には必ずご褒美というものがあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1700965750962-5HSr7ro5Bp.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1700965824037-PFY7vUgG91.jpg?width=800)
私もいつかやりたい!
今日歩くルートは「北山崎自然歩道」です。
全長約20KMあり健脚向きですが、今回は踏破せずに一部だけ歩くことにしました。
さて登り返しは、足が上がらないほどの急階段のお待ちかね。
それにしてもこれを作り上げたことには頭が下がります。欲を言うなら、もう少し段差低くしてくれると嬉しいですが(笑)
![](https://assets.st-note.com/img/1700966222453-1w5SghpRxQ.jpg?width=800)
私がうな垂れている場合じゃないしとキョロキョロしていると、途中で面白い看板を見つけました。
![](https://assets.st-note.com/img/1700966316719-mFAEQZkVno.jpg?width=800)
初めて聞く名前に興味津々。日本独自のものだそうで、調べてみました。
保安林の種別の一つで、魚の繁殖、保護を目的として海岸や湖岸に設けられている森林のこと。全国で5.8万haが「魚つき保安林」として指定されています。
森林の栄養分は、地下を通って岩礁地帯などから湧き出て、海や湖に栄養分を供給します。そこでは、プランクトンがよく繁殖するため、豊かな海を育てます(以下省略)。
ふむふむ。
人生半分以上はとうに過ぎましたが、まだまだ知らないことだらけ。
面白いなぁ。
****
しかしお天気が良いというのは、やっぱり気持ちが上向きになりますね。
急なくだりや階段があって足がクタクタでも心が引っ張ってくれます。
![](https://assets.st-note.com/img/1700966824007-VnlCMPclwP.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1700966860406-WQHjfSBobT.jpg?width=800)
このルートは、結構アドベンチャーもあり刺激的でした。
やはりそれだけクネクネしながらアップダウンがあるからこそなんですね。慣れてない人にはチャレンジングですが、その分、スリルと興奮もあるなーと感じます。
![](https://assets.st-note.com/img/1700967311278-p4kNeAUPSM.jpg?width=800)
先にある黒っぽいところからトンネルへ
![](https://assets.st-note.com/img/1700967374037-ALmHuXmT1R.jpg?width=800)
それにしてもトンネルは全て手彫りという。
一体何年かかって誰が掘ったのでしょうか。
言葉を失います。
![](https://assets.st-note.com/img/1700967478606-ohiTzSQbAh.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1700967566014-Y1jbTcp3yu.jpg?width=800)
ゴール間近に現れたのは「机浜の番屋群」
とても小さな漁港で、海岸線から100Mほど離れた場所に、22棟の番屋が建てられていました。
昭和8年の大津波後に少しずつ建て直され、海産物の保管や漁具の収納場所、寝泊まりとして盛んに使われていたそうです。
しかし東日本大震災の大津波に呑み込まれ一瞬にして消失してしまいました。幸いに人的被害はありませんでした。
その後、以前の面影を復元し村の水産と観光、そして復興のシンボルとして、かつての姿で再建されたそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1700981884056-6oGEUMGqn2.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1700981967687-T9wKuxkImX.jpg?width=800)
机浜を後にし、いよいよ最後の登りへと。
そうですよね、ゴールは灯台ですから登って終わりです。
ここまで来ると「根性!」の二文字。
13:15PM 歩行距離約6.3km 弁天崎灯台駐車場着
![](https://assets.st-note.com/img/1700982171242-pSxKDTc946.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1700982620389-qlCzpQhGgw.jpg?width=800)
地図を見返してみると、まだまだほんの少ししか進んでいません。
まるで亀の歩みのよう…
来年もまた続きが歩けるよう、精進します!
FIN♪
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?