日常と非日常の交差点〜アンヌプリ御来光でびっくり仰天!
私にとって「旅」というのは「非日常生活を体験すること」だと思うのですが、先日こんな一コマがありました。
それはアンヌプリ山に御来光を拝みに登ったときのことです。
ニセコに暮らす私にとって、アンヌプリ山は日常生活の一部です。
山の麓に暮らし、毎日のように山を眺め(曇りじゃ見えないけど)、またガイドをしているので、夏も冬もしょっちゅう登る山です。
そんな中、一度はアンヌプリの山頂に登って、目の前に聳え立つ羊蹄山と御来光を拝みたい!
と願って…
いや、正確に言うと、いつ来ても良いように万全を期して待っていました(笑)
いよいよ、やってきたその日は「中秋の名月」の夜。
寝る前には綺麗に見えていたお月様でしたが、登山口まで来ると雲の中に入ってしまい、姿を隠してしまいました。
「満月なのに暗いな〜」
と呟きながらヘッドランプをつけて、午前2時半に登山開始。
普段歩き慣れている登山道も、手探りならぬ足探りで登ったり。
景色が全く見えないので、自分がどこにいるのか?がわかりにくかったり。
それだけでも充分、「非日常体験」だったので大いに楽しかったのですが、徐々に夜明けが近づいてくると薄明るくなり始め、御来光へのボルテージは嫌でも上がってきます。
ふと、あれ?なんか明るいかも?
振り向くと、そこには中秋の名月さんが「私はここにいます!」とばかりに顔を出し。
登ること約2時間弱、標高差550mのアンヌプリ山頂に到着しました。
始めは雲海が広がっていましたが、風が強く吹き始め、徐々に雲が動き出す中、ゆっくりとゆっくりと明るさが増してくる空。
その中に姿をはっきりと現し始める、独立峰・羊蹄山の美しい山容。
幾度となく訪れたアンヌプリ。
そこには今まで見たことも感じたこともない、「非日常」が広がっていました。
誰もがうっとりと御来光を眺めていると。
すっごい寒い朝だったのにも関わらず、薄いウインドブレーカーに短パン姿の男性が!
ちなみに私はダウンジャケットを着ていました。
ありえん!!変なやつ。
まじまじと見ると、知った顔じゃありませんか。
ニセコ界隈では知る人ぞ知る、トレイルランナーのTさんです。
「おはようございます〜
来てたんですね。それにしても寒くないんですか??」
Tさん曰く「走ってくるから大丈夫なんですよ。大体登山口から30分ちょっとで登ってくるんです」と。
ぎょぎょぎょ〜〜〜〜
それだけでも驚きなのに、彼はなんと、ほぼ毎朝走ってきていて下山後に仕事だそうです。
そう、Tさんにとっては「日常生活の一部」なんです。
ある人にとっては「非日常」でも、他の人にするとそれが「日常」だったりする。
それが山の中の「点」で、人を介して交差した瞬間でした。
ふふっ
これだから「旅」はやめられないんですね!!
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