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2023年音楽振り返り

色々あった(=色々詰め込んだ)2023年ももう終盤。サッカーの話ばっかりしていたような感覚はありますがそんな中でも音楽も決して忘れず、今年だからこそできた音楽アクティビティも楽しみました。
ただ11月後半メキシコに行っている間にANAM(国立音楽アカデミー)主催のジョージ・クラム祭りに行けなかったのはかなり残念でした。クラムが主役になる複数日にわたるイベントなんて今後出会えるのか、とも思いましたがメルボルンなのできっとまたあるはず。現代音楽も色々ピックアップしてくれるこの街のクラシック音楽文化に感謝と期待です。

さて、行けなかったコンサートはともかく今年実際に体験することができた音楽から恒例のフォーマットで。

Best of 今年出会ったオーストラリアの音楽

今年はこのカテゴリがちょっと弱めだったかもしれません。オーストラリアの作曲家の作品をばりばり初演するみたいなコンサートにはそんなに行かなかった感覚。
そんな中で今年はこれだったな、というのがRoss EdwardsのVeni Creator Spiritus。ラリアの作曲家の作品で最初に好きになったうちの一人なので原点回帰みたいなフレーバーはあるかな。今年コンサートで聞く前から録音は持っていて、あと割と似たような曲調の音楽を書く作曲家ではあるので冷静になると何をいまさら刺さるところがあるのかというところもありますが、キリスト教的な側面とアニミズム的な側面が割と近いところに落ち着いていてその落ち着き方がすっと入ってきて、かつオーストラリアぽい感じがあって素直に聴いてすごくよかったなーという。自分でも不思議ですが今年はっきりと好きになった一曲です。

Best of 今年購入したアルバム

またまた今年もNew Sounds由来のアルバム購入です。もう恒例になってるので来年からNew Soundsに影響受けてアルバム買っても言わなくていいですね。
去年のBest ofでサルデーニャギターの魔改造おじさんに言及しましたがそのPaolo Angeliさんのアルバムの中でもRadioheadの音楽にインスピレーションを受けた「22.22 Free Radiohead」が今年購入したアルバム(決して多くはないですが)のベスト。
この魔改造したサルデーニャギターなる楽器ですがいわゆるprepared的な、特殊技法的なエフェクトでありながら出てくる音はギターやチェロやビオラやhurdy-gurdyみたいな自分にとって好きな楽器の音にかなり近く、バラエティに富んでいるけどその多くがかなり心地良い響きでびっくりしました。
しかし私はずっとRadioheadのカバー曲だったりRadioheadに影響を受けた音楽だったり影響を与えた音楽(メシアン)だったりずっとRadioheadとニアミスし続けて周りをぐるぐる回ってるんですよね。そろそろ本家を履修しないと。

Best of 今年行ったコンサート

今年はとにかくあのページめくりやったコンサートが圧倒的に強烈でしたね。ページめくりの体験としてもそうでしたが音楽的に(特に元チェロ弾きにとっては)ものすごく強いプログラムでした。ブラームスのソナタ2番も(演奏のパワフルさの)アフターショックがすごかったですがマルティヌーのソナタ2番はがっつり曝された音楽の強烈さもあってまだあの後ちゃんと聴けてない。面白い曲なんですがね、ストレスを思い出さず聴けるかどうか。

次点はクロノス・カルテットのコンサート。もうこれからオーストラリアまで来てくれることはないかも、みたいなプレビュー文を見たのですがコンサートの内容、特にアンコールのチョイスが悔いを残さない感満載で、それを思うと寂しくもありましたがそれ以上に楽しかったです。
クロノスさんはこっちまで来れないようになったらたまーにでいいから映画館でコンサート放映とかそういう形で聴ける機会があるといいな。

Best of 今年聴いた「New Sounds」のお気に入り回

今年はワールドカップの期間、BBC Promsの期間、あと最近のメキシコ旅行の期間と3回もNew Soundsに触れられないまとまった期間があっていつもより聞けた量が少なめでした。
Twitterにメモしておいた分を聴き返した結果まず「やっぱり刺さるな!」と思ったのはイタリアの電子音楽の回。イタリアという国の音楽的なステレオタイプを良い意味で裏切ってきます。アンビエントな感じの曲もいいけどそれに限ったことではない世界。
あと毎年共通のテーマでいうと声楽&弦楽四重奏の回はクラシックとポップの間あたりの音楽(そして今年も出会ったRadioheadのカバーで好きなやつ)、リュート族の回バルカン・アラブ・トルコの音楽の回は地中海とその東も含めた多文化音楽(好きな曲が結構あったので後から漁らなきゃ)、そしてハープ特集の回では様々なジャンルでのハープの使われ方を楽しめたり。ジャンルと時代をまたぐといえばフォーク・バロック・現代の弦楽器の回もかなりたくさん刺さりました。

あとせっかくメキシコに行ったのであの辺りの音楽を扱ってるエピソードを遡って検索したいですね。いつかゆっくり。

Best of 今年弾いた曲

今年初めて弾いた曲ではないですが2023年で一番印象的だったのがメシアンの前奏曲第1番「La Colombe」でした。バレエの先生に自分が弾くピアノでメシアンを踊ってもらえるとは!そして普段こういう音楽に触れることが少ない聴衆にまたメシアンをお届けする機会ができて嬉しかったです。

番外編

メキシコ旅行でも色々現地の音楽体験を楽しみました。父がレストランでマリアッチをテーブルに呼んだりもしてくれましたがマリアッチなら屋外で他人が呼んだマリアッチが交代で(たまに同時に)歌うのを聴くのも楽しかったです。寒くない中夜に屋外で音楽を楽しめる環境はうらやましいですね。

2023年はもうコンサート的には終わりで夏休みになりますし、2024年はオケに関してちょっと指クロス案件がある以外に音楽に関する(弾く・聴く・買う)予定・目標などは今のところありません。メキシコでたくさん知らない音楽に触れましたがその分が落ち着いたらきっとまた耳新しい音楽にも食指が伸びてくるはず。これから年末に向けて色々(サッカー主に)ありますがNew Sounds漁りなどゆっくり音楽のことを考える時間を作ろうかな。
来年もまたあれもこれもちょっとずつ音楽周り楽しみたいです。