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お題でプレイリストその9「光の音楽」

気温が上がりません。
基本的にメルボルンで暮らしてて「衣替え」というと何ヶ月かかけて段階的にするのが習慣になるのですがまだ少しも始められていないくらいには春が遅いです。
でも不思議というか不思議でないというか、それでも日は長くなりますし太陽の光もだんだん強くなってきて、まだサングラスを欲するには至らないものの確実にメルボルンのベストな季節に向かっていることが少しだけ実感されます。

という前置きで今回は「光の音楽」。
レクイエムで出てくる「Lux Aeterna」(永遠の光)の楽章だけ色々並べてみるのも面白いんですが特定の自然・人工の光を含め実在する光、象徴としての光が音楽でどう描かれるかに広げて集めてみました。
その結果結構好きな曲も除外することになって多分これまでで一番もったいないことをしたプレイリストかもしれません。(ラターのレクイエムのLux Aeternaとかマーラー2番のUrlichtとか特に惜しかった)

Lux Aeternaみたいな象徴的な光の曲で一番好きなのはジョージ・クラムの「Lux Aeterna」です。東洋と西洋がちょっとずつ混じり合ったような不思議な雰囲気の音楽で、余談になりますがこれを是非モダンバレエ的な踊りの作品としてみてみたい(踊りでの光の表現も面白そうだな)。

自然に存在する光源のメジャーどころである太陽・月・星も何曲ずつか入れました。もしかして現代になって光源が題材の音楽って増えてるんですかね?印象派あたりの時代は特に月に関する作品が多いような気がしますが。

Nigel Westlakeの「Missa Solis」は以前紹介した「Mosstrooper Peak」と同様に彼の息子の追悼を題材として作曲された音楽なのですが、レクイエムのSpiritual(必ずしも「宗教的」ではない)な側面だけでなく先に作られたIMAXの映像作品「Solarmax」の音楽とのつながりにより科学的・天文学的な「光」の側面もあって今回のテーマを考える上でもとても興味深い作品です。全曲&Solarmaxの方も合わせて是非。

それから天体でない自然光として虫由来の光を描いた曲を2つ入れてみました。「Wild Swans」のGlow Wormはヒカリキノコバエとかツチボタルとか言われる青く光る粘液を出す虫。こちらだと洞窟で見れる場所があって観光名所にもなっています(私が行ったのはタスマニア)。
クラムのアメリカ歌曲集にでてくるオジブワ族の歌「Firefly Song」は歌詞の内容を聞くとホタルではなく火の周りを(炎を反射して光りながら)飛び回る蛾を描いているようですがどうなんでしょう。

人工の光は以前も紹介した「City Lights A Mile Up」だけだったのですがノスタルジーを覚えるような人工光の題材を中心にもっと色々ありそう。
あと動植物だと発光する種類の生物はなかなか音楽の題材になりにくいかもしれませんが、特に昨今環境に注目した作品が多くなる中で例えばキノコや藻などを題材に選ぶ作曲家が増える可能性は十分あると思いますし、魅力的に描いてくれる作曲家がいるんじゃないかなと思います。何より個人的にそういう生物が好きだし増えたら弾きたい。