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TWSBI万年筆を付属のツールで分解してみた

※メンテナンス手順を紹介する記事ではありません。手順はTWSBI万年筆付属の説明書や本文内にリンクされているようなブログ記事などを参考にしてください。また、分解してメンテナンスできるのはこの記事にあるようなメンテナンスキットが元々付属している万年筆だけです。メーカーの公式サイトなどで必ず確認してください。

季節の変わり目は体調が不安定になりやすい、とは言いますが人間だけでなく万年筆もちょっと「おや?」となることがあるこの時期。
メルボルンでは気圧が変化したり気温が上下したり湿度があったりなかったり普段に増して天候がめまぐるしく変わる中、手持ちのTWSBIの万年筆2本にどうも結露が生じたりピストンにインクが滲んでいるように見えたり(スケルトンなので見えやすいというのもありますが)・・・

ということで月初めの万年筆洗浄&インク入れ替えのタイミングでちょっと分解してメンテナンスに挑戦してみました。
TWSBIは台湾製の万年筆ですが数年前からこちらでも比較的お手頃な値段で手に入り、なめらかな書き味とたっぷり容量と定期的に出る様々な限定色で広く人気です。私の手持ちはEcoのクリア(極細)と580ALミニの青(1.1mmスタブ)で、若干容量を持てあましている感はありますがどちらも使い勝手が良く愛用しています。

TWSBIの万年筆にはメンテナンスキットとしてレンチ・シリコングリースが説明書とともに付属しています。こちらが今回使ったEcoのレンチとその使い方が書いてあるイラスト。

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※580ALミニには金属製のレンチが付属していますが今回どこにやったかわからなくて580ALミニの方の分解にもこちらを使いました(後でみつかったので次回から金属レンチ使います)。同じように使えることは使えますがちゃんと正しいモデルの付属品を使った方が良さそうです。そして写真のイラストにあるように金属のレンチはEcoには使えません。

大まかな手順は説明書に分かりやすいイラストがありますがディテールが大事になってくる場面もあるため詳しい操作はこういったサイト(英語)を見ると間違いないです。分解だけでなく元に戻す作業もきっちり詳細まで読んで一つ一つのを強くお勧めします。
あと分解して水洗いした後は各パーツが乾いたのを確認してから組み立てましょう。

レンチを使ってピストンをバラした万年筆2本を元のEcoの箱と一緒に撮ってみました。

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そしてニブとフィードを手で引き抜いた状態がこちら。(580ALミニも同じくしましたが写真が横に2枚並べられないので代表としてEcoの写真)

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ニブとフィードは横を指で掴んで引っ張ると抜けますがEcoより580ALミニの方が引き抜きにくかったです。今回はこちら側でメンテナンスが必要な事はなかったので後でそのまま戻しました。

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ついでにEcoのキャップの内蓋も外して溜まってたインクも洗い流しました。内蓋を外すのに使ったのは昔から家にある安いぼろっちい消しゴム付き鉛筆のお尻なので他に合うものがあるかどうかわかりません。580ALミニのキャップもちょっと汚れてるのですが今の所バラす術がないのでそのまま。

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580ALミニの後ろ側のパーツ。ピストンについてたグリースは製造時のまま残ってましたが上の写真でわかるように色んなところが結露していました。
Ecoの方はピストンに付属のシリコングリースを少量塗ってから組み立て直しました。少なくとも数ヶ月先の話になりそうですが次回メンテナンスするときは2本ともグリースをきれいにして塗り直したいです。

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ピストンもしっかり組み立て直して(ねじを締める時もレンチを使って丁寧に)、動きも確認。
ニブとフィードを戻すときは奥までしっかり差し込むことが大切です(この写真ではまだ奥まで入ってなかったかも)。ニブが緩んでいるとぐらつきますしインクのフローにも影響があります。

今回Ecoを組み立てるとき尻尾側の色んな方向に回す複数のねじを締め直している過程で一つねじが締まり過ぎて動かなくなるというアクシデントがありました。ちゃんと先ほどのリンク先みたいな詳細なガイドに従って1ステップずつ締めたりゆるめたりしていかないと危ないですね。ニブを引き抜く時に水やインクで濡らして滑りやすくするという話があったので一旦本体に水入れて濡らしてから滑り止めで掴んで緩めてなんとか解決。割れたりとかしなくて本当によかった。

ピストン式の万年筆は洗浄すると中がちゃんときれいになってるか、水滴は残ってないか気になったり、今回あったようにピストンの後ろ側に結露が起こったりもするので分解して洗ったり拭いたりできるのは一つ安心な要素ですね。TWSBIの万年筆の使い良さまた一つ。
今回組み立て直しで一苦労ありましたけどちゃんと一つ一つ手順を追ってゆっくりやれば本来難しくない作業なので、必要なときには分解してのメンテナンスをおすすめします。