メルボルン交響楽団の公開リハーサルを見に行ってみた

メルボルンもすっかり秋で・・・と暦の上では言いますがまだまだ暑い日がちらほらあって油断のならない時期。
ただ各種音楽団体は本格的に活動を始める時期には変わりありません。
メルボルンを代表するオーケストラ、メルボルン交響楽団も2024年シーズンが始まりました。

最近はフルスケールのコンサートだけでなく映画音楽のコンサートや子供向けイベント、学校向けコンサートや演奏に曲の解説を合わせたイベント、ポピュラーや先住民のアーティストとのコラボレーションなど本当にメル響のカバーする範囲は広がりましたね。（あともちろんSecret Symphonyも随時）
なので例え時間やお財布的にコンサートに行くのが難しい時でもまた違う形でオーケストラと音楽を楽しめるよう様々な形式を賢く使いたい、と前々から思って・・・はいたのですが行動に移すのにちょっと時間がかかり、今回やっと！メル響の公開リハーサルに行ってみました。

公開リハーサル自体はメル響に限らずいろんなところがやってて、特にオペラのに行ってみたいなーと思ってました（メルボルンはたまーに指輪サイクルとかやるのでそういうのだと特にお得かつ楽しみやすそう）。
オーケストラだと聞きたい曲はもちろん本番が一番聞きたいので悩みどころだったり。ただ今回時間的な都合もあったのと自分が散々弾いたり聞いたりしてよく知ってる曲で公開リハーサルの方が面白いかなーと思ったプログラムがちょうどあったので公開リハーサルのチケットをぽちっと。

ちなみに先ほどお財布的なと言いましたが公開リハーサルはかなりお手頃なお値段（手数料が足される前で20ドル以下）。時間も6時半開演で1時間以下なので終わってからご飯にいけるくらいの時間的余裕もあります。
ただ1時間でコンサートに組まれているどの曲がどれくらい聞けるかはまったく未知の世界。ただそれもまた面白い部分でもあります。

私が行ったのはこのコンサートのリハーサルでした。世界初演はバラさないだろうな、協奏曲はソリストのスケジュールに合わせるだろうなと推測していたので惑星が聞けると思ってたのですがところがどっこいソリストが来てエルガーのチェロ協奏曲でした。スケジュール合うもんだなあ。（どっちも先ほど書いた散々弾いたり聞いたりした曲なので結果オーライ）

公開リハーサルは普段のリハーサル場所ではなく本番で使うHamer Hallでの開催。本格的なコンサートの場合と内容にどれくらい差があるかわかりませんがフロントのバーは一部営業していたようでした。聴衆が座れるのはサークル席のみでしたが結構お客さん入ってましたね。サークル席はどこに座っても結構よく見えるのでありがたい。

そして公開とはいえリハーサルなのでオケの団員のみなさんも比較的カジュアルな装い。楽なスニーカーとかサンダルとか履いてたり、本番とあまり変わらない黒だったり。
基本的にはアマチュアのオケで見てるのとそんなに変わらないリハーサル前光景でしたが、舞台に楽器ケースや自分の手荷物を持ち込んでる人は少なかったかな。多分防災的なことも含めある程度の制限はあるんじゃないかと思いますが。

この公開リハーサルの数日前にマーラー3番のコンサートがあってからの、という状況でエルガーを合わせるのはこれで1，2回目くらいだったはず。ソリストは正にこの時が初合わせだったそうです。曲を知っていても何度も弾いていてもソリスト個人に合わせるのは直ぐにはパーフェクトにできないしソリストがやってることが聞こえても急にはなかなか適応できない、みたいなところが聞き取れました。ただ公開していた短い時間でもそれが噛み合っていくのがプロ。

リハーサル中は指揮者にマイクが付けられていてオケが演奏している間はマイクOFFになるというシステム。今回指揮していたのはメル響の首席指揮者であるJaime Martin氏でしたがコミカルなトークもまた楽しかったです。もちろんトークイベントではなくリハーサルの一貫としてオケやソリストに対して話す内容でしたが同時に聴衆も笑わせてくれる余裕まである、普段の業務範囲をちょっと超えてきてるのすごい。

一応「1時間以下」と銘打ってる公開リハーサルでしたがリハーサルの進捗の関係でエルガーの第1、2、3楽章の終わりまでの45分ほどで公開時間は終わりになりました。コンサートの予告としてはなかなかパーフェクトな打ち切りどころ。もっと聞きたい、でも十分楽しめるくらいの時間でした。

プログラムはコンサート本番から持ってきているとはいえ本番と公開リハーサルはまったく別物の体験。本来2つセットで楽しむのが一番かと思いますがコンサートの心の準備に、とかちょっと短い時間で、とかライトで気楽に、とか公開リハーサル単体で楽しむ理由は色々ありそう。
1時間のためにシティに出るのもなんなので今回私は外食とセット（シティの北の日本食屋さんに行きました）という形にしましたが次の日休むとかだったらゆっくり飲んでも良いかも？今回は火曜日だったのでなかなかそこまではできませんでしたが・・・

このnoteでは是非メルボルン観光の一部としてコンサートなど音楽イベントに行くことを推奨していますが是非メル響のフルのコンサート以外のイベントもチェックしてみてください。色々な価格帯・時間帯・ジャンルで面白いものがあるかも。
（もちろん他の団体や場所のコンサートやイベントやバックステージ見学なんかもまたの機会におすすめしたいです）