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カジュアル万年筆ユーザーでもピストン式が使いたい

・・・とタイトルの通りなのですが。
仕事やなんかで手書きすることが多いわけでもなく、なんとか用途を工夫してちょこちょこ増やしてはいるものの万年筆は完全に趣味として使っているため、コンバーターやカートリッジでもすぐインクがなくなるみたいな経験はほとんどなく。

でもやっぱり容量がはるかに大きいピストン式の万年筆も使いたいし持っておきたいんですよね-。
ピストン式でしか(ほぼ)出てないメーカー・スタイルの万年筆も色々ありますし、他の万年筆のインク替えてるタイミングで洗ってない&使える万年筆があるといいですし、いざというとき(注:具体的には不明)インクが残ってると困らないなあというのもあったり、何よりピストン式の万年筆は特に限定品で良い軸が出てくる。

ということで今私の手元にはTWSBIが2本、ペリカンが2本とピストン式万年筆が合計で4本あります。中には毎回満タンにせずに使っているのもありますが、だいたい数ヶ月でインク替えくらいのペース。メルボルンの気候もあってある程度蒸発で減ってるのもあるかな。
季節に合わせて違う色に、とかもしにくいのでほとんどの場合インクとの組み合わせは固定です。例えばペリカンM205のアクアマリン(極細)はセットのインクではなくロバートオスターのアクアマリンと長らく連れ添っています。

鉄ペンの記事でも書きましたが限定軸で気になった色があったら是非、のシリーズです

特にピストン式の透明軸を使う際のちょっとしたジレンマといえば「軸が透けて中のインクがしっかり見えるのにそれが綺麗に見える薄い色のインクは使用頻度が少なく減りが遅いのでピストン式ではあんまり使わない」ということ。たとえばセーラーの金木犀インクとかTWSBIのEcoのあのぶっとい透明の軸いっぱいに入れてみたいなという気持ちはあれどなかなか実用的ではなかったり。
もちろん薄いインクばかりが透けてきれいなインクではなく、濃くても鮮やかなインクだとしっかり色が見える場合もありますが、ピストン式は実用性とビジュアルを天秤にかけて悩むケースがちょっと多くなる印象です。

それでもなんだかんだでピストン式何本か持ってなんだかんだでインク入れて概ね満足する運用で使っている中、購入してよかったな、と特に思っているのがペリカンのスーベレーンとTWSBIのEco。
スーベレーンはもう軸全体が美しいですし書き味がちょっと特別。一本と言わずもう一本くらいは欲しくなる(欲しい)。そのうち独立した記事で書きたいですが色と型式で合うものを見つけてちょっと特別なインクを入れて大事な一本にしたいやつ。

white-transparentは最近出たシルバー的なストライプより透けが良い

それとは対照的にTWSBIのEco(これも別記事にしたい)はばりばり普段使いタイプ。角張ったデザインやベーシックな感じの赤の天冠がちょっとビジュアル的に気になりますが機能性でいえば書き味はなめらか、インクはたくさん入る、スタブ字幅あり、メンテナンスも自分で出来るなどオールラウンドで使いやすい万年筆。ちなみに赤い天冠は限定品の色とりどりのキャップのやつでも逃れられません。残念。
TWSBIは同じスタイルで色んな色のバリエーションを展開してますが最近の「暗闇で光る」キャップのEcoはなかなかおちゃめ。暗いところで使う予定ないですがちょっと欲しくなる。

長くインクを替えないでいるとキャップ内部にこうやってインクが付着しますがこれも綺麗に掃除できます

毎回万年筆の記事を書くときに落ち着く結論なのですが、なんでも万年筆はユーザーの使い方の工夫、あと適切なメンテナンスで色々なんとかなるなと。普段からあんまりたくさん書く人でなくても、どうしてもピストンの万年筆で欲しいものがあるなら何らかの形で使い道は出てくるし満足する運用もいずれ見えてくる・・・かも。
万年筆との素敵な出会いが楽しく息長く使うにつながるための工夫はきっとピストン式の軸に関して効いてくるはずなので是非あきらめずに。


ちなみに文中で言及できなかったもう一本のTWSBIはダイヤモンドシリーズのミニ(時幅はスタブ)でした