花壇デザインは“引き算の苦しみ!?” 講座の最後は夢を叶えた仲間の姿に刺激をもらう【府中CG宮町】
「やっと涼しくなりましたね〜!」
時候の挨拶というより、心の底からの言葉といった感じで宮町中央公園に集まってきたこの日。いよいよ講座の残りは3回となったコミュニティガーデン講座のレポートです。
切り戻して2週間後のすてきなガーデンツアー
前回の講座が約2週間前ということもあり、切り戻した草花たちはちょうど見頃を迎えていました。思わず三浦先生も「今日はやることがないね」というくらい、美しい花壇。いつもより長めのガーデンツアーから始まりました。
赤い穂が風に揺れるメリニス ‘サバンナ’。涼しくなって俄然元気になったトレニア。まだまだ秋には譲らないと頑張るヒマワリ・サンビリーバブル。それぞれが秋の陽気で競い合うように、輝いています。
三浦先生が着目したのは、ルドベキア ‘ヘンリーアイラーズ’。
「宮町では2週間前にも切り戻しましたし、夏の間も手入れをしていたので、この高さでお花が咲いてとてもきれいです。公園によっては切り戻しのタイミングが合わずに、秋のこの時期、高くなった株をひもで縛って支えているところもあります」
猛暑の中、みんなで汗をかきかき、作業をがんばったかいがありました。
一とおりガーデンツアーをしたところで、きれいに整える程度の作業を行い、今日の花壇作業は終了。摘んだお花はバケツに入れて、みんなでプラッツへ移動です。
「ふわりん花壇」のテーマカラーは“ピンク色”に
この日のプラッツは、産業イベントで会議室がすべて埋まっていたため、調理室での開催。まずは三浦先生からの「テーマとテーマカラー」のレクチャーです。
テーマは宮町中央公園の冬春花壇の方向を決める大事なもの。前回の講座で「ふわりん花壇」と決まっています。「りん」には、林、隣、凜、鈴、淋、倫、輪といったイメージも込められていて、音感からはなんともいえない柔らかな雰囲気が伝わってきます。
この「ふわりん花壇」を表すカラーは何でしょう? 三浦先生からの問いかけに、みんなからどんどん声が上がります。
白、ピンク、赤、ピンクにあう紫、ブルー
一とおり出そろったところで、改めてみんなで考え、最終的にテーマカラーはピンク色に決まりました。
ちなみに、今日は公園緑地課の須田さんのお嬢さんもスタッフとして参加していて、ホワイトボードに華を添えてくれました。
草花に詳しくなればなるほど、“引き算”が難しくなっていく
さて、テーマカラーが決まったので、いよいよ花壇デザインです。
花壇をデザインする上では、草花の色だけでなく、高さや大きさ、成長による植物の変化なども考える必要があります。また、好きな草花をあれこれ詰め込んでしまうと、予算もあっという間にオーバーしますし、何よりまとまりが感じられなくなってしまいます。今回の花壇デザインは一年草エリアですが、みんなの好きな冬春に咲く一年草を列挙したら、スペースが足りません。そこで、配られたシートには、植物の優先順位を決めるために、「メイン」「サブメイン」と書いてあります。さらに先生からは、「全部で3〜4種類でまとめてください」との非情(笑)なアドバイスが出ました。
ところが、これがまぁ、なかなか決まらない。
「これは植えたいし、これも外せない。う〜ん……」と、どの班も、“草花の引き算”に大苦戦。やっとのことで植物決めができても、今度は色や配置に悩んで、時間がどんどん過ぎていきます。
「皆さん、そろそろ終わりですよー」
と声かけがあったときに、まだ草花を模した紙を切っていた班もあったほど(笑)。
なんやかんやありつつも、最後は何とか時間内に収め、各班、自分たちの花壇デザインのポイントや考えなどを発表しました。
夢プランを叶えた受講生の姿がまぶしい! それぞれの夢に向かって
この日の講座は最後に1つ大事な発表がありました。
宮町の講座は今年が2年目になるのですが、3月に行われた1年目の講座の最終回で、受講生の皆さんにそれぞれ自分の「夢プラン」を発表してもらいました。この時の“夢”を、受講生の一人、井口さんが見事に叶えたのです。
以前より、自宅のそばの小道がきれいな草花で飾られていることをあたたかな気持ちで見ていた井口さん。“ハッピーフラワーロード”と名づけて、いつかここを管理している人と一緒に草花を植えて、さらに素敵な場所にしていきたいと、夢を語っていました。
それからわずか半年。井口さんはもともとハッピーフラワーロードの植栽をしていたご近所さんに声をかけ、一緒に作業を始めただけでなく、府中市の用意しているインフラ管理ボランティア制度の「府中まちなかきらら」にも登録。花苗の提供や清掃用品の貸与などを受け、もっと素敵な場所にしていこうと頑張っています。
夢をかなえ、さらに前へ進もうとしている存在に、受講生の皆さんも、先生方も、そしてなにより運営スタッフ一同も、大きな刺激をいただきました。
府中がどんどん、花とみどりのまちになっていく。とてもすてきで幸せな瞬間でした。
文責:小林 渡
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