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レモンを収穫して販売している

レモンを栽培して販売している。と言いたいところだけど

レモンを収穫して販売している。

周防大島に暮らしはじめた最初の夏に知り合った柑橘農家の石原さんご夫妻。化学肥料や化学農薬の使用を控えた柑橘の栽培をしている。温州みかん、ポンカン、デコポン、晩白柚、オロブロンコなどの文旦系、キンカンなど、柑橘マニアか?というくらい種類が豊富。その中にレモンもあった。レモンに関しては農薬を使用せずに栽培している。

自分が果樹を育てるというイメージはなかったのだけど、当時、島外に住む友人からレモンを買いたいという問い合わせが多くレモン需要を感じたことと無農薬でできるならと興味が沸いた。

そこで石原さんを訪ねてレモンの栽培に関する相談をした。「周防大島にはどんな品種が適しているのか?」「棚田を再利用するなら石積みの谷側、山側どっちに植えるべきか?」など。品種に関してはコレ!というものは特に無くて、種苗メーカーのカタログを渡され「好きなの選びんさい」みたいな感じだったと思う。しばらくカタログとにらめっこした。そして何度目かの訪問の際に石原さんはこんな風に言った。

「あんた、レモンつくらんでええよ。」

え~~~ってな感じだけど

「うちにいっぱいあるんじゃけ、このレモンを売りんさい。」

たしかにいっぱい。レモンの木だけで30本はある。自分で栽培したものを自分の手で販売するところにこだわりたかったような、こだわりがあったような気もするのだけど、そのこだわりがほどけた。で、石原さんのレモンを販売するようになった。最初の内は石原さんが収穫してくれて島の外に出るついでに届けてもらっていたのだけど、それもなんだか申し訳無いような気もしてきて、収穫にも行くようになった。車で片道40分くらいかな、そこそこ遠いんだけど、多い時は週一くらい足を運んでる。行けばたいがい「お昼食べたら?」とか「お茶飲みんさい」とか、ごちそうになりながら、小一時間しゃべって帰る。島の昔話とか、新しい移住者の話とか、島の未来とか、農業でどう稼ぐかとか、健康の話題とか。話しはじめるとキリがないのだけど、農閑期ならではのゆったりとした時間。たのしいひとととき。まるで息子。

今年は去年までに比べてまだまだたくさんのレモンが木についているような気がするので、もうちょっとがんばってみようと思いはじめているところです。

「3月に収穫したレモンが一番おいしいと思う」と農家の友だちも言っていたし。なにより【国産】というのが貴重だし、しかも【無農薬栽培】。【安心・安全】を証明するものは何も無いけど、そこは、わたしとあなたの信頼関係で。





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