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理想のキッチン探し㊼西荻窪

 先週、芦花公園に行ってダメだったとき、実は余裕の気分もあった。というのは、去年の11月ぐらいから、今年1月31日退去予定の部屋に内見を申し込んでいたからだ。私たちが「一度見てから」と思っている間に仮申し込みをした人が出てしまってはいたけど、2月1日に内見していい、という話だった。不動産会社は大手でせかすことなく、割と親切な人だった。
 場所は西荻から10分、荻窪から17分という好立地の高級住宅街内の1983年に建った3階建てマンションの2階。80㎡の2LDKで納戸があり、キッチンには窓もついていて緑が見える。バルコニーが東西で小さめなことと、洗濯機が壁を挟んではいるがキッチン奥にあるので、洗濯動線があまりよくないのだけが気になっていた。壁が多いので本棚は十分に置けそうです。

 ところが1月になって前の住人さんが出た後、調べたら天井から雨漏りがしているとのこと。上のフロアじゃないの? そもそも大型修理が近いうちに行われる予定だった分譲マンションで、ともかく何カ月先に入居できるかわからないと言われました。で、最初に仮予約をした人は当然キャンセル。私たちが1番手になったんですが、やっぱり見ないとわからないから、クリーニング前を承知で内見を頼んだらすんなりOKが出て、土曜日に行ってきました。
 周りは素敵な閑静な住宅街で、期待は高まる。高級マンションのたたずまいもステキ。天井、というのは、一部3階がない部分があって、その部屋は和室以外は上が無いからか天井が2630ミリもありました。洋室とLDは十分。和室の奥の納戸は2ウェイ動線で本棚も少しぐらいなら置けそう。和室に面したバルコニーはしかし、単なるエアコン室外機置場で使えません。LD側のバルコニーは幅が2メートルちょっとしかなく、しかもエアコン室外機が割と前に張り出していて、バルコニーのサッシは、風よけがなく、斜め前が道路、目の前は少し空いてほかのマンション。南風も北風も通っちゃう位置です。狭い上に、風が強い日は下に飛びそうです。しかも、真下は階下の部屋の前庭になっています。落としたらいちいちその部屋の人に「すみません」と言って取ってもらわないといけない。
 ところが、不動産屋さんによると、下の階の人はこの部屋が賃貸になっているのが気に入らないらしく、小さい子どもが走り回るとか、うるさいと感じるたびに不動産屋さんに文句を言っているそう。私たちが借りようとした部屋は、大家さんのご両親が住んでいた部屋で、大家さんは別のところで家庭を持っているそうです。そういううるさい人だったら、洗濯物を取りに行っても文句を言われそうです。それもあって、この家の床は絨毯です。
 で、キッチンはというと。鶴見の部屋を思い出す収納たっぷり、でも1人しか作業できない通路の狭さです。

 廊下からとダイニング側から入れる2ウェイ動線はいいけど、全体的に身長が145~150㎝の人を想定しているっぽい。調理台は広いけど高さが820ミリしかない。しかもなぜかシンクが奥行きは狭く深い。210ミリもあって、一般的なものより30ミリも深い。ということは、私もちょっと腰が痛いが夫は間違いなく腰が痛くなるタイプ。しかもせっかくのフラット換気扇も、私の眼の位置の高さ、袋戸棚も目の前にあって、せっかくの窓は胸の下ぐらいで窓を開けたら寒いような位置にあってのぞけない。
 洗濯機置き場は、蛇腹の扉があるけど、直してもすぐに開けたてできなくなるらしく、結局開けっ放しで、油がつきそうです。その後ろの収納が図面にあったのですが、食器棚でした。とりあえず洗濯関係のものを置くつもりだったけど難しそう。
 というわけで、洗濯動線が悪く、布団は1枚ずつしか干せず、洗濯物は飛びそうなうえに、キッチンが低い。そしてホコリが溜まりやすい絨毯。これは家事が大変な部屋です。仕事部屋としては充実しているし、リビングにソファでも置いて座っている分には楽しいけど。だから、家事を完全に任せた昭和男なら住みやすそうな家です……。
 西荻は、オーナー夫妻を知っている今野書店もあるし、知り合いも何人か住んでいるし、個人商店も充実していて憧れの町ですが、これは無理です。家賃お安めでもうほとんど決めた気分になっていただけに、二人で落ち込んでしまいました。これでまた振り出しです。
 家のそばの空き地の建設予定の看板が出ました。7月1日から工事開始。それまでに納得できる部屋は、果たして本当に見つかるのでしょうか?

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