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リウマチ患者になった日

若い頃から病気はしなかったんです

いや正確には28歳の春に大病するんだけど
それはまた後のおはなし


35歳を超えたあたりからやれ腰が痛いだ肩が痛いだ靭帯損傷しただ両足折れただ←え
病気はしないけど、やたらめったら怪我をする
これが老いってことなんだろうと思ってた

そのせいかいつも体が痛い
どこかしらが必ず痛い

リウマチの始まりも今思い返せばそんな感じだった

去年の5月、ある日突然ほんとうになんの前触れもなく左足の指が腫れた
会社の上司に、痛風だ痛風だ酒の飲みすぎだとなんだか嬉しそうに言われてちょっとだけ腹が立ったことを思い出した

2.3日で治った
整形に行ったけど痛風じゃなかった

6月に手首が腫れた
ハンドルが握れなくなるほど痛かったけど、これも2.3日で治った

7月には首が回らなくなった
なにかがおかしい
病院に行ったけどただの炎症って言われた

8月には毎日慢性的に体のどこかしらが痛かった
検査もしたけどなんの異常もなかった
でも痛いんですと話す私に
「そんなに心配なら心療内科に行ったら?」
パソコンに向かったままこちらを振り向きもせず医者はそう言った

9月には病院に行かなかった
毎日毎日痛み止めを飲んで仕事した
緩やかに体が壊れていく音を聞きながら、なんでもないわけないだろうと憤り、同時に途方にくれていた

10月は別の病気での定期検診だった
その頃には布団から起き上がるのに涙をこぼすほど痛みが強かった
主治医は8月の件を聞いて、そんな話があるものかと近隣の大学病院にすぐに紹介状を書いてくれた
週明けに先生がいるからすぐに行きなさい
わたしの顔をしっかりと見て、辛かったね痛かったねと言ってくれた

40歳にもなろう大人が泣いてしまった

まだ生きていたい
12年前に思った、全く同じ感情だった



週明けの大学病院

しかるべき検査を経て
明らかすぎる検査結果を見た
ずっと感じていた違和感が、間違っていなかったと思い知らされた

そしてなんだかほっとした



そうして10月、40歳の誕生日を迎えてすぐに
わたしはリウマチ患者となったのだ


これが、ほんの3ヶ月前のおはなし















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