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変わらないモノ

再会してしまった。

21日に公開されたTHE FIRST TAKEに登場したこの動画。「いつも通り3人だから」「沢山歌った曲だから」とそれぞれ口にしたあとの歌い出し1秒で、わたしは号泣したのだった。

ほんの3年前ぐらいまで、彼らが大好きだった。いつも心配になるぐらい強くて真っ直ぐな彼自身を投影させたような歌声を届けてくれる、ボーカルの"川村壱馬"という唯一無二で圧倒的な存在が大好きだった。

デビュー前、ショッピングモールのフリーライブに行ったこと。制服のままリリイベに行ったこと。デビューしてからは彼らが出演する夏フェスにも行ったし、四国、九州、中国、関東、彼らのライブのたびにバイト代を溶かしてはいろんなところへ駆けつけた。応援した分だけ応えてくれる彼らと過ごした高3〜大学3回ぐらいの思い出はいつも彼らの隣にあると言っても過言ではない。

いつの間にかファンも自分が知らないぐらい増えて、ライブもなかなか当たらなくて簡単には会えなくなって。いつもより遠くからライブを見ていたとき(ありがたいことにランページのライブは毎度良席だった記憶しかない)、「あ、これはもうわたしが応援しなくてもいいかもしれない」とふと思っちゃったんだよね。今更ながらその思考は極めて意味不明で傲慢であるということはさておき。

もうランページのファンを卒業する、とその日ホテルに帰って心に決めて揺るがなかったわたしはなんとなくもう彼らを追うことがなくなったし、何をしているのかも次第にわからなくなっていた。とはいえ新曲が気になれば聴いたしSNSもフォローしたままだったけど。

彼らのことはもうほぼ知らないし、どうしてるかなぁと思った矢先、彼らがTHE FIRST TAKEに出ることをTwitterで知った。そして披露する曲が2020年に発売されたものなのになぜかわたしが個人的に2021年の秋頃どハマりしていた曲だとも知って、期待値がぐんと上がっていた。

どきどきしながら公開された動画を見てみると、見事歌い出し1秒で号泣したこの文章の書き出しに戻るのだが、その歌い出し1秒で彼らのことを追いかけていた数年前のことが一気に全部蘇った。

スリーボーカルならではのハーモニー。ツインボーカルでは奏でることができない三重に重なる音の響き、美しさ。色で例えるなら白と黒、声質も性格も正反対のほくちゃん、壱馬くんと、そしてその2人の真ん中にいつもグレーの陸さんがいて、バラバラにある3つの点が歌に乗ると線になるその瞬間が大好きだったんだ。

そのTHE FIRST TAKEに引き寄せられて数年振りにアルバムを買った。特典のDVDがドームライブのもので、この数年の間に彼らがさらに大きくなったことを思い知ることになる。「ランページがドームに立つときは一緒に入って一緒に泣こな!」なんてよく一緒に遠征していた友達と言っていた頃が懐かしい。ほんの3年で、あの頃話していたことが現実になっているなんて。

わたしとランページの間には3年もの時差があるから半分ぐらい知らない曲だったけれど、彼らがさらにすごくなったことなんかひと目見たらすぐ分かったし、昔セカンドのメンバーが加入して14人になった頃のEXILEを見ているような気持ちになった。内から湧き出るエネルギー、全身全霊を注ぐパフォーマンスを見ていると鳥肌が立つ、身震いがする。この感覚は、長年EXILEのファンをしていたから身体が覚えている。

そしてわたしが大好きだった彼は、歌に対する姿勢もファンに対する姿勢もなんにも変わらない。川村壱馬はいつまでもどこまでも川村壱馬のままで。ライブという生きたパフォーマンスを心から楽しんで、強くて真っ直ぐな生き様を歌にのせて、最後まで"気をつけて帰って"とお客さんを心配する、そんなわたしが大好きな彼だったのだ。

さあファンクラブはいつから入ろうか?ツアーの日程は?自分の仕事との兼ね合いは?

今、わたしの頭の中は3年前の頃となんら変わりない。再会したランページのライブに数年振りに行くことを今年の目標にすると決めた。このタイミングで再会できたのもなにかの縁かなとすら思う。

またライブで右拳を掲げてフラッグを振る日を夢見ている。


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