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自分と向き合う仕事か、自分を抑える仕事か

みなさんは、仕事をする上でどれだけ「自分」というものを意識していますか?

例えばモノやサービスを企画する立場の場合、自分が本当に欲しいと思えるかを突き詰めて作るのか、自分ではなくあくまでお客様が欲しいと答えてくれるものを作り上げるのか。

石原さとみ主演「アンサングシンデレラ」を見ていて、主人公の上司にあたる役柄(田中圭)のセリフが耳に残った。

「お前がどうしたいかじゃない、患者さんがどうしたいかだ」

この言葉を言われた主人公は大事なことに気づいたかのようにハッとする。

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多くの現場で「顧客視点」が最重要視されるのは当然で、この台詞はいたって正論。

否定しようもない。

でも、「自分はあなたにこうあってほしい」という強い自分の信念を持った主人公は結果的には患者さんの心に変化をもたらし、ハッピーエンドとなった。

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私は昨年まで11年間消費財メーカーで商品企画の仕事をしていた。担当商品は誰もが知っているブランドの商品で、老若男女幅広い方に愛用いただいてる。

だからこそ、私は「自分をおさえる型」の仕事を心がけてきた。もし自分が社員じゃなかったら、たぶんこの商品のロイヤルユーザーではないと思った。私はズボラで、家事偏差値底辺で、商品選びにも時間をかけたくないタイプだから、とりあえずその時店の目立つところに並んでいるお買い得な商品を買う生活だったと思う。親もそういうタイプだった。

そんな私が、こんな高性能で品質の良い商品を選ぶはずはなかった。だから、ターゲット層も、ペルソナ像も、自分とは違うもっとこの商品を好きになってくれる可能性が高い人を描いていた。

とことんその人の気持ちになって考えるよう努力をしていたけれど、その人に憑依するレベルまで理解することはできなくて、ここにはいない誰かのための商品を必死で作り上げていた気がする。

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そんなとき、新価値創造のために社内で行われた新規事業コンペの知らせを発見。

「自分自身が成し遂げたい事業であること」が条件とされ、「ご自身の思いを起点としたアイデアを募集します」という旨が書かれていた。

「自分の自分による自分のための事業」を堂々と考えて発表できるチャンスが来た、と思った。

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私はもともと、まずは自分が笑顔でいられることが最も大事。そうでないと家族や友人、仲間、生活する上で私に関わってくれている方々を笑顔にすることもできるはずがない、と強く持っている。

人のことは簡単に変えられないから、まずは自分が起点。だから厳密には、「自分のための事業」は、「自分のためだけの事業」という意味ではない。

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とはいえ、採択されたら大好きな部所からの異動することになるため、締め切りギリギリまで悩んだ。でも後悔はしたくないと応募することに決めた。

そして、自分が一番欲しいサービス、ずっと温めていたアイディアをついに発表した。社長はじめ幹部の方々の前でのプレゼンは、事前に100回以上練習したとはいえ不安でいっぱいだったし、プロ経営者からみて内容やQA対応にツッコミどころは多々あったことだろう。

でも、「なにより廣岡が一番このサービスを欲しがっている。そしてこの廣岡のような人は実はきっとたくさんいるのだろう」ということは間違いなく伝わった確信があった。

その結果、私のアイディアは会社の事業化テーマとして選定され本格的に開発をすすめることとなった。

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そしてこの1月に異動し、イントレプレナー(社内起業家)としての生活が始まった。事業開発開始。

自分の困っていること、憤りを感じること、幸せな気分になれること、小さいことから大きいことまで全部事業アイディアの1つとして逐一メンバーに共有する。理屈ではなく心が動いた瞬間を切り取りシェアする作業。

事業ビジョンを考える作業は、私が人生で実現したいビジョンを改めて考えること。

自分はどうなると幸せを感じ、どうなるとストレスを持つのか。どんなときにどんな助けがあると救われるのか。私生活でちょっとした嫌なことがあっても、それはビジネスチャンスとして変換される。

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なにかの番組で、広瀬すずちゃんはプライベートで嫌なことがあって泣いたりすると、鏡を見て「つらいときってこんな表情になるんだ」と自分の顔を研究すると言っていた。そうするといつのまにか泣いていたときのイヤな気持ちもどこかに行ってしまうんだとか。

(バラエティ番組で笑いながらそう話す彼女の女優根性には圧倒された・・)

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でも今まさにそんなかんじ。

新規事業開発でこれまでより考えなければいけないことは増えたけど、自分の心と向き合う時間も圧倒的に増えた。心の機微を、もう一人の自分が冷静に分析している状態。

仕事とプライベートが完全に溶け込んだ…!

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本当は、自分を抑えて顧客視点に徹するのが本物のプロかもしれない。

でも私が目指すのはマーケティングのプロや起業のプロや何かの分野の専門家ではない。そのスキルを買われてキャリアアップして。。ということもあまり興味はない。

私はただ、友人・知人・仲間、そのまた友達・知人・仲間•••という具合にどんどん幸せが波及して結果多くのひとの笑顔をつくることができたら、最高な人生だと思っている。それを実現するために知識を身につけ、スキルを磨くことは必要だ。でも、私がプロとかプロじゃないとかは関係ない。

自分を抑えることをやめたので、逆にこれからはもっと自分の思いやアイディアを色々な場でぶつけていこうと思う。

そんなことで、note始めてみました。


《追伸》
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