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官民連携プロジェクトを続ける大きな壁は官(行政)サイドの引継ぎ

官民連携コーディネーターって勝手に名乗って活動してますが、意外と失敗することもってお話です。

これまでもいろんなプロジェクトを行政の立場を越境しながら民間企業やNPO、市民団体などと一緒になって進めていきました。
その中でも最初は上手くいっているのに、だんだんダメになるプロジェクトがあります。

なぜかは簡単。
行政が悪い!
ちなみに私も悪い・・・

自分が担当してやっているうちは、プロジェクトに対してすごくいろんな妄想が沸いて楽しくて楽しくていろんな人を繫ぎまくって、チームつくって、モチベーション高めて高めてスタートします。
これが0から1を創る醍醐味ですね。いつもほんとに楽しい!

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ところが私、0から1は創れるんですが、1から10をやるのが苦手です。
でも役所には決められたステップを着実に踏んでいける1から10までを進められるエキスパートはたくさんいます。
なのでスタートした時に一緒に巻き込んでいた行政部門の担当者にバトンタッチします。

「あとは任せた!」

引き継いでもスタートダッシュが効いて結構うまくやり始めます。バトンタッチされた担当者もモチベーションも高いし、プロジェクトの意義も分かっています。

ところが大きな山場が来ます。それが4月の人事異動です・・・。
「人で仕事するんじゃねぇ!ポスト(組織)で仕事しろ!」って感じで容赦なく配置転換されます。

で、新しくプロジェクトに就任した担当者。
事情は分からない、モチベーションはわかない・・・

⇒引き継いだプロジェクトを淡々とこなす
⇒プロジェクトの熱の入れように、官と民で差が出来る
⇒摩擦が生じる
⇒民の方もモチベーションが下がる
⇒プロジェクトの義務的な残骸だけが残る

ってのがダメになる王道パターンですね。
民間企業の方に「担当が変わったら急ブレーキがかかった」って相談はたくさん寄せられます。

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これを解消しようとしたら何が大事か?
手っ取り早いのは、発起人、つまり0から1を担当する人が、もう一度関わることです。

でも0から1の担当者も異動する。
⇒異動しても部局の境界を越境して関わる。これが大事。
新しい職場や人事からは全然納得してもらえないけど、「そんなん知るか」って関わることが大事ですね。

でも再び全面的に関わる必要はないですね。
プロジェクトの意義とか仲間意識とかをしっかり伝えることが大事です。
そして、一番大事なのは「行政サイドの新しい担当者に当事者意識を植え付ける」ことです。

官民連携プロジェクトの肝は官も民も「両方が当事者」であることです。
なのにいつの間にか官が当事者意識を失って、民への委託みたいな関係になってしまう。
民が頑張っていることを官が注文付けて指示するみたいな。
これは官民連携ではなく、単なるお役所仕事です。

0から1を創った担当者が関わらなくても、引き継いだ後任が、プロジェクトの経緯を考え、自分なりに意義を理解して、自分なりにプロジェクトの当事者として関われるようにならないと、役所が掲げる協働なんて誇大広告になってしまう。

内部の人材育成も必要ですね。って偉そうに言ってるけど自分の育成も頑張ります。

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