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明日は我が身の「アスミー」③災害ボランティアの心得(我流の3つ)

昨日書いたnote「②八島家を救おうプロジェクト」の続きです。

今回は災害ボランティアとして現地に行くときの心得みたいなことを伝えます。

基本となるボランティアの心得(大事)

ボランティアのプロと言えば、災害が起こるとボランティアセンターを立ち上げて多くのボランティアの差配を行う社会福祉協議会(通称:社協)ですね。

社協のホームページにも「活動心得」なるものが書いてあります。

そこでは以下のことが書いています。

被災地支援のボランティア活動は、支援を求める被災地の方がたのニーズと、支援をしたいという方がたの熱い思いによって成り立っています。このお互いの思いがすれ違うことがないよう、ボランティア活動を希望される方は、特に次の点にご留意ください。
①正しい情報入手:被災地へのボランティアについては、事前に的確な情報入手をしてください。
②十分な準備:災害によって活動時に必要な服装が違いますので、十分な準備をお願いします。
③ボランティア活動保険:被災地入りする前に、最寄りの社会福祉協議会で加入してください。
④識別できる服装:ボランティア活動中であることが識別できるようにすることが大切です。
⑤支援物資は必要?:支援物資は、現地で必要とされている場合のみ送付してください。
⑥募金も大切な支援:被災地で活動するだけでなく、募金も大切な支援の一つとなります。

もちろんこれに全く文句はなく、ほんとに大事だと思います。特に大事だと思うことは①②③で情報を最大限とって現地の人に負担をかけずにボランティアを実行することだと思います。
現地に行ってから、「泊まることないですか?」「お風呂入れませんか?」とかやめてほしいですね。

我流ですが、秋田が大事だと思う心得

今回の「八島家を救おう」プロジェクトに際して、大事なことを3つ設定しました。すべての災害ボランティアに当てはまらないかも知れませんが、結構大事なことだと思います。

その壱:ボランティア受入側のストレスを軽減する

今回のプロジェクトは全国からいろんな公務員仲間が八島家に駆け付ける可能性がありました。そうなると気になるのがボランティアを受け入れる側の八島さんの奥様の負担です。

例えば1日目ボランティアチームが入ったら、当然奥様と「どこをどうするのか」について話をして調整をします。奥様は助けてもらうことに感謝しんがらも「申し訳ない」という気持ちがあって、はっきり「ここはこの家具に注意して泥をかき出してください」「畳をはがして廃棄してください」って言えないながらも、触って欲しくない場所や、何とかしてほしい事を伝えます。それはきっと心苦しい時間ですよね。

それがまた翌日も別のボランティアチームが来たら、遠慮しながらも同じことを話さなければいけない。次の日も、その次の日も・・・

そのストレスは相当なものです。なのでここを軽減しなければならないのです。なので今回のプロジェクトでは「カウンターパート職員の設定」を行いました。

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その役割を買ってくれたのが丸森町から車で1時間ほどの福島県南相馬市の花岡さん(現在アスミーの副代表)でした。彼が車で八島さんの奥様に会いに行き、ほかのボランティアメンバーのやるべきことを調整してくれました。奥様からすると花岡さんにお話しするだけでいいのでストレスはかなり軽減されたのではと思います。

その弐:家族の労働を極力減らす

ボランティアとして行く場合、当然仕事などもあり日程調整して行くので、短い時は1日、長くても3‐4日とかが多いのではないでしょうか。短い期間の作業なので思いっきり働けます。
でも、被災した家の人は、被災した日から、復旧が終わる日まで、ずーーっと復旧作業をし続けなければならないんです。

でも、自分が被災していて、ボランティアの方が助けに来てくれた時に、「助けに来てくれるから、休憩!」ってなかなかできないですよね。むしろ「助けに来てくれているのに当事者である私が頑張らないと」って思ったりしますよね。だから無理して頑張って作業をしてしまう。ボランティアに助けてもらっているのにどんどん疲れてしまうんです。

なので、家族の方には「ほんとに、ほんとーにお願いなんで休んでてください!必要な時はカウンタパート職員が伺うので」と言っています。それでも休めないもんです。八島家に最初のメンバーが行った時は、奥様は家の復旧作業と3歳の息子さんの見守りに疲れていたようで、最初のメンバーにいた島根県雲南市の光野さんが息子さんの相手をずっとしてくれていました。

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(第1弾のメンバー、左から仙台市白川さん、八島さんの奥様と息子さん、雲南市光野さん、塩尻市山田さん、南相馬市花岡さん ※全員アスミーの主要メンバー)

その参:継続的なサポート

ボランティア活動は一度行うと相当な満足度が得られてしまうため継続するのが難しいです。私も何度か災害ボランティアに行っていますが、1度目のテンションは高くてもなかなか2度目3度目って行きにくいものです。
特にボランティアセンターなどに寄って、知らない家に割り振られて、全く接点のない人の家の片づけを頑張るのって結構大変ですよね。
そして一度ボランティアに入ったという満足感・達成感も得られるので、ますます2度目から足が遠のくことがあります。
しかし、仲間という関係を構築すれば2度目3度目の活動につながっていくんです。仲間だったら、1度ボランティアに行ったとしても、きっとそのあとも困っているという情報がリアルに入ってくる。そしてそれを放置しておくのは忍びない、いや、むしろ仲間なんだからもう一度行こうぜという風になると思っています。

ということで、日ごろからオンラインでいいので顔見知りになり、その人と成りを知るコミュニケーションを取っておくことが仲間として継続的に助けに行けるモチベーションになると思っています。

さあ、次でいよいよアスミー立ち上げ話はラストかな(続く)

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