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つれづれ弓道 : 独特な世界

声を出すということ


社会人の弓道になく、学生の弓道にあるものがある。声出しだ。まぁ、なんというか、声援?声援なのかな??

味方が的に中ったら声を出す。
よく聞くのは「よしっ!」というかけ声だが、私の学校は「しゃ!」でした。これがよっしゃーの略なのか「射」と言っているのか未だに謎だ。

高校の頃、トレーニングと平行して行われたのがこの声出しの練習だ。
とにかくお腹から声を出すように指導される。ただ「シャ」と言うだけではだめで、とにかく大きく発声する。もはやシャなのか、セァなのかサーなのかわからない感じになっていた気もするけど、それで褒められるんだから間違ってはいないようだ。

これを試合などでやるわけだ。当然知らない人だらけのとこだ。はっきり言って最初はめちゃくちゃ恥ずかしい。
当たり前だ。いきなりどこからともなくシャだかセィアだかわからない声が聞こえてくるのだ。完全にイロモノだ。

ただ、注目されるのは最初の一瞬だけで、あとは何事もなかったように淡々と試合が進行する。いわゆる出落ち的な?

さて、このかけ声は社会人の大会では絶対にやらない。声が相手の邪魔になる行為で良いとされない。
まぁ、あまり誉められたものではないかもしれないけど、社会人弓道しかしらない人は是非一度味わってほしいとも思う。
それほど異様な、いや、独特な空気感なのである。なんというか、これは試合なんだなと実感できる世界観がそこに作り上げられるのだ。

なので誰か私が的中したときに声出しをしてほしい。やる気が出るかもしれない。恥ずかしいから知らない人のふりするけど。

おわり

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