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【乙庭植物図鑑】20230703 ストケシアのある風景

今日は定休日でしたが、秋植え球根の発注と特設サイトへの出品がとても忙しく、ほぼお仕事dayでした😅

1日頑張ったので出品もかなり進み、あとはまだ今季カタログが届いていない1社の発注と出品を残すのみとなりました。毎年のことながらなかなかタイヘンでしたが、かなり順調に進んでホッとしました。

私の会社が運営する「ACID NATURE 乙庭」の秋植え球根サイトはたぶん、日本でも有数の、厳選された優良品種をラインナップとして取り揃えたオンラインショップと思います。

ご興味ある方はぜひ覗いてみていただけたらうれしいです😊


そんなこんなで、仕事とピアノ練習でほぼ明け暮れてしまった定休日でしたが、今日は、蒸し暑い今時期でも元気に開花して、とても育てやすく、ふるくからよく知られている割には現代的な新感覚な見どころもあるなと思っている乙庭好みの植物 ストケシア ラエビス(Stokesia laevis)を紹介したいと思います。

ストケシア ラエビス ブルースター (Stokesia laevis 'Blue Star') 

ストケシアは、私のイメージでいうと昭和の頃の花卉販売業者の通販カタログで青花と白花のセット販売されていて、よく農家の畑の端などで育てられ自前の仏花に使われている花というようなプロフィールというかバックグランドストーリーが見えるような植物です。

平たくいうと「古臭く、そしてダサい」花のイメージ。ですが、このダサみの先入観を逆手にとって上手に植栽すると、現代の植栽風景にとてもマッチし、むしろ「ストケシアってこんなにカッコよく使えるの!?」と驚きを与えることができる素材なんですよね。

ストケシアは、北アメリカ南西部の南カリフォルニア、フロリダ、ルイジアナ辺りを原産とするキク科の宿根草で、6~10月にかけての長い期間、繰り返し開花してくれます(という意味でも盆花・仏花に最適な感じですね)。

たぶん、昭和の頃によく植えられ過ぎて日本では「ありふれた植物」という印象が定着してしまった不遇な経歴の植物かもしれませんね。

しかし、そういった先入観と取り払って見てみると、普通に野趣とキレイさを兼ね備えた花でもありますし、夏にも元気で草姿も乱れにくく、かつ、令和の現代においては園芸家が(ありふれた植物というイメージから)自慢げに植えることも少ない植物なので、逆に競合が少なく差別化が図れる素材ともいえるでしょう。

ストケシア ラエビス ホワイトスター (Stokesia laevis 'White Star')

最も普及している青紫花品種 ブルースターも良い素材ですし、白花品種のホワイトスターに至っては、世界的にブームと化している宿根草の「ナチュラリスティックプランティング」の植栽においても、日本の気候環境によく順応し、そしてむしろお洒落な雰囲気を演出してくれる素材といえますね。

上写真のホワイトスターは昨年2022年の7月上旬に中之条ガーデンズのスパイラルガーデンで撮影したものです。

スティパ テヌイッシマ (Stipa tenuissima)のベージュに乾いた穂との組み合わせが美しいですよね。

そして、私的に注目している見どころとしては、開花前のツボミの姿。
棘棘しい萼片に包まれたツボミの造形がとてもオーナメンタルで、意外とアガベやユッカなどとも似合うんじゃないかなと思っています。

宿根草植栽に取り入れるのは、まぁ想定内なセレクトですが、オーナメンタルなドライガーデンに使ったりしたら結構新感覚じゃないでしょうか。

上写真も同じく中之条ガーデンズのスパイラルガーデンにて。植物が暑さと蒸れで疲れやすい7月の時期にこれだけ花やグラス類が美しくコラボする吉谷桂子さんの植栽デザイン力、素晴らしいですよね。

お庭の世界観と一体化してめっちゃ素敵だった博光先生

実は上の写真を撮った日は、幸運にもこの植栽をデザインされた吉谷桂子さんと中之条ガーデンズの全体のマスタープランを設計された吉谷博光さんご夫妻とご一緒して、お二人から直接解説をお聞きしながら園内を散策することができました。

私の園芸家人生の中でも最も豊かで記憶に残る1日でした。


その日に取材で撮影された吉谷さんご夫妻と中之条ガーデンズの記事は婦人画報2023年6月号に掲載されています。


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