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原始人はT字カミソリの夢を見るか

■T字カミソリの快楽(かいらく)

私はヒゲを剃(そ)るようになって25年以上が経つ。
大体の男性は 高校を卒業したあたりから 自分の顔に生えてくるヒゲを剃ることにある。
電気シェーバーなどが世の中に存在するが 私は使ったことがない。
私の父はT字カミソリ派であったので 私も自然にT字カミソリ派になっている。
同級生などは 「T字カミソリって怖くない?」と言っていたが、そんな彼は シェーバー派であった。

クリスマスなどが近くなると 電車の中のつり革広告に かっこいい男性タレントと一緒に電気シェーバーの広告が現れたりする。
別に そのシェーバーを使ったところで 柳楽優弥や平山浩行のようにカッコよくなれるわけではない。
ただ、単に「ヒゲがそれるよ」という事実を伝えるCMであるのに、なぜか それら男性タレントのようにカッコよくなれると勘違いしてしまいがちだ。
まぁ そういうCMは男性向けというより 彼女から男性にプレゼントする(させる)ための効果を狙ったものなので、男性側の私が 揶揄する必要もないのだが。
T字カミソリ愛好家な私は もし電気シェーバーを手に入れることがあっても 正直困る。

さて、T字カミソリの快楽について話を戻そう。
T字カミソリは 100円均一で売っている。一袋5個とか入っており、プラスチックのものに剃刀の刃が仕込まれている。
スーパー銭湯や ホテルにあるアレだ。
使い方を間違えると カミソリなので皮膚が切れてあっという間に流血事件になる出るアレだ。
アレはきちんと使えば全然怖くない。

むしろ 男子たるものT字カミソリを怖がっていてどうする!と私は声を大にして 世の中の男性諸君に伝えたい。
そもそも男性は血を怖がり過ぎなのだ。ビデオゲームでは散々流血する選択を選ぶのに、鏡の中の自分の顔から わずかに血がにじむのも怖がるなぞ、笑止千万。

むしろ、「T字カミソリは怖い」という理由で 電気シェーバーしか使ったことがない諸兄にはぜひ一度T字カミソリデビューをしていただきたい。
T字カミソリでひげを剃ると快感を味わうことができる。

シェービングクリームなど必要ない
もちろん石鹸も必要ない
T字カミソリとお湯だけでヒゲはそれる

もう一度言う。T字カミソリとお湯だけでヒゲは、それまぁす!

電気シェーバーを使わないといけないとか、シェービングクリームを使わないといけないとか、アフターシェーブローションを使わないといけないとか、そんな事はないのだ。

全部 それらは広告会社の作ったCMだ。ただ、CMが間違っているわけではないし、それで資本主義がうまく回るのだから 別に抗議するつもりもない
ただ、「それしか方法がない」と思い込まされているのが 現代人の悲しい性なのだ。

自分で体験を試す前に CMで「常識」を刷り込まれてゆく。
常識など 社会に出て生活できるようになり ある程度の歳になったら疑ってかかったほうがよい。
社会でうまく生きるための常識と、社会で資本主義を回すために刷り込まれた常識(まがいのもの)は明らかに種類が違う。

社会で生きるための常識は、例えば「人前に出る場合は ヒゲをきれいに剃って 相手に不快感を与えないようにする」とかだ。
そして、資本主義を回すために刷り込まれた常識は「ヒゲきれいに剃るには電動シェーバーでなおかつ、5枚刃で 人間工学デザインに基づいて作られた カバソニック社のダイナミックシェーバー・エックス、販売価格2万9800円(税込み)」とかだ。

別に 電気シェーバーでなければヒゲがきれいに剃れない、という訳では無いのだよ。

もちろん、ヒゲの伸びが早い人は 「朝にヒゲを剃ったのに、夕方にはヒゲが少し伸びて青ジョリ状態になっている」という理由で「深剃り五枚刃 ダイナミックシェーバー・エックス」を使う人もいるだろう。
それはそれで別に否定する気はない。ちなみに、夕方に青ジョリ状態になっていてはいけないということはなく、ましてや それは「社会で生きるための常識」ではない。

むしろ 青ジョリ状態を忌避しているのは、「男性も肌エステでヒゲ脱毛して ヒゲなしツルツルでモテモテ!」という電車の中吊り広告のように 資本主義のために作られた常識に囚われていやしないだろうか?とも自問していただきたい。
モテモテを求めるのは結構だが、本当にそのCMのとおりにしたところでモテモテになるのか?

多分、ああいう どうしようもない広告は 若い人を洗脳するためのものなので、ロマンスグレーの私がどうこう言う話でもない。かという私も資本主義という土台の上で銭コを数え、食事をしている身なのである。
ただ、一言いうならば「広告に惑わされていると一生 貧乏暮らしだぞ」ということを伝えたい。

ここでいいたいのは 自分の人生の舵(かじ)を取るのは自分だ。中吊り広告に舵を取らせてはいけない。ということなのだ。

さて、T字カミソリの話に戻ろう。
T字カミソリは お湯で顔を洗って 鏡を見てT字カミソリで 剃ってみたらよろしい。
風呂場にある鏡で十分だ。
バリバリ(ばちばち)と音を立てて ヒゲが剃れる。これが初心者には驚きだろう。
初心者の頃の 自分の顔にカミソリを当てて ばちばちと音を立ててひげを剃るのは 初心者だけが味わえる快感だ。
なお、最初は痛いと感じるが、2回目以降は 次第に痛みはなくなり、以降 痛みなどなくなる
これが本当の意味での「面の皮が厚くなる」のだろう。
なお、肌が切れて流血する危険性はあるが使い方を間違えなければよいのだ。
カミソリは縦に滑らすものであり、横に滑らすものではない。
なお、ニキビなど肌荒れしていると その突起をスッパリ切ってしまい、流血するので、注意されたし。

なお、T字カミソリは 程よく使い捨てる事をおすすめする。
逆に高価なT字カミソリを使うと カミソリのカートリッジも高価になり、やもするとずっと同じ刃を使い続けようとする人もいるだろう。
しかし、それだけはNGだ。雑菌が繁殖する。

重要なポイントは 安いT字カミソリで 適度に使い捨てる(私は 数日に一回 替えている)。
同じT字カミソリを使い続けるのは 逆に肌荒れの原因となる。

どうか想像力を働かせて 考えて見てほしい。
一度使ったT字カミソリには 皮脂が少なからずとも付着する。
シェービングクリームを使った場合(これは おすすめはしないが)、さらにそれらの成分も(洗い落としたとしても)カミソリに残る。
使用したあとのT字カミソリを水で洗うものの、どこかしらに油分などは残るのは 致し方がない。

そして、T字カミソリが保管される場所は たいてい風呂場か洗面所であり、湿気が多い。
よって、それらは雑菌が繁殖しやすい環境である。
栄養があり、湿度もある環境では雑菌が繁殖しやすい。

そんな 雑菌が繁殖した 剃刀の刃で 顔の皮脂を再びゾリゾリすると 薄く削られた肌に雑菌が乗る。
そうなると そこで肌荒れ(ニキビのようなもの)ができる、というわけだ。
だから、ポイントは 安いT字カミソリで 適度に使い捨てることだ。
そうすれば シェービングクリームやアフターシェーブローションなぞ不要だ。

男性諸兄よ。落ち着いて深呼吸をし 原始時代だった太古の記憶を思い出し給え。
弓を背負った狩猟採集民だった我々は、シェービングクリームやアフターシェーブローションなど使わずに T字カミソリで髭をそっていたではないか!
そして、ウサギを狩りに草原に向かったではないか。

■結論

T字カミソリを使うなら 数日で替えるべきだ。
T字カミソリとお湯だけでヒゲを剃ると気持ちがいい。
資本主義に踊らされて 電気シェーバー&シェービングクリームしか選択肢がない人生から脱却できる。
人生には「どちらがいいか選ぶことができる」という自由が必要なのだ。

■備考

T字カミソリは 市区町村によっては「不燃ごみ」だったりするので、調べてから分類してゴミに出そう。

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