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金沢・壽司 なを㐂で「お好み」を楽しむ

2月上旬、大阪発サイコロきっぷで加賀温泉が出たので、サクッと金沢に遊びに行ってきました。

金沢は地方都市としては江戸前(加賀前)鮨の文化が非常に盛んな街で、全国屈指の鮨激戦区として知られています。
また、私がつい数年前まで居住していた思い出の街でもあります。

とはいえ、趣味として🍣を食べるようになった時期と住んでいたとき時期に若干のズレがあるので、もりもり寿しのランチにはお世話になっていましたが、それほど頻繁に鮨を食べていたわけではないんですよね。
それでも、乙女寿司一誠、(金沢からは離れますが)七尾の幸寿司 本店などお気に入りの店はいくつかあり、北陸方面へ遊びに行くときの楽しみのひとつになっています。

さて、今回は2020年にオープンした新店、壽司 なを㐂 に行ってきました。
各種レビューサイトやSNSが盛り上がっているわけではないものの、客足が途絶えることはなく既に人気店としての地位を盤石にしておられる印象があります。
以前より訪問したかったのですが、満席や臨時休業でタイミングが合わず今回3度めのチャレンジでようやく入店することができました。

立地・内装

場所は「ひがし茶屋街」のシンボルでもある浅野川大橋から徒歩数分ほど。
観光地至近でありながら重伝建保存地区とは反対側のエリアであり、静かな区画にあります。

店内はL字カウンターに8席で、清潔感のある内装。席からちょうど見える位置にネタケースが置かれており、整然と並べられた魚を眺めながら酒が進みます。

ドリンクメニュー

写真のメニューのほか、ウイスキーやソフトドリンクなど

お酒は地物が中心で、酒単独で特筆するようなラインナップではないものの、お店の雰囲気や価格帯を考えると非常にリーズナブルな印象を受けます。
中瓶\660, 立山本醸造1合\660など大変お手頃で、躊躇なく酒を飲めるのは非常に助かります。
ワインもカジュアルなラインナップが中心で、値付けも良心的でした。

お品書き

このお店の最大の特徴として、コースメニューはなくアラカルト(お好み)のみでの注文です。
おまかせ一本が主体となった現代鮨シーンでは珍しい構成で、非常に魅力的です。

作戦を練るのが非常に楽しい。胃と財布と時間に余裕があれば全制覇したい気持ちもあるのですが、残念ながら資源は有限なので、軍師として楽しむことにします。

食べたもの


お通しでいきなり能登産のクジラ。
初手でクジラのカードを切るのはおまかせコースでも経験したことがなく「強さ」を感じます。
赤みの旨味が強く、一方で不快な臭みはほとんどありません。

今回は時間が限られていたのでサクっと握りを食べていく想定でしたが、お通しのクオリティが高く、またつまみのラインナップが魅力的すぎるので数品いただくことにしました。

写真・さばぬた、繊細な調味、上品な脂
はたはたの煮付け、身はぷるぷるで骨まで柔らかい
鮨屋でアジフライを食べるのは初めて、タルタルも肴として非常に優秀


コースメニューと比較して、つまみの皿はポーションがけっこう大きいのでお腹にたまりますね。
複数人であればシェアすればよいのですが、ひとりで来るなら事前に準備をしておいたほうがよいかもしれません。

ここで握りに移行します。シャリは北陸らしい主張の少ないタイプ。
ネタの邪魔をせずなんにでも合うやつです。

やいとはた 本日No1、身に旨味がたっぷり
さより
こはだ 〆は優しい風味
あじ 握ってもうまい
ほっきがい
ポン酢醤油と大根おろしで脂がさっぱり切れる

8席とはいえ、調理はワンオペでめいめいが好き勝手に注文するので、席が埋まるとどうしても提供ペースが落ちます。

ふだんならゆっくり食べることができてむしろ加点ポイントなのですが、帰りの時間が迫っていることもありここでタイムアップ。
腹八分目で巻物と汁で締めます。

かんぴょう巻 甘い味付けで実質デザート
岩もずくの汁物

会計

酒3本(赤星、立山、黒帯)、上記注文で支払は\11,330。
純粋な食事代を計算すると純粋な食事代は\8,400+税だと思われます。

質の良さを考えると非常にリーズナブルだと感じます。たいへん満足しました。
後半ペースが落ちて若干の消化不良があったのは事実ですが、これは店のせいではなくて私の戦略ミスが原因ですね。要リベンジ。
念のため記載しておきますが、オペレーションに難があるとか調理が遅いとか、そういったネガティブな要素は一切ありませんので。

また次回の金沢訪問でも必ず再訪したいと思います。
次回はしっかり時間を作って、予算もたっぷり用意しておきたいですね。

総評

  • pros

    • 現代の鮨シーンで珍しい完全アラカルト構成。作戦を練るのが非常に楽しい。

    • 確かな技術と地物を主体とした魅力的な魚介のラインナップ。

  • cons

    • コストパフォーマンスに優れてはいるが料理は時価なので、腹いっぱい食べるつもりならそれなりの予算は必要だと思われる。

    • サクッと数貫食べて帰るには魅力が多すぎるし、当日の思いつきでは予約がとれないかも。

店舗情報

壽司 なを㐂
https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17012295/

予約は電話連絡のみ。
いわゆる予約困難店というほどではないものの、土日は比較的早い段階で席が埋まるとのこと。
旅程が決まり次第、すみやかに予約を入れたほうが良さそう。

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