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言語のない世界で生命を生み出す、ということ。

今日は、3月11日なんですね。当時、私は、新卒で入社した会社で、仙台に配属されて働いていて、そこで震災に合いました。
あれから、10年。当時一緒に働いてお世話になった方から連絡が来たりして、懐かしいなーと思うのと同時に、「10年の月日って、あっという間だなー」と。


震災の1年後に私は会社を辞めて、ワーホリでトロントに行って。そこから、東京で転職して貿易会社でバイヤーをして、また、メーカーに転職して、そして、独立して、よくわからんが、気づいたら、今は、絵を描いてる、というような日々です。

昨日、友達が、「人生は、9年周期になっていて・・」という話しをしていて、確かに、私の人生は、あの時から、徐々に変化していったんだよなーと。そう考えると、とにかく、がむしゃらに動きまくった9年だったな、と。
今でこそ、自分がどんな人間なのかとか、かなり客観的にわかるようになってきたけど、当時は、社会にハマれない自分や、組織に馴染めない自分を「出来損ない」に感じて、「とにかく、とにかく、普通になりたい!」と思っていて笑


独立してからも、結局、行き着くところは、「周りと全然、合わないわ」(正確には、合わなくなっていくわって感じ)ってところで、いつまで経っても、何かに収まれない自分に直面して。で、去年くらいに、ようやく、自分のそういう、「私って、結局、1人なんだよな」っていうのを大分ポジティブに捉えられるようになって。

それからというもの、「え、ていうか、やっぱ、1人ほど最高なものってないよね」ってくらい、今年になって、更に1人時間を満喫しており、黙々と、1日中絵を描き続けたりしてます。「人って、全然喋んなくても、生きていけるんだなー」とびっくりしてます笑


私は、何かに迷いそうになると、「縄文人はどうやって暮らしていたのか?」というのを指針にしていて、「彼らは、ぴーちくぱーちく、不特定多数の人と関わっていないだろう」とか、「そもそも、言語がなくても、生きていけるんだしなー」とか考えたりして、そう思うと、日々、『言語』を使って、色んな媒体で発信し、色んな人に会い、話しまくっていたのは、割と、私にとっては、「不自然」な動きだったんだろうなーと思ったりします。


この前、youtubeで養老孟司さんのお話しを聞いていた時に、「人っていうのは、言葉があるから、『同じ』という認識ができる」というようなことを話されていて、なるほどなーと思って。動物には、「言葉」がないから、例えば、犬が名前を呼ばれて近くに寄ってきたとしても、それは、「名前(という言葉)」を認識して来ているのではなく、「音」で来ているだけだ、みたいな話しをしていて。


私は、ずっと、「言語のない世界にいきたい」と思っていたのは、言語の世界は、なんとなく「同じ」であることを目指していたり、何かを共通認識させらているような感じがして、めちゃめちゃ不自由さを感じていたからなんだろうなーと。

そして、言葉と言うのは、『固定観念』を生み出し、その固定観念から解放されるためには、言語(概念)から脱却する必要があって、そうなると、やっぱ、言語のない世界が心地良くなってくる。


独立してから、私は、自分のことをとにかく言葉で伝えたり、文章で発信したりしてきて、逆に色んな人の言葉を聞いてきたりして、がっつり言語の世界にハマっていたのだけど、そうやって、人との関わりの中で固定観念(自我)と言うものを減らしてきて、自分の中に概念を持てなくなってきたことで、余計に、言語の世界での出来事に耐えられなくなっていったんだろうなーと。

なので、「絵」とか「写真」とか、言語のないもので、自分のことを表現するというところに辿り着いたのは、至極当然というか、自然のことだったのかもしれないなーと思ったりしてます。


何かを別の形で表現するということは、終わりも正解もなくて、「これが、ゴール!」と思うこともなければ、「これで、完璧!」と思うこともないけど、信じられるのは、なんとなく、自分の中にある、「理想的なもの(美学的なもの)」で、人は、自分のその輪郭を掴んだ時、そして、そこに辿り着くための手段に出会えた時、本当の人生がスタートするのかもしれないなーと思ったりしています。

そのための9年間だったのだとしたら、「ま、それは、それで楽しい9年だったなー」と思うのと同時に、色んな人に出会えたこと、言葉を交わせたこと、経験を共有できたことは、今、何かを作るにあたって、とてもとても大切な糧になっていて、そこで得たことを包括して、さらに、自分が作るものに「生命」を与えられるようになっていきたいなーと思っています。


自分という存在(命)を使って、何に対して生命を与えていくのか。それが人生であり、自分を生きるということなんだと最近思います。

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