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『6月9日』イラストメイキング

 愛するマイカーに乗り込みますと、ナビちゃんが今日は何の日か教えてくれるのですが、そこでふと、「あ、6月9日はロックの日だ」と思い立った。
 いや、バンギャとしてはムックの日でもあるのだが、ここは6月9日に向けてイラストでも描こうかと思った。


【6月5日】
 saiを起動し、ぼちぼちと描き始める。
 イメージとしては攻殻機動隊立ちみたいな……かっこいいやつ……と、ラフを描いた。最初は棒人間だったそれが、やがてマネキン……男性……人間……に姿を変えていき、最終的なラフが仕上がった。

 なんだか、妙な市松模様と赤い線があるがこれはデッサンをそれなりに取れるようにするためのガイドである。人間の肉体には比率がありうんぬん。
 まだまだ未熟なもんで、ガイドを図りながらじゃないとそれっぽく描けません。
 このラフの完成までだいたい一時間弱ぐらいだった。


 続いて、洋服の資料を見ながら下書きをする。「ああ、モッズコートの裾は、こう、キュッとなっているんねやな」と新発見をする。
 なかなか退屈な作業である。この下書きの完了までだいたい一時間ぐらいだった。
 もうテッペンも過ぎたので寝ることにした。


【6月6日】
  次はペン入れである。絵の雰囲気を決める重要な作業である。
 今回の絵は色をほとんど塗らないペン画にするつもりだった。つまりこのペン入れこそが本番。レッツ入魂。

 わたしの線は、ほっそい。基本的に、大きさ1~2ピクセルぐらいしか使わない。一時期太くて勢いのある線に憧れたこともあったが、わたしがやっても雑に見えるだけだった。


 靴のペン入れに差し掛かる。ヒモの描写にもうイヤになる。
 見てください、この、重なり合った線。あんまりにもテキトーすぎる下書き。神経絶対擦り切れるでしょ。真面目にやってたら明日寝坊するわ。


 と、いうことで手抜きすることにした。
 別レイヤーでヒモっぽいものをテキトーに描き……

 選択して……

 1ピクセル膨張させて、別レイヤーにコピペ。黒で塗りつぶし、もともとのレイヤーは白で塗りつぶす。ヒモの重なりを意識してちょちょいと描く。
 うん、アップで見ると雑だが、どうせ最後は小さくなるからいいわ。完了。

 一人目のペン入れが完了したが、かかった時間は一時間半。
 これでは単純計算で、あと四時間半かかってしまう。まずい。

 今日は寝ることにした。


【6月7日】
 ゴロゴロしていたら寝てしまい、起きたらテッペン越えようとしていた。変な時間に寝たせいで眠くもない。昨日……いやおととい……でも気分的には昨日……でも時刻としてはおととい……

 続きをやることにした。

 残り三人だが、寝たせいか早めにペン入れを進めることができた。三人で二時間ちょっとだった。
 いちばんは、後ろを向いているので顔を描かなくて良い、ということが時間短縮のミソだと思った。
 でも、瞳を描くの好きだからちょっとつまんない。


【6月8日】
 そういえば、絵を6月9日の0:00にあげたいのだった。
 と、すれば今日中に仕上げる必要があった。とはいえもう、ペン入れは終わった。あとはベタと加工。きっと終わる。

 ベタというのも奥が深い。ただただベッタリと黒く塗りつぶすだけなら、デジタルの範囲指定さまさまですぐ終わるけれど、こう……ツヤを出したい。ベタでひかりを表現したい。
 特にライダースジャケット。あのかっこいい黒はただの塗りつぶしでは表せまい。そして黒髪のつややかさ。
 黒、それは絵をしめる重要な作業。


 黒のほか、上から白で描きこんだりそこをまた黒で描いたりしてベタ塗りも完成した。ついでに、白で人物をマスクして背景と合成する準備もした。
 あと、ロウの頭頂部が気に入らないので直した。それと、モッズコートのファーがカッコ悪かったので靴のヒモと同じ要領で描き直した。

 ただベタを塗っていただけなのに、このレイヤーの増えよう。
 名前もつけないから何が何だか自分もわかっていない。



 更にカケアミなどで描きこんでいく。いちばん気合が入っているのはケツである。せっかくのバックスタイルだもの。普段は描けないケツラインに、気合を入れるのは自然の流れというものだ。「男のお尻の描き方」という本を今度購入しようと思っている。

 

これで絵自体は完成であるが、あとは加工をする。
 こう、オーバーレイを使ったり、ガウスぼかしでグロー効果を出したりする。

 舞台をフォトショップに移し、素晴らしいテクスチャ素材などを駆使して良い雰囲気になったら完成だ。


【6月9日】

 アップした。寝た。


翌朝、愛するマイカーに乗ると、ナビちゃんが今日の日付と、何の記念日か教えてくれた。
『6月9日。ロックの日です』


 




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