第171回直木賞予想

今日17日(水)に発表される第171回直木賞。 いつものとおり候補作全作読んで予想してみます。

◎:麻布競馬場「令和元年の人生ゲーム」(文藝春秋)
就活に奔走する若者たちの物語

○:青崎有吾「地雷グリコ」(KADOKAWA)
高校生たちが知略を尽くしたゲームで戦う

●:柚木麻子「あいにくあんたのためじゃない」(新潮社)
手詰まりな状況でも打開策はあると思わせてくれる6つの短編

▲:一穂ミチ「ツミデミック」(光文社)
犯罪をテーマにした6つの短編

△:岩井圭也「われは熊楠」(文藝春秋)
知の巨人南方熊楠の生涯を追った物語

今回の候補作の中で、僕がいちばん好きだと思えたのは、麻布競馬場「令和元年の人生ゲーム」でした。就職活動という人生の一つの契機を前に、自分はどんな選択をすべきなのか逡巡する若者たちを描いた作品です。今の時代の雰囲気をうまく切り取っていると感じました。
次に推すのが、「地雷グリコ」です。面白さ・エンターテイメント感という意味では一番でした。ただ、この作品にふさわしい賞は、直木賞より本屋大賞な気がします。
「あいにくあんたのためじゃない」「ツミデミック」もいい作品ですがお二人のこれまでの作品に比べて無難な感じがして、そこまで強く推せないなという感じがしています。
「われは熊楠」は南方熊楠の生涯を負った壮大な物語です。イギリス留学の話とか息子との関係とか色々知ることができてよかったです。主人公の内言を表現する作為に引っかかってしまって、いまいちハマることができなかったことが残念でした。

今回の候補作5作品を見たら、僕は直木賞の受賞は、「令和元年の人生ゲーム」か「地雷グリコ」のどちらかだと思っています。ですが、今回が6回目の候補となる柚木麻子さんも、これまでの功績を考えると受賞もあり得るのかなと思っています。結月さんが受賞する資質があることに疑いはないものの、もし取るんだったら「ナイルパーチの女子会」や「BUTTER」で取っていてほしかったなというのが僕の気持ちです。

以上が僕の予想です。 さてどうなるのでしょう?

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