2024年本屋大賞予想

明日発表される本屋大賞。僕の予想はこんな感じで。

①スピノザの診察室/夏川草介
雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く医者で、京都の和菓子でストレスを癒やしながら、地域の終末医療に奔走する。

②存在のすべてを/塩田武士
神奈川で起きた2件の児童誘拐事件。発生から30年後、関係者の取材から新聞記者が見つけた真相とは。

③成瀬は天下を取りにいく/宮島未奈
女子高生・成瀬あかりが巻き遅す騒動に目が話せない。

④リカバリー・カバヒコ/青山美智子
公園あるカバの遊具・カバヒコには体の不調を治すという都市伝説がある。人呼んでリカバリー・カバヒコ、カバだけにね。

⑤水車小屋のネネ/津村記久子
ソバ屋の水車小屋で飼われていたヨウムのネネを中心に、その周りにいる人達の支え合いの40年を描いた長編作品。

⑥星を編む/凪良ゆう
昨年本屋大賞を受賞した「汝、星のごとく」の続編

⑦黄色い家/川上未映子
まっとうに稼ぐすべを持たない花は、水商売で生計を立て仲間と共同生活していたが店を火事で消失し、よりリスキーな悪事に身を染めていく。

⑧レーエンデ国物語/多崎礼
レーエンデ国を舞台に繰り広げられるファンダジー

⑨君が手にするはずだった黄金について/小川哲
作家を目指す「僕」が怪しげな人たちと遭遇する、小川さんの半自伝的連作短編集。

⑩放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件/知念実希人
児童書初のノミネート。夜の学校のプールに放たれた金魚。だれが、なんのためにしたんだろう?

大賞は、「スピノザの診察室」「存在のすべてを」「成瀬は天下を取りにいく」「リカバリー・カバヒコ」のどれかかなという気がしています。

「スピノザの診察室」は、「神様のカルテ」シリーズを書いた夏川さんの医療物です。主人公のマチ先生の置かれている境遇(これまでのキャリアや甥っ子を引き取って生活している経緯)も、周りの医者等のキャラクター設定も夏川さんらしさが全開という感じでした。人の死と向き合うという重たいテーマでしたが、背景として描かれる京都の文化と合わせてすんなりとのめり込ませてくれる作品です。
「存在のすべてを」は、事件の真相を追うミステリー物で、途中登場人物の関係性を見失ってしまった部分もありましたが、最後の伏線回収というか落とし所がとても良く、今回の候補作の中では一番の読後感でした。
「成瀬は天下を取りにいく」は、女子高生・成瀬の行動が、破天荒でありながら小気味よく相関があり、読んでいて楽しい作品でした。これが宮島さんのデビュー作品という話題背も含めて受賞の可能性があるかなと思っています。
「リカバリー・カバヒコ」は、カバヒコ自身は何も語らないものの、その存在の救われていく人たちの連作短編集です。最後の編での回収の仕方がとても好きです。普段あまり本を読まないという人に対しては、一番にこの作品を勧めたいです。

さて大賞はどの作品になるんでしょうね。

楽しみに発表を待ちたいと思います。

#本屋大賞2024 #自分的順位

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