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これはもう2023年のピクミン1&2だよ ピクミン4感想(ネタバレを含みます)

「ピクミン4」クリアしました。
もともとピクミンシリーズが好きで、Wii移植版の1と2以外はすべて遊んでいます。2のお宝全回収と3の果物全回収は当時やらずに終わったんですが、どちらもSwitch移植版で達成しました。うれしい。

ダンドリに集中できる遊びやすさ

ピクミンは2・3・3デラックス・4の発売間隔がめちゃくちゃ空いてるのでシステムの改善が多く、特に3(デラックス)ではロックオンと投げるピクミンの選択がしやすくなったことでその後ベタ移植されたSwitch版のピクミン1+2が遊びにくく感じてしまうほど。
4はそれに加えてステージ全体を見られるドローンや暇な状態のピクミンを集められる笛など過去作では考えられないような便利機能がバシバシ出てくるので遊びやすさが段違い。画面もクラフト墨(ピクミンシリーズおなじみのフォント)を廃止して画面上の情報が整理され、スッキリしているのでステージの美しさも際立つようになっています。ダンドリに追われてゆっくり眺めるヒマはないんですが。

めちゃくちゃ水族館な洞窟内 後述しますが今作、地球すぎる


巻き戻しができるようになったのも大きな変化です。今までは1日単位でしかやり直せなかったところが1日の中で少し戻せるようになったのはかなり便利。もともと何度もやり直して最適な行動を考えるのが推奨されているゲームなんだけど周知されてない感があったので。とはいえかなりざっくりとしか巻き戻せない上に地上にいたピクミンがすべて隊列に入ってしまうので万能とは言えませんが。
また今作では初めて地上に呼び出せるピクミンの数と種類が制限(数はゲームを進めると増えていく)されていて、これは過去作を知ってると遊びづらくはあるんですが、初心者への配慮という意味ではおおいにアリだと思います。特に同時に出せるピクミンが3種類までになる制限は、最大8種類もピクミンがいるのであれもこれもとならずにその時やることに集中できるのでよいな、と思いました。洞窟に入るときも2ではギミックは表示されてたものの実際必要なピクミンの数と種類がはっきりしなかったのに比べ、今作はオリマーの航海日誌で洞窟の概要がわかるのと、種類制限のおかげでゲームデザイン的にもギミックが絞られているので遊びやすさが格段に増しています。好きなタイミングで外に出られて、再度入るときも好きな階から再開できるのもすばらしい。

もっと細かく言うと、その時連れていたピクミンと地上にいるピクミンを全部オニヨンにしまって洞窟内に連れていくピクミンを選べるようになったので、わざわざ洞窟へ行くためにピクミンを連れまわす必要がなくなっているし地上で埋まってる状態のピクミンの数を無視できるようになってるのも親切に感じました。
初登場のオッチンも便利すぎるし強すぎる。途中からピクミンを乗せて水上を泳げるし、ピクミンが変にばらけずに移動できるのがとにかく快適。後半になればピクミン100匹乗せてトッシンすればだいたいの敵は即倒せるので、分担して進めたほうがよさそうな場所でもほとんどオッチンに乗って進めていました。そのせいで後半のダンドリチャレンジ&バトルは苦労しましたが。

こういう遊びやすさから「4はぬるくなった」みたいな感想をちょくちょく見かけるんだけど、全然違うと思ってます。
正直今1や2を遊ぶと、操作性やUIのせいで遊びにくくて難しいだけなんですよね。投げるピクミンを選ぶのが隠しコマンドみたいになってるし、ピクミンを狙ったところに投げる技術なんか本来まったく不要なのに求められるのは理不尽とすら考えます。
ピクミンの本質は何と言ってもダンドリ力。初見のステージを入念に下見し、必要最低限の戦力や労働力を見極め、最大効率をつねに考えながらマルチタスクで行動し続ける。これがピクミン。
ここを最大限楽しめるように作られているので、別に簡単になっているわけではないし、実際最後のほうのダンドリチャレンジはマジでかなりのダンドリ力を求められます。そもそも本編にダンドリチャレンジが組み込まれているのも、ピクミンの面白さがダンドリにあるからこそなのでしょうね。

1と2のリメイクなのかもしれない

3にはなかった洞窟が復活していたり、操作キャラクターが(実質)2人に戻っていたり、日数制限が撤廃されていたり、3の続編というよりは2のリメイクなのでは?と思う部分が多いです。実際遊んでみても、2で登場したのと同じギミックの洞窟がいくつかある(深海の城やぶんどりレストラン等)し、遭難者の救助という新しい要素はあるものの、オタカラを回収して先に進めるようになる・全部集めなくてもエンディングが流れるが全部集めるまで遊べるという構造も2に似ている。ラスボスがルーイなのも。

もはやピクミンらしさの一つになってしまったルーイのヤバさ

さらに、オリマーを救助すると遊べるオリマー遭難記がほぼピクミン1でした。赤青黄のピクミンだけを使い、再構成された地上のみのステージで30個のパーツを15日以内に集める。しっかり日数制限のあるピクミンも楽しめてめちゃくちゃ良かった。15日といっても密度がミチミチなので、本編で培ったダンドリ力を発揮すれば余裕です。

9日クリアは早い方だと思います

つまりこれ、ピクミン1と2が遊びやすくリメイクされたような形になっているんですよね。もちろん新しい要素は入っているけど、それ以上に1と2を意識したつくりになっている。

時系列の謎

ピクミン4を遊んでいると疑問なのは、世界観のつながりです。
1は謎の惑星に不時着したオリマーが脱出を図る物語で、2は借金返済の為にその惑星にお宝を探しに行く物語。どちらも操作キャラクターにオリマーがいます。

3の主人公はその惑星を調査しに来たコッパイ星人3人ですが、ストーリーが進むにつれてオリマーを救助する必要が出てくるという物語です。デラックスで追加されたサイドストーリーで「この惑星は三度目だ」と言っていることから2の続きであることがわかります。

と、1から3にはハッキリとしたつながりが存在していたのですが、4に関してはいまいちクリアしてもあいまいな部分が多数あります。

まず、オリマーが過去のことを一切話さない。
オリマーが例によって謎の惑星(3以降はPNF-404と名前がついています)に不時着したことから物語が始まるのですが、「4度目」とか「また」みたいな発言が最後までありません。
また、3で解決したはずのコッパイ星の食糧難が解決していない・3で調査に来たはずのコッパイ星人についての描写が一切ないのも不気味です。

3の主人公と背格好・色が似ている、3人で調査に来ている、ひとり食い意地が張っているのも3と同じ

そして決定的なのは、2でのホコタテ運送(オリマーの働く会社)で起きた事故とそのせいで負った莫大な借金が「ありえない夢」として航海日誌に記録されている点です。

ピクミン2の出来事がなかったことになっている

このことから、1~3と4は別の世界線で起きている事象であると考えるのが自然です。
任天堂公式サイトの「開発者に訊きました」にも、

ピクミンのいる惑星は、どういうわけか
訪れるたびに違った姿を見せる不思議な惑星なんですが、
今回は過去の文明の痕跡が、
もっとも強く残っている時代にたどり着きました。
見たことのあるものがたくさん登場して、
ピクミンをより身近に感じられると思います。

https://www.nintendo.co.jp/interview/ampya/03.html

という発言があります。確かにPNF-404はシリーズごとに人間文明っぽさがまちまちです。4は特に民家がそのまま残っていたり、ラスボスが人類が飼っていた犬?のようだったり、3までとは現実世界との距離感がかなり違う印象です。

ピクミン4の根底に流れているテーマも「犬」なんですよね、キャラ名とか
第4の壁

以上を踏まえると、PNF-404にオリマーが墜落した時点で「1〜3の世界」と「4の世界」に分岐したのでは?と推測できるのではないでしょうか。
今作が1と2のリメイクみたいな構造になっているのも、変な話「1~3の世界」がなかったことになって、あたらしくピクミンというゲームをリブートしていくぞということなのかもしれません。完全な推測ですが。

古代の神秘シリーズ


先述のコッパイ星人も3と同じくちょうど3人で調査に来ておりルーイに振り回されたというのも一致するので、DLCで3のリメイク風のモードが出るのかもしれない……と思ったけど、ピクミンを使役していた描写がないのでこれはさすがに無理筋か。
とにかく今作で仕切り直された感がとてもあるので、世界観などがここから改めて蓄積されていくのかな……と思うとワクワクしますね。もう早く5作ってほしいですよ。システム全く同じでもいいから。今作もボリュームたっぷりだったけど、ピクミンのステージはなんぼあってもいいですからね。

2周目やればもっと少ない日数でクリアできそうだけど自分のプレイスタイルとは違うので気が向かない
ダンドリ仙人最後のステージ難しすぎた

最後は、人の心がギリギリ残っていたルーイのコメントでお別れです。

こんな感情あったのか、ルーイ

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