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私の原体験 〜なぜスポーツコミュニティを立ち上げることになったのか〜

子どもができて初めて気づいたこと

2015年6月、長男が生まれました。今から7年前、32歳。
前職の所属年数がその当時で8年近くになり、メディア運営業に日々忙殺される中で第二のステップを模索しているタイミングであったが具体的に行動に起こせず悶々としている中、家族が増えるというのは大きな出来事でありました。
それまでは子供は好きか嫌いかでいうと「好き」の部類に入るものの、「教育」にはそこまであまり興味を持っていなかったというのが正直な気持ちでした。なんとなく、結婚や子どもは仕事が落ち着くだろう35歳くらいで、というメドを立てていたくらいでした。自分は子どもの頃からどちらかというと周囲の環境に依存するのではなく、自らの判断で物事を多く決めてきたので、「教育」は外部環境から与えられるものではないと思っていたからです(何でも最後は自分で決めなさい、という両親の教えも大いに影響しているでしょう)

しかし、子供が産まれお父さんとして「1歳」となり、日常生活にポッと放り出されてから身の回りに起こる環境に対する感度がより高まり、深く見られるようになったのがきっかけで、いろんな場面にすごく違和感を感じるようになりました。
妊婦さんに対する電車内の冷たい対応、交通の不便さ、街ゆく人たちの冷たい視線や子どもを中心としていない国の施策などなど、いろんな粗が見えてくるようになったのです。

翌年には次男が産まれ、息子たちがすくすくと育っていくうちに、保育園や幼稚園の教育環境、社会的な立ち位置、「教育機関」という形骸化した組織が数多く見えてくるようになり、本来中心にあるべき子どもたちが蔑ろにされているという現状に愕然としました。。
次第にその違和感が自らのスタイルや信念を育て、自分の存在価値を改めて見直す中で何か行動できないものか、と周囲の人たちと共有していました。

ある学校の先生との話

話の時間軸を少し前に戻しますと、私は2009年から2021年までアマチュア野球メディア「Timely!」というスポーツメディアを前職の会社から弊社ACEとして独立した後も数年、運営を行なってまいりました。主に、学校に送るフリーマガジンとウェブサイトを中心に、記事制作全般のトータルディレクションと広告&マーケティング全般のセールスディレクション&プロデューサーとして、日々忙しなく周囲のパートナーやスポンサー企業さんとディスカッションしながら、より良いコンテンツを追求していました。
基本的には周りの人たちと協力して何かを作り出し(生み出し)、継続している生活を続けていました。
10年もこの仕事を続けていると、「本質」に目を向けて活動をしている先生方やプロフェッショナルな人々、企業人の方々と深い話をするようになりました。
この「本質」という部分が自分も非常に大切にしているところで、表向き着飾っているのではなく、何かの本質に向き合って信念を持ち続けている方とはいつの間にか「今の野球界やスポーツ界はあるべき姿なのか?」「育成年代の子どもたちの未来はどうなるのか?」という話が中心となる機会が多くなりました。

メディアを始めた頃から尊敬しているある先生とそういう話を長年続けているうちに、私の中でもメディアという中間な立場ではなく、もっと現場の課題に向き合える立場で事業を成し遂げたいと思うようになりました。俯瞰した立場で評論するのではなく、自らが肌で感じた課題を解決する団体、活動を運営していくべきだ、と感じるようになったのです。

現在のスポーツ界における問題点・課題点

野球やサッカーのメジャースポーツはもちろん、今では卓球やバレーボール、バスケットボール、ハンドボールなど多くの競技がオリンピックやワールドカップの大会で好成績を収めて代表選手たちのレベルは以前に比べてかあり成長しています。国内リーグも整備され、そうした競技を若年層から始める子どもたちも増えてきました。

一方で長年スポーツの現場を見てきた中で感じているのは「指導環境」がほとんど変わってきていないという現実でした。
主には指導者の感覚的な指導や経験則のみによる指導、傲慢な態度や生徒・保護者とのコミュニケーション不足による問題の噴出など、大小様々な問題や課題が多く蔓延っているのも現状です。
一番多感で大事な時期である幼児〜小学校低学年、また高学年〜中学生までの若年層の子どもたちへのスポーツ環境があまりにも変わっていない(もしくはひどくなっている)現状を多く目にしてきました。
これは野球もサッカーもその他のスポーツも全て当てはまると言っても過言ではないでしょうか。

一番の問題はそうしたなんらかの違和感を感じたままスポーツを行っている子どもたちが増えることで、その競技を好きでいられなくなったり、やめてしまったりする。また、「スポーツは楽しいものだ」という感覚がないまま大人になってしまうことだと感じています。
本来スポーツのあるべき姿は「またやりたい」「もっと上手くなりたい」という欲を自然と生み出されるものだと思っていて、そうした環境を子どもではなく大人が創り上げていかなければなりません。

今ある環境が果たして子どもにとって最適なのか。
この先その競技を続けていく上で何か足かせになっているものはないか。

日本のスポーツ環境を見るに、そうしたところにも違和感を感じざるを得ませんでした。

キッズベースボール体験会が持つ意義

そうした中、2021年12月、横浜市都筑区の「キッズ大陸よこはま中川園」にて初めて幼児&小学校低学年生向けの野球体験の場をセッティングできました。
これには多くの人々の協力があってこそ実現できました。

一つは場所の提供。
上記のキッズ大陸よこはま中川園さんは弊社ACE株式会社が平日の木曜日に野球クラブを受託させていただいているのですが、地域の人々に施設を積極的に開放しているスポーツ幼児園として運営されています。2023年4月にはこれまでの中川地区から生田地区に移転され、サッカーJリーグの川崎フロンターレのコミュニティ施設「フロンタウン」内にて運営されることが発表されています。(詳細はこちら

そしてもう一つは集客。
初回の体験会、短い告知期間であったものの、20名程度の参加者が集まってくれました。数自体は多くないものの、主に幼稚園年長さんから小学2年生くらいがボリュームゾーンで、普段野球はほとんどやっていない、または公園でお父さんとキャッチボール程度、という方々が集まっていただきました。まさに我々はそのカテゴリー&対象の子どもたちに参加してほしいと思っていたので、非常に大きな一歩でした。

これまで、幼稚園児を対象とした野球教室、野球スクールは日本全国見てもそこまで多く開催されておりませんでした。
多くは小学生高学年向けで、「野球をすでにやっている子どもたち」を対象としたものが主流となっていました。
我々はこれからの野球界・スポーツ界を危惧した際に、今やっている子ども達が長く続けて欲しいというのはもちろん持っていますが、その中でも「まだ野球(スポーツ)を始めていない子どもたち」に野球(スポーツ)が好きになってもらいたいと思い、野球(スポーツ)が楽しい!またやりたい!と思ってもらえるような空間を創らなければならないと考えています。

まさにここがキッズベースボールを開催する意義となり、さらには継続していくことが必要となってきます。一回だけ単発でやるだけでは子どもたちが続けて野球をやりたいという感情には当然なりませんので、持続可能な体制を作っていかなければなりません。
指導に入っていただくコーチはもちろん、場をアシスタントする学生スタッフ、保護者様と話す運営スタッフなどあらゆるスタッフの目線を合わせ、ノウハウを溜めていくことが重要です。

今後も詳細の情報はここで発信していこうと思いますが、こうした過去の原体験と社会課題や背景を深く理解していく中で、まずやってみようという気持ちで「インディペンデンツジュニア」はスタートしました。

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