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MGL週報 #62 -【雑記】 PC新調、Steam体験版の仕様変更など

このエントリはゲーム開発用フレームワーク「MGL」の開発記録です。MGLはzlibライセンスの下に無償で提供されています。


今週もMGL関連の作業はドキュメントの整理くらいしかできていないのですが、何も書かないより何か書いた方が良いだろう精神で雑多な事を書く事にします。


PC新調

前々から計画していたWindows開発用PCのパーツ一式がようやく週末に揃いました。久々のPC自作なためトラブル続きですんなりとはいかなかったものの、何とか真っ新なWindowsに各種ドライバだけ入れた状態には持ってくることができました。作業環境の構築はこれからなので、しばらくは現在のくたびれたPCと併用して作業を進めていく予定です。

気になる性能ですが、ある程度ヘビーなゲーム開発にも耐えられるようにと想定したうえで、CPUにRyzen9 7950X3D、GPUにGeForce RTX 4070 Superを採用しました。インターネットで検索すると見つかる様々なベンチマークを比較した結果、両者は性能あたりの消費電力、すなわちワットパフォーマンスが非常に優れていそうだったためです。

PCを選ぶ際には性能と値段を天秤に掛けると思いますが、もう1つ忘れてはいけないのが消費電力です。いくつかの例外こそあるものの、基本的には性能(と価格)に比例するように消費電力も増大し、それに伴い発熱量も増えます。温度の高い状態が続いた場合、ハードウェアは故障を回避するために意図的に性能を落としてしまいます。いわゆるサーマルスロットリングです。ゲーム開発は高負荷状態が続く中で作業を継続する機会が多く、これが結構痛手となるのです。

加えて、私のような個人開発者の作業環境は会社のオフィスほど強力な電源環境がありません。ただでさえ機材が多くてタコ足配線になりがちな中、消費電力を無視して性能重視にしてしまうとリアル炎上案件です。読んで字の如く。

(余談ながら、Macはこの辺のバランスが非常に良いのですよね。突出した性能こそないものの超低消費電力で、かといって開発作業に困らない性能は十分に備えているという)

性能を求めつつ極力消費電力を抑える選択肢は他にもありましたが(Ryzen9 7900とRTX 4060など)、今回はある程度性能に余裕を持たせておきたいという意図もありました。10年前のPC(とMacBook)を未だに使い続けているような人間ですので、このPCも向こう10年は頑張ってもらうつもりですからね。あと、ゲームもしたいし。

何はともあれ、今まで性能的に諦めていた事が可能になったのは大きな前進になるはずです。この性能だと仮想環境での検証も問題なく行えそうですので、対応プラットフォームの拡大の際に活用できるかもしれません。MGLとは無関係ながらレイトレーシングとかの実験もやってみたいですね。あと、ゲームもしたい。

なお、相場を知っている方なら何となくお値段が想像できるかと思いますが、元々組んでいた予算をガッツリとオーバーしてしまいました。今年はもう大きな買い物ができません。


Steam体験版の仕様変更

ちょっと前にSteamの体験版に関するアップデートが行われましたね。これ、開発者としても結構大きな改良点です。

今回の大きな改良点は、製品版と体験版の両方を所持できるようになった事です。今までは製品版を入手した時点で体験版はライブラリから消去されるようになっていたのですが、これが撤廃されました。

これの何が問題だったかというと、セーブデータの引き継ぎの検証が困難だったのです。

体験版から製品版へのセーブデータの引き継ぎは、Steamクラウドを経由して行います。体験版は製品版のクラウド領域へとアクセスできるため、ここに体験版用のセーブデータを作成、製品版側では体験版のセーブデータがあったらそれをインポートするという流れが一般的な引き継ぎ方法でした。

しかし、開発者のアカウントは製品版を常に所持している事になっています。すなわち、Steamクライアントからは体験版を起動できません。そして、Steamクラウドの機能はSteamクライアントの機能に強く依存しています。

ではどのように検証していたのかというと、捨てアカウントを作成してテスターとして体験版→製品版の順に登録して検証する必要がありました。もちろん、検証後はそのアカウントは使いまわせないため、もう一度検証したい場合はまた捨てアカウントを作り直さなければなりません。これは面倒なだけでなくValve側にも迷惑がかかりそうな手法ですが、いかんせんドキュメントにそうしろと書いてるのですから他に手段はありません。

「ぺぐそり+」も何だかんだで公開していませんがSteam向けの体験版は作ってあって、この辺の検証が不十分だったと記憶しています。未公開の理由はどちらかというとストアページの作成が面倒だからだったのですが、これを機に公開を再検討してみるのも良いかもしれません。(ちなみにWebサイトでは公開しています)


その他

作業配信できずにモタモタしてたら新PCの方が先に来てしまいました。

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