【WTCSドバイ🇦🇪女子レースレポート】

2021年のWTCS最終戦！
トライアスロントップカテゴリーのこのレースにはほとんどの女子のトップエリートが集いました！東京五輪🥇ダフィー🇧🇲🥈テイラーブラウン🇬🇧、世界選手権覇者ニブ🇺🇸、Super  League
3勝リアマンス🇬🇧、世界ランキング1位リンデマン🇩🇪、2位バンデケイ🇳🇿、3位ラパポート🇺🇸、韓国WTC2連勝のポター🇬🇧、IRONMAN70.3世界女王ルーシーチャールズ🇬🇧とまさしくオールスターの戦いです！

日本からは東京五輪代表の高橋侑子選手、岸本新菜選手、若手筆頭 中山彩理香選手、そして福岡啓選手の4選手が出場しました。

気温32℃、水温31℃という東京五輪(気温26.7℃、水温28.9℃)よりも過酷な状況下で49名がポンツーンスタート。

〜Swim750m〜

横一列からスタートした選手たちのうち、右側1/3の選手がやや遅れた集団になり、残りの選手が先頭のコールドウェル🇬🇧を先頭に集団で泳ぎ進めていきます。長い直線から第1ブイに近づくにつれて一つの大きな集団となり、ブイをクリアすることをきっかけに集団が分かれて先頭は15名の集団に絞られていきます。スイムアップではコールドウェルと同時にリアマンス🇬🇧が先頭で終え、そこにラパポート🇺🇸、4番手に高橋、そのほかにダフィー🇧🇲、ルーシー🇬🇧、集団最後尾でニブが続きます。ランキング1位のリンデマンは30秒差出遅れます。日本選手は31秒差の27位で岸本、35秒差の34位で福岡、35秒差の35位で中山と先頭集団には厳しい集団でスイムを終えます。

〜Bike20km＝4km×5〜

レースを決定してしまう時もあるバイク序盤の集団形成。特に今回はSuper Leagueでも活躍した選手が多く出場しており、バイクの逃げ切りが決まる可能性が高いです。バイク周回の序盤にあるアブダビのサーキットコースの上りで15名だった先頭集団に二つに分かれ、高橋は後ろの集団に取り残されてしまいます。

Lap1
6名(テイラーブラウン🇬🇧・リアマンス・ダフィー・ニブ・ルーシー・コールドウェル)
+9s 7名(ホーランド🇬🇧・ペレス🇧🇷・高橋)
+17s 2名(バンコーボデン🇦🇺・バーグランド🇫🇷)
+26s 14名(スタンフォード🇬🇧・ポター🇬🇧・スパイビー🇺🇸)
+49s 15名(岸本・中山・福岡)
サーキットも使う超高速バイクコースではなかなか大きな集団とならず、背中を捉えながらもその差がなかなか埋まりません。

Lap2(5:32)
先頭5名
+21s ルーシー
+35s 7名(ホーランド🇬🇧・ペレス🇧🇷・高橋)
+48s 12名
+1:14 16名(リンデマン🇩🇪・岸本・中山・福岡)
先頭集団からルーシーが単独で遅れ、後続では14名の第4集団でベトー🇮🇹がコーナーで落車し集団が分断します。ベトーはこのままリタイヤ、ガルシア🇪🇸も巻き込まれましたが、後続からきた集団に合流し競技を続けます。

Lap3(5:31)  /Lap4(5:41)    /Lap5(5:51)
先頭5名　　/先頭5名　　   /先頭5名
+44s 1名　  /+1:03 1名　   /+1:14 1名
+1:04 17名　/+1:26 17名   /+1:39 17名
　　　　　　　　　　　    /+2:31 15名
先頭5名のラップタイムは男子の第2集団の速さに匹敵するほどの速さで後続を突き放していきます。それとともに驚くべきは単独走行を続けるルーシーの強さ、第2集団17名との差を数秒ずつ広げていきます。5人集団からニブが単独逃げを試みるなど先頭集団でも気を抜けないまま、バイクを終えてランに移ります。

〜Run5km＝2.5km×2〜

リアマンスが先頭で飛び出し、その後ろに4名も続いていきますが序盤からのハイペースにニブがついていけません。サーキット場を走りながら1.5km地点でダフィーがさらにペースアップすると後続はこれについていけず単独先頭になります。ダフィーのペースは1km3:15というハイペース！

Lap1(8:10)
ダフィー 
+6s テイラーブラウン
+11s リアマンス 
+18sコールドウェル
+28s ニブ
+1:46 5名(スタンフォード・バーグランド🇫🇷・ポター・クラマー🇳🇱・ホーランド)

先頭ダフィーの優勝が確実かと思われた3km地点で再びテイラーブラウンが追いつき先頭争いを繰り広げます。しかしラスト800mでダフィーが再度プッシュし、突き放すことに成功し優勝、バイクで逃げ続けた5名が上位5位でフィニッシュし、第2集団の先頭ではバーグランドが先着し6位入賞をしました。

優勝　ダフィー🇧🇲
2位　 テイラーブラウン🇬🇧+12s
3位　 コールドウェル🇬🇧+30s
4位　 リアマンス🇬🇧+46s
5位　 ニブ🇺🇸+54s
6位　 バーグランド🇫🇷+1:43

出走49名、完走43名

◯日本選手結果＆エース的考察

19位高橋侑子選手(+2:42)/Swim4位・Run25位
スイム先頭集団、しかも4位でフィニッシュするもバイク集団形成で先頭集団についていけず第2集団での展開になる。ラン単品だけでも先頭から1分30秒離されているために来シーズンに向けてラン強化に取り組んで欲しい。
35位岸本新菜選手(+4:36)/Swim27位・Run35位
スイム集団ではバイク集団での後方に取り残されてしまった印象があるが、あと数秒前の集団で上がっていれば良い集団でのレース展開になったはず。しかしながらランの実力がまだまだWTCSでは不足しており、WTCSで転戦していくためにラン強化は急務である。
36位中山彩理香選手(+4:43)/Swim35位、Run36位
若手筆頭であるも世界トップレベルの差を見せつけられる展開に。WTCSよりもWTCやCTCでしっかりと結果と実力をつけてからのレースをしてほしい。
40位福岡啓選手(+6:54)/Swim34位、Rum42位
中山同様後方展開で、過酷な状況、そして韓国からの連戦もあってかランも走れずに下位フィニッシュになってしまった。

男子に比べて、弱体化している女子エリート勢。かつてはランナー上田藍の表彰台獲得などもあったが一線を退いた今、次の選手がいないのが現状である。女子では海外拠点で活動する高橋、男子では強豪ノルウェー勢と練習を重ねるニナーの2人は国内選手よりも抜けた実力を付けてきている。